(原題:Red Cliff 赤壁)
「もう、これは大満足。
映画の日にこの作品の初日をもってくるなんて、
配給・興行も憎いことをするね」
----そうニャンだ。
最初、えいは「『三国志』を知らないし、
分かりにくいかも」と心配していなかった?
「いや、それがね。
映画の前提となる時代背景を
CGまで使った日本版の特別映像で
わざわざ説明してくれているんだ。
普通なら、邪道と思えるこの方法も、
本作に限っては大歓迎。
映画の途中でも、
役名が繰り返しテロップで出てくるため、
あまり知らない顔がたくさん出てくるにも関わらず
すんなりと物語に入っていける」
----まるでNHK大河ドラマみたいだ(笑)。
「まあ、そう言わないでよ。
この映画、今年の後半ではもっとも
心待ちにしていた作品だけど、
ほんとうに期待を裏切られることがなかったんだから」
----なぜ、そんなに観たかったの?
「だって、監督があのジョン・ウーだよ。
アン・リー、チャン・イーモウ、チェン・カイコーら、
中国語圏の巨匠たちがすでに歴史物を手がけている中、
アクション派の彼がどのようなアプローチを見せるか、
これは興味が尽きないじゃない」
----で、期待を遥かに上回ったというワケだ。
ちょっとタイトルの意味を教えてよ。
「『レッドクリフ』というのは、
決戦の舞台となった土地のこと。
日本で言えば、桶狭間とか川中島のようなもの。
そう考えると、戦国時代を舞台にすれば、
日本映画もその題材にはこと欠かないわけだけど、
残念ながら、ここまでの映像はまだお目にかかったことがない。
『ロード・オブ・ザ・リング』への
東洋からのアンサーを先にやられてしまった感じだね。
これは少し悔しいな」
----でも、その話を聞いていると、
アクションとかスペクタクルとか、
いわゆる物量的な側面が多いように感じるニャあ。
確か総製作費100億円とか聞いたけど、
それだけあれば日本でも可能じゃニャいの?
「いや、やはりこれはジョン・ウーならではの世界。
本作の主人公はトニー・レオン演じる呉の周瑜と
金城武演じる蜀の諸葛孔明。
このふたりの間に交わされる固い絆。
この男の友情は、血なまぐさいはずのこの映画に
一種、爽やかな風を送り込んでいる。
八卦の陣を上から見下ろし、
その優勢な戦いぶりに満足し、
互いに交わす視線。
もう、これだけで嬉しくなったね」
----ニャに、その八卦の陣って?
「これはね、亀の甲の文様に似た戦いの陣形のことなんだ。
これを真俯瞰から捉えたビジュアルのオモシロさ。
迷路のような陣内に誘い込まれた魏の曹操軍を
今度は地上からの視線で写し出していく。
そこに、 張飛、 関羽、趙雲ら蜀の猛者たちが
それぞれ飛び出していく。
あるものは馬で、あるものは素手で。
その中に、中村獅童演じる
呉の甘興(甘寧をモデルにした架空の人物)も。
彼はほんとうに嬉しかっただろうな。
こんな歴史的現場に立ち会えて……」
----でも、そんな戦いばかり描かれていて飽きないの?
「全然。
彼らの活躍はそれこそ一騎当千。
数では圧倒的に優勢な魏。
勝ち目がまったくないはずの戦いを
周瑜や諸葛孔明がどのようにして勝利に導くか…。
もう、これは映画の醍醐味だね。
ヴィッキー・チャオ演じる孫尚香の言葉じゃないけど、
痛快この上ない。
そうそう、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地覇王』という映画の中に
馬を殴り倒すシーンがあるんだけど、
ここでは体ごと体当たりで馬を倒してしまうんだ」
----あら、ヴィッキー・チャオも出てるんだ。
じゃあ、ロマンスとかもあるんじゃニャいの?
「彼女はチャン・チェン演じる孫権の妹。
男まさりで女性だけの軍を率いている。
女をめぐる物語のパートは
リン・チーリン演じる周瑜の妻・小喬が軸となっている。
この物語は、もともとチャン・フォンイー演じる曹操の野望が発端。
しかし、その裏には曹操の小喬に対する強い思いがあったということが
明らかにされる。
ジョン・ウーがこのような色恋ざたを描くのは
けっこう珍しいんじゃないかな」
----他にジョン・ウーらしさって?
「それは、なんといってもジョン・ウー印の白い鳩。
最初は遠景で、
スクリーンを左から右に横切るだけだったのに、
次第に大きなポジションを占めてくる。
最後に出てきたときなどは、もう拍手したいくらい。
とにかく4月の『PartII』がいまから待ち遠しくてたまらないな」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「日本で作るとあの役は堺雅人かニャ」
※予想以上の素晴らしさだ度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像は台湾オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
「もう、これは大満足。
映画の日にこの作品の初日をもってくるなんて、
配給・興行も憎いことをするね」
----そうニャンだ。
最初、えいは「『三国志』を知らないし、
分かりにくいかも」と心配していなかった?
