(原題:The Other Boleyn Girl)
----ブーリン家って、どこの家のこと?
「家?(笑)
でもそうだよね。
この名前、ちょっと日本にはなじみないものね。
ところがなんと、
これはかの有名なヘンリー8世の話だった」
----その人、有名ニャの?
「うん。有名も有名。
なにせ当時のヨーロッパの宗教地図を塗り替えたんだからね。
それまで熱心なカトリック教信者で
法王から『信仰の擁護者』とまで言われていたのに、
なんと自分をイギリス国教会の長としてしまった。
確か、日本の聖公会がこの流れを組んでいるんじゃなかったかな」
----へぇ~っ、何がきっかけニャの?
「それがこの映画のお話。
国王ヘンリー8世はブーリン家の姉妹の姉アンと結婚をしたかった。
しかし王には妻キャサリン・オブ・アラゴンがいる。
カトリックでは離婚が認められていない。そこで-------
と、こういうことだ」
----えっ、自分の結婚のため?
それはスゴいニャあ。
「話はそれるけどヘンリー8世は結局6回も結婚。
ちなみに
ロックグループ、イエスの絶頂期に発表された
リック・ウェイクマンの初のソロアルバムは
この『ヘンリー8世と6人の妻』をタイトルとしているよ。
さて、映画に話を戻すと、
これはベストセラー小説が基になっていて、
フィクションがけっこう多く含まれている。。
アン(ナタリー・ポートマン)には
メアリー(スカーレット・ヨハンソン)という妹がいる。
メアリーはヘンリー8世(エリック・バナ)の愛人。
ここは史実どおり。
ただ、映画ではメアリーが男の子を産んでいるけど、
実際に男の子を産んだのは、
彼女とは違う別の愛人らしい。
と、このように姉妹の相克が数多く脚色されているため
観ていてほんと飽きないんだ」
----そうか、映画はこの姉妹の戦いのお話ニャんだ。
「まあ、ちょっと待ってよ。
アンとメアリー、
ふたりの母レディ・エリザベス(クリスチャン・トーマス・スコット)の弟にあたる
ノーフォーク伯爵(デビッド・モリッシー)は
ヘンリー8世の妻キャサリン・オブ・アラゴン(アナ・トレント)が
男の子を産まないことに目を付けて、
莫大な富と権力を得ようと姪のアンを差し出そうとする。
ところがヘンリー8世は
機知に富み男まさりのアンよりも
気だてがよくて愛らしい新婚のメアリーに惹かれていく。
そこでアンは別の公爵と結婚をあげるが彼には許嫁が…。
そのことをメアリーから聞いた家族は
ヘンリー8世の耳に入ってはまずいと
アンをその公爵と別れさせフランスの宮廷に送る。
やがてメアリーは懐妊するも体を衰弱。
彼女への興味を徐々に失っていくヘンリー8世を繋ぎ止めるために
今度はアンを呼び戻す。
さて、物語はここから急展開。
すっかり洗練された女性として生まれ変わったアンは、
その魅力で国王を虜にしてしまう…」
----なんだかイギリス版『大奥』って感じだね。
どこの国でも絶対的権力者がいて、
周りはそれにあやかろうとするわけだ。
「そう。
で、その権力者は決まって女好き(笑)。
さて史実では
アンは10代の頃のほとんどをフランスで過ごしている。
ところがこの映画では、
彼女の行動のすべては、自分が受けた仕打ちへの復讐として描かれる。
つまりドラマチックな改変がなされているんだね。
アンは王になかなか体を許さず、相手をじらしていく。
『愛人では嫌だ。正式な結婚がしたい……』」
----ニャるほど。そこで王は宗教さえも変えた。
「うん。
で、その裏にアンがいた------。
『映画で観ると歴史は分かりやすくオモシロい』という
まさにこれはそのお手本のようなものだね」
----ストーリー面以外ではどうニャの。
「歴史に登場する候補地。
その大部分は観光名所となっているとかで
そのほとんどはセット。
監督はなんとインドの町からベルリンのクラブまで、
世界中のさまざまな写真からそのヒントを得たらしい。
あと、目を引くのは衣装。
チューダー朝のドレスには
それほど多くの種類の形やシルエットの違いはないということで、
アンとメアリーの衣装は色合いを変えてその差を出したらしい。
これは観てみたらすぐ分かるよ。
アンの色の方が原色に近く、くっきりしているからね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「こういう映画は気づくと、のめり込んでいるのニャ」
※『ミツバチのささやき』の女の子が女王キャサリン・オブ・アラゴン役だ度
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----ブーリン家って、どこの家のこと?
