新年最初の訪問をした。ベッドに母は寝ていた。弱っていた頃と同じ寝姿、表情である。ゆすって起こすと、目覚めて、すぐに笑顔となる。ここが、以前と違う。
背中に手を入れて、起こす。賀状を読むために。
一通り、読み終えて、こちらは、カレンダーを、取り付ける。
宮尾登美子さんの随筆を読み終えたといい、代わりの本の所望の雰囲気をだす。まともに頼まない癖は、変わらないが、こちらから、提案の形をとる。
みんなに、復活したことを言われることが、まだ続いているらしい。9月入所の際は、もう駄目と誰もが思っていたのだから、いつもその話は、新鮮である。こちらもそうである。その話なら、何度しても、構わない。
趣味の世界をひろげることを提案。すぐには、無理かもしれないが、本人の意欲は高まっている。これは、見たことがない風景である。こんな風景が見られるのも、施設の存在が大きい。
個々の家庭では、ぜったいに無理である。こうなると、入所の決めてとなった自分の不整脈のおかげともいえる。不思議なものである。