ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『恋の罪』

2011-10-16 18:45:28 | 新作映画
「わたしのとこまで堕ちてこい――」


「さて、今日はついにこの映画のお話をしちゃうかなあ」
----あれれ。あんまりノッてニャいみたい。
「いや。そんなことはないよ。
ただ、これは無を言わせぬ作品。
言葉では語りにくい。
思うに、園子温監督って、
今や特別なところまで到達したという気がする。
たとえば、フェリーニやブニュエル、パゾリーニみたいに、
自分の作風を持っている。
ちょっと観ただけで、それが彼の映画だと分かっちゃう。
現代だと、
エミール・クストリッツァ、ラース・フォン・トリアー、ギャスパー・ノエ…。
日本でここまで個性を持った監督って寺山修司以来じゃないかな」

----みんなアクが強い監督ばっかりだ。
そういえば寺山修司も詩人だよね。
「うん。
で、個性があると言うことと、
それが好きかどうかはもちろん違う。
ぼくもそのあたりが定まらないんだけど、
それでも、この監督の作品は、
とにかく映画を観たという気にさせられることは間違いない。
その映画力の前に
言葉で考えることを停止させられるんだ。
おそらく、この映画をぼくがちゃんと話すには
あと、2~3回観ないと難しいだろうね」

----でも、これって“東電OL殺人事件”がモチーフだよね。
「それはそうなんだけど、
基となっている事件から残っているのは、
ある殺人が渋谷のラブホテル街・円山町で起こって、
被害者は表向き普通の顔を持っている女性だったということくらい。
たとえば、のように
犯人が誰か?などというようなそういう方には行っていないし、
アジア系外国人の男も出てこない。
思い出したのは石井隆
『ヌードの夜』にも出てきたような裏社会の中、
『夜がまたくる』で観られた“堕ちていく”女性。
そういう既視感はあるものの、
やはりこれは園子温の世界。
『愛のむきだし』のように凄まじいスピードで物語が展開し、
『冷たい熱帯魚』で観られた
口角泡を飛ばす喋り、
それが言葉の応酬として、今回は女同士で行われる」

----それが3人の女性というワケ?
「いや、水野美紀は黒子的役回り。
直接、事件には絡まない。
事件後に取り調べている刑事。
あっ、確かに巷間言われているような
オールヌードとベッドシーンもあるけど、
富樫真、神楽坂恵のそれに比べると
まだまだ大人しい方。
『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンみたいなこともさせられるけどね。
でも、今回、凄まじかったのは大方斐紗子
あのキャラクターを作り上げられるのは、
やはり園子温だけかもね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ニャんか奥歯に物が挟まったようなお話だニャ」なにこれ?

※この映画、悪魔の所業だ度

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