誰も欠点のない人間はいない、というが、それは対象がはっきりしていると、人によって好き嫌いがあり、万人にひとしく好かれることはないということなのかもしれない。
あるところでは、認められる価値観でも、あるところでは、とても受け入れられるものではないかもしれない。そういう違いは、どこでも見られることであって、そういう現象を言っているのかもしれない。
文部科学省の事務方トップだった前川氏は、官邸サイドから悪意のコメントを浴びたが、そのコメント自体が自らの品性の劣悪さを示したひどいものだった。そして、財務省の同じく事務方トップの福田氏は、セクハラ問題で辞任した。こちらは、逆に保護する姿勢が目立つ。
どちらが、いい人だろうか。前川氏のなにも隠し事のない様子。官僚のトップとして、恥ずかしくない人物であり、その表情や、発言も好感が持てる。すばらしい。まさに、心地いい人である。一方、福田氏は、みっとも悪い人だ。セクハラを認めず、マスコミに追い回されて仕事にならないから辞める、など理屈にならないほど低レベルである。政権はどちらの肩をもったのか。政権側の品位がはっきりわかる。
疑惑を解明せず、議席の多寡で、押し切る自民党のやり口に、野党は審議拒否の手段に出た。議会が正常にならないのは、明らかに、自民党の政治姿勢なのだが、そこで、事態の解決は、不祥事の解明しかないのだが、それをしたくない自民党は、解散で乗り切ろうという話もでている。
野党は随分馬鹿にされたものだが、その背景は、国民が馬鹿だから、大丈夫と思っている支配者層の考えがある。自民党の支持率が下がらないのである。国民はいつ目覚めるのだろうか。
野党は、自民党にかわるだけの説得力をもたなければならないし、不都合があれば、いつでも政権を替えてみようと国民に思わせなくてはならない。野党の成長がのぞまれる。