「家?(笑)
でもそうだよね。
この名前、ちょっと日本にはなじみないものね。
ところがなんと、
これはかの有名なヘンリー8世の話だった」
----その人、有名ニャの?
「うん。有名も有名。
なにせ当時のヨーロッパの宗教地図を塗り替えたんだからね。
それまで熱心なカトリック教信者で
法王から『信仰の擁護者』とまで言われていたのに、
なんと自分をイギリス国教会の長としてしまった。
確か、日本の聖公会がこの流れを組んでいるんじゃなかったかな」
----へぇ~っ、何がきっかけニャの?
「それがこの映画のお話。
国王ヘンリー8世はブーリン家の姉妹の姉アンと結婚をしたかった。
しかし王には妻キャサリン・オブ・アラゴンがいる。
カトリックでは離婚が認められていない。そこで-------
と、こういうことだ」
----えっ、自分の結婚のため?
それはスゴいニャあ。
「話はそれるけどヘンリー8世は結局6回も結婚。
ちなみに
ロックグループ、イエスの絶頂期に発表された
リック・ウェイクマンの初のソロアルバムは
この『ヘンリー8世と6人の妻』をタイトルとしているよ。
さて、映画に話を戻すと、
これはベストセラー小説が基になっていて、
フィクションがけっこう多く含まれている。。
アン(ナタリー・ポートマン)には
メアリー(スカーレット・ヨハンソン)という妹がいる。
メアリーはヘンリー8世(エリック・バナ)の愛人。
ここは史実どおり。
ただ、映画ではメアリーが男の子を産んでいるけど、
実際に男の子を産んだのは、
彼女とは違う別の愛人らしい。
と、このように姉妹の相克が数多く脚色されているため
観ていてほんと飽きないんだ」
----そうか、映画はこの姉妹の戦いのお話ニャんだ。
「まあ、ちょっと待ってよ。
アンとメアリー、
ふたりの母レディ・エリザベス(クリスチャン・トーマス・スコット)の弟にあたる
ノーフォーク伯爵(デビッド・モリッシー)は
ヘンリー8世の妻キャサリン・オブ・アラゴン(アナ・トレント)が
男の子を産まないことに目を付けて、
莫大な富と権力を得ようと姪のアンを差し出そうとする。
ところがヘンリー8世は
機知に富み男まさりのアンよりも
気だてがよくて愛らしい新婚のメアリーに惹かれていく。
そこでアンは別の公爵と結婚をあげるが彼には許嫁が…。
そのことをメアリーから聞いた家族は
ヘンリー8世の耳に入ってはまずいと
アンをその公爵と別れさせフランスの宮廷に送る。
やがてメアリーは懐妊するも体を衰弱。
彼女への興味を徐々に失っていくヘンリー8世を繋ぎ止めるために
今度はアンを呼び戻す。
さて、物語はここから急展開。
すっかり洗練された女性として生まれ変わったアンは、
その魅力で国王を虜にしてしまう…」
----なんだかイギリス版『大奥』って感じだね。
どこの国でも絶対的権力者がいて、
周りはそれにあやかろうとするわけだ。
「そう。
で、その権力者は決まって女好き(笑)。
さて史実では
アンは10代の頃のほとんどをフランスで過ごしている。
ところがこの映画では、
彼女の行動のすべては、自分が受けた仕打ちへの復讐として描かれる。
つまりドラマチックな改変がなされているんだね。
アンは王になかなか体を許さず、相手をじらしていく。
『愛人では嫌だ。正式な結婚がしたい……』」
----ニャるほど。そこで王は宗教さえも変えた。
「うん。
で、その裏にアンがいた------。
『映画で観ると歴史は分かりやすくオモシロい』という
まさにこれはそのお手本のようなものだね」
----ストーリー面以外ではどうニャの。
「歴史に登場する候補地。
その大部分は観光名所となっているとかで
そのほとんどはセット。
監督はなんとインドの町からベルリンのクラブまで、
世界中のさまざまな写真からそのヒントを得たらしい。
あと、目を引くのは衣装。
チューダー朝のドレスには
それほど多くの種類の形やシルエットの違いはないということで、
アンとメアリーの衣装は色合いを変えてその差を出したらしい。
これは観てみたらすぐ分かるよ。
アンの色の方が原色に近く、くっきりしているからね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「こういう映画は気づくと、のめり込んでいるのニャ」
※『ミツバチのささやき』の女の子が女王キャサリン・オブ・アラゴン役だ度
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