ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『冷たい熱帯魚』

2010-11-16 09:19:12 | 新作映画
----おっ。これはいま注目の作品だね。
「ヴェネチアが沸いた!
園子温、最高傑作にして金字塔的作品 誕生!」
…。
いったい、どんな映画ニャの?
「ひとことで言えば、
猟奇連続殺人と、その男に魅入られた
熱帯魚屋を営む主人公・社本と家族の話」

----へぇ~っ。主演が吹越満だよね。
とても、そんな話とは思えなかったニャあ。
「そこも巧いところだろうね。
このキャスティングからはとても想像つかない。
ぼくは、チラッと仮プレを読んでいたから準備はできていたけど、
その殺人鬼・村田を、
ふだんはお人よしの八百屋的イメージがあるでんでんが演じている。
で、その妻を黒沢あすか
彼と組む悪徳弁護士に渡辺哲というのも意表をつく。
物語は、さっき言ったプロットに集約される。
そこに、主人公の家族が崩壊していることを織り込み、
気の弱くて、後妻の妙子(神楽坂恵)にも
連れ子の娘・美津子(梶原ひかり)にも
毅然とした態度が取れないでいる。
そこに、村田はつけこむんだね。
この骨組みがしっかりしていて、
悪とはいえ、自分の腕だけで生き抜いてきた村田と、
負け犬のような人生を送ってきた社本の対比が、
この殺伐とした時代を映し出す。
タフでなければどころか、
狼にならなければこの世で生き抜くことはできないとでも
言われているかのようで、
なんとも複雑ではあったけどね。
ただ、映画としては、やはり惹かれるものはある。
日本映画で、ここまでのモンスターを登場させたのは、
ほんとうに珍しいんじゃないかな」

----園子温って、映像もエネルギッシュだよね…。
「うん。冒頭の暴力的なテロップの入れ方、
現在の時刻を表すタイムコードなど、
『愛のむきだし』のときも話したかもしれないけど、
ギャスパー・ノエを思い出した。
映像的に人体をバラバラに始末するシーンとか出てくるけど、
それが目をそむけるような感じでもないところもいい。
暴力的に見えて節度があるんだね」

----観客が目をそむけたら、
意味ニャいものね。
「そういうこと。あと、惨殺の舞台にマリア像など、
キリスト教イメージがあるのもこの人らしい。
ぼくは『チェイサー』(ナ・ホンジン監督版)などに代表される
韓国の殺人者映画を思い出したけど、
監督によると『上半身が深作欣二
下半身がポール・バーホーベン』らしいよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これは実話が元になっているらしいのニャ」
ご不満

※「ボディを透明にする」は実際でも使われたという名セリフだ度


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