ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『王様ゲーム』

2011-10-29 23:49:27 | 新作映画
----ん、これって原作が携帯小説だよね。
これまでそういうのってスルーしてなかった?
「鋭いね。
今回も、企画としては、
金沢伸明のベストセラーを基に、
人気アイドルグループ、Berryz工房の熊井友理奈
℃-uteの鈴木愛理を主演に迎え、
ふだんは映画館に足を運ばない人に向けて
アピールしようとしたんだろうな…というのは
ある程度読めちゃうんだけど、
それでも喋っておきたいことがあって…」

----その顔合わせだと、舞台は高校?
「まあ、そうだね。
物語もシンプル。
ある夜、本多智恵美と金沢伸明(桜田通)の元に、
“王様”と名乗る送信者から“王様ゲーム”という件名のメールが届く。
“王様”の命令に24時間以内に従わなければ罰を与えられるというこのメールは、
クラス全員に届き、
その内容は次第にエスカレートしていく。
最初は“好きな人の告白”。
それが“誰と誰がキスしろ”“誰それの胸に触れ”、そして“誰と誰がHしろ”…。
しかもこの命令に従わないと抹消されてしまう」

----抹消って?
「存在を消されてしまうんだ。
しかも、担任も家族も
その子が抹消された後は、その存在をまったく忘れてしまう。
最初からそんな人はいなかったと思っちゃうんだね。
まあ、かなり無理のある設定だけど、
こういう超常現象ホラーは、
この無理を前提で話が進むわけだから、
ここで引っ掛かっているようでは、
最初からこの映画にはあわないってこと」

----それはまた大胆な…。
「さて物語は、
誰が王様かという、
犯人探しの形で進み、
最終的には意外な結末を迎える。
少なくともぼくにとってはだけどね。
さて、ぼくが今回ここで話したいのは
その結末へと導く、この映画の監督について」

----監督って鶴田法男だよね?
「そう。
名画座・三鷹オスカーの支配人を父に持つ彼は、
その体に古今東西、多くの映画が染みついている(とぼくは思う)。
それもあってか、
こういうホラーを撮っても、
彼の作品は通り一遍の映画とはならない。
そのことにぼくが最初に気づいたのは
『バースディ~リング0~』
この作品では、それまでの『リング』が展開してきた
“貞子”=“呪い”の恐怖を
その恐怖が生まれた原点を探る中で、
昔懐かしい“怪奇映画”へと転化。
それでいながら、そのラストでは
決して救われることのない“真の恐怖”を描く。
一瞬、恐怖から救われたという安ど感を主人公にも観客にも与え、
でも、実はそうではない。
恐怖のループというか、エンドレスの恐怖。
逆に、その安ど感があるからこそ恐怖がいや増すという、
彼のこの話法は『予言』でも出てくる。
この映画も、やはりエンドレスの恐怖。
ただね…」

----ただ?
「おそらく今回は
パッケージでの稼働を第一目的とした製作だったんじゃないかな。
ほんとうはもっと粘りたかっただろうなと思われる残念な条件下での映像が、
いくつか見受けられるんだ。
光と照明の問題だと思うけど、
他のシーンと色が統一されてなかったり、
粒子が粗かったり…。
いつか彼が、もっと潤沢な予算で
思いっきり自分の思う映画が作れる日がくることを
ぼくは望みたいな」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういう映画も観てみなくちゃ分からないのニャ」複雑だニャ


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