日本語で書かれている。しかし、新しい知識を与えられた感じがまったくない。コンピュータの計算ついての本なのだが、どこからどうとりつけばいいのか、さっぱりつかめない。
計算に関することだが、世界が全然ちがっていて、アプローチがまったくできないのである。そもそも、数学の世界では、まったく歯がたたない分野があることについては、うっすら気付いてはいたが、今や身近なコンピュータをめぐって、こんなにわからなくていいのだろうか、と思う。基礎力がないのである。
ゼロかイチかの区別ができれば、コンピュータは仕事ができる。二進法を使えば計算はできる、どうやって?電気回路でそのやり方を示すことができる。だが、具体的に素子をどうつないで、どうしているのか、頭で理解できるようにはなっていない。
そもそも世の中謎だらけである。テレビだって、どのようにして画面がみられ、音声が聞けるのか、知らない方は結構いるのではないか。小生だって、放送局から放たれた電波が、映像情報や音情報によって、変調されて、受信側で、その情報を再現しているという位は知ってはいるが、細部に至っては、とても知っているとは言い難い。
これは、誰かが、細部にわたって知っている人がいて、大量生産の仕組みを用意しているのはまちがいなく、大事な部分を、熟知している人物は、確かにいるのだが、それ以外のほとんど大多数の者は何も知らないでいる。
専門家は、さまざまな分野にいて、冒頭の計算の話にしても、いろいろな分野に、その学問分野の力が、影響していて、これをしらなければ、成立しえない分野がある。
ということは、天才と言われるような人々の努力の成果が、積み重なって、現実の世の中ができているといってもいいかもしれない。できることなら、それらの仕組みをすっきりと理解したいところだが、それはほぼ不可能だろう。
それでも、この精緻な世界の実態を感じるとき、プーチン氏のような連中が、いることはまことに嘆かわしい。彼一人が意志をもって、行動したことで、ロシアが今度の進攻事件を起こしたのか、どういう構造で、可能となったのか、これは必ず解明されなければならない。政治の形態がどうであり、国民はどのように考えてきたのか、なぜ、このような蛮行をなしえたのか。
ロシアの在外高官が、プーチンのやり方に我慢できなくなって、辞任する者がでてきた。あからさまなウソをつき続ける連中のいよいよ終わりの兆候がはっきりとでてきたということではないか。
プーチンの論理は、西側からみれば、無理筋であることは、はっきりしているが、ロシア国内では報道統制がきいていて、簡単ではないらしい。
冒頭に書いた計算理論の話は、本当に理解の範疇から遠いが、それに比べれば、プーチンのいうことは、なんと馬鹿げているか、ということは、はっきり理解できる。
自然科学技術の人類の到達点を、プーチンは知っているだろうか。彼は、ロシアの歴史を研究しているらしいが、もっと理系分野についても勉強すべきである。核や化学兵器の使用をちらつかせるなど、話にもならない低レベルである。