「いや、それがね。
映画の前提となる時代背景を
CGまで使った日本版の特別映像で
わざわざ説明してくれているんだ。
普通なら、邪道と思えるこの方法も、
本作に限っては大歓迎。
映画の途中でも、
役名が繰り返しテロップで出てくるため、
あまり知らない顔がたくさん出てくるにも関わらず
すんなりと物語に入っていける」
----まるでNHK大河ドラマみたいだ(笑)。
「まあ、そう言わないでよ。
この映画、今年の後半ではもっとも
心待ちにしていた作品だけど、
ほんとうに期待を裏切られることがなかったんだから」
----なぜ、そんなに観たかったの?
「だって、監督があのジョン・ウーだよ。
アン・リー、チャン・イーモウ、チェン・カイコーら、
中国語圏の巨匠たちがすでに歴史物を手がけている中、
アクション派の彼がどのようなアプローチを見せるか、
これは興味が尽きないじゃない」
----で、期待を遥かに上回ったというワケだ。
ちょっとタイトルの意味を教えてよ。
「『レッドクリフ』というのは、
決戦の舞台となった土地のこと。
日本で言えば、桶狭間とか川中島のようなもの。
そう考えると、戦国時代を舞台にすれば、
日本映画もその題材にはこと欠かないわけだけど、
残念ながら、ここまでの映像はまだお目にかかったことがない。
『ロード・オブ・ザ・リング』への
東洋からのアンサーを先にやられてしまった感じだね。
これは少し悔しいな」
----でも、その話を聞いていると、
アクションとかスペクタクルとか、
いわゆる物量的な側面が多いように感じるニャあ。
確か総製作費100億円とか聞いたけど、
それだけあれば日本でも可能じゃニャいの?
「いや、やはりこれはジョン・ウーならではの世界。
本作の主人公はトニー・レオン演じる呉の周瑜と
金城武演じる蜀の諸葛孔明。
このふたりの間に交わされる固い絆。
この男の友情は、血なまぐさいはずのこの映画に
一種、爽やかな風を送り込んでいる。
八卦の陣を上から見下ろし、
その優勢な戦いぶりに満足し、
互いに交わす視線。
もう、これだけで嬉しくなったね」
----ニャに、その八卦の陣って?
「これはね、亀の甲の文様に似た戦いの陣形のことなんだ。
これを真俯瞰から捉えたビジュアルのオモシロさ。
迷路のような陣内に誘い込まれた魏の曹操軍を
今度は地上からの視線で写し出していく。
そこに、 張飛、 関羽、趙雲ら蜀の猛者たちが
それぞれ飛び出していく。
あるものは馬で、あるものは素手で。
その中に、中村獅童演じる
呉の甘興(甘寧をモデルにした架空の人物)も。
彼はほんとうに嬉しかっただろうな。
こんな歴史的現場に立ち会えて……」
----でも、そんな戦いばかり描かれていて飽きないの?
「全然。
彼らの活躍はそれこそ一騎当千。
数では圧倒的に優勢な魏。
勝ち目がまったくないはずの戦いを
周瑜や諸葛孔明がどのようにして勝利に導くか…。
もう、これは映画の醍醐味だね。
ヴィッキー・チャオ演じる孫尚香の言葉じゃないけど、
痛快この上ない。
そうそう、
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地覇王』という映画の中に
馬を殴り倒すシーンがあるんだけど、
ここでは体ごと体当たりで馬を倒してしまうんだ」
----あら、ヴィッキー・チャオも出てるんだ。
じゃあ、ロマンスとかもあるんじゃニャいの?
「彼女はチャン・チェン演じる孫権の妹。
男まさりで女性だけの軍を率いている。
女をめぐる物語のパートは
リン・チーリン演じる周瑜の妻・小喬が軸となっている。
この物語は、もともとチャン・フォンイー演じる曹操の野望が発端。
しかし、その裏には曹操の小喬に対する強い思いがあったということが
明らかにされる。
ジョン・ウーがこのような色恋ざたを描くのは
けっこう珍しいんじゃないかな」
----他にジョン・ウーらしさって?
「それは、なんといってもジョン・ウー印の白い鳩。
最初は遠景で、
スクリーンを左から右に横切るだけだったのに、
次第に大きなポジションを占めてくる。
最後に出てきたときなどは、もう拍手したいくらい。
とにかく4月の『PartII』がいまから待ち遠しくてたまらないな」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「日本で作るとあの役は堺雅人かニャ」
※予想以上の素晴らしさだ度
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※画像は台湾オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。