ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ブロークン・イングリッシュ』

2008-11-03 22:23:18 | 新作映画
(原題:BrokenEnglish)

※※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



----『ブロークン・イングリッシュ』?
このタイトルからすると
主人公はアメリカ人やイギリス人ではないってこと?
確か、監督はジョン・カサヴェテスの娘って聞いたけど?
「うん。ゾエ・カサヴェテスね。
この物語はいわゆるボーイ・ミーツ・ガール。
ヒロイン、ノラ・ワイルダーを演じるのは
“インディペンデント映画の女王”パーカー・ポジー。
その彼女が恋する相手がフランス人で、
その男ジュリアンを
『ぼくを葬る(おくる)』のメルヴィル・プポーが演じている。
まあ、しかしこの映画を観ると、
その昔、よく言われた
『すべての映画はもうすでに作られている』という言葉を思い出したね」

----それって、どういうこと?
だって、この映画はいわゆるインディーズ系ニャんでしょ。
「うん。ぼくの苦手とするところのね。
ところが、そんなことを微塵も感じさせないほどに、
この映画は物語に入り込みやすい。
というのも、これは
どこかで観たことのある物語(あくまでも物語)になっているんだ。
主人公のノラ・ワイルダーは30歳、独身。
親友は自分が紹介した相手と結婚。
周囲も彼女の結婚を心配するけど、
本人はなぜか男運が悪い。
イージー・セックスも行なうし、
とりたてて男に臆病というわけでもないのに、
どうもうまくいかない。
今回も、声をかけてきた俳優に食事に誘われ、
結局は泥酔してベッドイン。
そのときの口説き文句で
彼と恋人関係になったと思っていたら、
それはまったくの勘違いだったことがみんなの前で明らかに。
そんなある日、彼女はフランス人のジュリアンと遭遇。
彼に誘われる…」

----分かった。
だけど、恋の痛手もあり、
彼のアプローチに引き気味になるんだ。
「そういうこと。
ね、割とよくある話でしょ。
でも、彼の熱烈な求愛とやさしさに
ノラは徐々に心を開いていく。
ところが、ジュリアンが突然フランスに帰ることになって…」

----う~ん。あまり、インディペンデントとは思えないニャあ。
「そうなんだ。
ところが試写が終って、周囲の反応を窺っていると
これが若い女性にすこぶる評判がいい。
『分かる。分かる』と言っているんだね。
そこで、はたと気づいたわけ。
つまり、世の中で起こる物語は
そんなに目新しいものが数多く転がっているわけではない。
でも、その時代時代ごとに生きている人は違うし、
恋や仕事に対する思いのベクトルも違う。
そう、考えると
『すべての映画はもうすでに作られている』とは
一概に言えないのではないかと…。
まあ、でもぼくが
この言葉の本来の意味を取り違えているのかもしれなんだけどね」


           (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「でもファッションとか風景とか、よさそうだニャ」うららかフォーン


※男が帽子をかぶっている姿は『勝手にしやがれ』を思い出した度

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