ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『マチェーテ』(肉食系女たちがカッコいい!)

2010-10-26 23:28:14 | 新作映画
※ちょっとネタバレ部分も。
あっと驚きたい人は、
本篇をご覧になってからお読みになることを、
おススメいたします。


(原題:Machete)

----おおっ。
これって確か『プラネット・テラーinグラインドハウス』のとき話題になった
フェイクの予告編『マチェーテ』から生まれた作品だよね?
「そう。そうなんだ。
で、結論から言うと、
これが予告編なんかはるかにしのぐオモシロさ。
個人的には、いま大ヒットしているあの映画なんか目じゃない。
ぼくの求めるアクション映画は、まさにこれだね」

----へぇ~っ。そこまで誉めるなんて信じられニャい。
どこがそんなにハマったの?
「一つひとつのカットに魂がこもっている。
なんて、いきなりスピリチュアルな言い方をしてしまったけど、
分かりやすく言えば、画つくりが丁寧なんだ。
でも、それは何も、はっきりくっきり見せているということじゃない。
たとえば、この映画ではナイフで切られて首がすぱすぱ飛ぶし、
体に釘だか杭だかを打ちつけるような、
本来なら目を開けていられないような残酷なシーンが次々と登場。
でも、それが“映画の中の嘘=約束事”として節度を持った描き方がなされている。
だから、純粋にアクションとして楽しめちゃうんだ」

----丁寧でいて節度あり?
それは難しそう。
だけど、お話自体は荒唐無稽ニャんでしょ?。
「そう。しかも
複雑なようで単純。
フライヤーの裏に書いてある文言を引用すると
こうなる。
『罠にはめられ失職した一匹狼の元メキシコ連邦捜査官、マチェーテ(ダニー・トレホ)。
国境を越え、アメリカに渡った彼は
不法移民嫌いの米政治家の暗殺を依頼されるが、
それもまた新たな罠だった…』。
で、そのマチェーテの前に現れる女たちがみんなエロカッコいい。
移民関税執行局(ICE)職員にジェシカ・アルバ
母親と裸で戯れるマフィアの娘にリンジー・ローハン
そして筋肉隆々、表向きはタコス売りの女戦士にミシェル・ロドリゲス
ここまで肉食系の戦う女が出てきたのは、
もしかして『アマゾネス』以来かも。
一方でまた、悪役が魅力的。
いつもは、なぜか風貌とは似合わない正義の観方に扮しているスティーブン・セガールがメキシコの非情な麻薬王。
一説では、『エクスペンダブルズ』への出演を断ったとも言われているけど、
こっちに出るためだったらそれは大正解。
刀を振り回し、最後は切腹まで見せてくれる。
で、移民を嫌う人種差別の米上院議員にロバート・デ・ニーロ
彼がまたおかしい。
命ほしさに、さっさと自分の立場を変えちゃう。
他にも、チーチ・マリンがマチェーテの兄貴で牧師の役。
ドン・ジョンソンが自警軍の兵士。
と、俳優だけでも見ごたえ十分。
しかも監督ロバート・ロドリゲスが目指したのが、
ラテン・フレーバーを持ったアクション映画。
彼はジョン・ウー監督の
『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』『狼/男たちの挽歌・最終章』に刺戟を受けたというんだ」

----ニャるほど。納得。
えいは、ああいうの好きだもんね。
「そういうこと。
一見、派手にドンパチやっているように見えても、
そこには様式的な美学がある。
あと、忘れてはならないのがユーモア。
『マチェーテ、メールしない』を始めとする
マチェーテのセリフのいくつかは、
それこそ名セリフとして、この後、長く語り継がれるだろうね。
そうそう、『腸の長さは身長の10倍』らしいよ」

----ニャんだ、それ。


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「興奮して帰ってきたのニャ」おっ、これは


ジョン・ウー+サム・ペキンパーだ度

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4 コメント

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同感です (にゃむばなな)
2010-11-14 16:27:02
そうそう、このB級映画には美学があるんですよね。
ですから面白いんですよ。

本当に連休でヒマな時にUHF局で放送されていたら思わず見てしまうようなあの魅力が満載でしたよ。
返信する
■にゃむばななさん (えい)
2010-11-17 09:16:32
こんにちは。

この映画、いま思い出しても楽しかったです。
なるほどUHF局か…。
最近、そのノリの映画が減っている気がします。
こういう徹底してムチャをやる映画は大好きです。
返信する
作家の節度 (ノラネコ)
2010-11-17 23:28:12
節度があるっていうの、凄くわかります。
これは「デスレース」のリメイクを観た時に感じたのですが、デジタル時代になって低予算でもとにかく描けるだけリアルに、というような作品が増えましたよね。
でも結果的に痛々しさ前に来て、オリジナルが持っていた絵空事の楽しさみたいなものは失われてしまっている。
ウソをウソとして楽しむ事の重要さを、ロドリゲスはよく知っていると思います。
何より作り手がウソを凄く楽しんでる!
返信する
■ノラネコさん (えい)
2010-11-21 23:30:24
こんばんは。

アクションと言うと、
最近は、シャープであることが要求されているような気がします。
でも、ぼくなんかのアクションのイメージはパワフル、
どっこいしょって感じ。
この映画は、
そんな古き良き時代のアクションを思い起こさせる
荒唐無稽さが嬉しかったです。
返信する

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