ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『天国はまだ遠く』

2008-08-15 21:30:49 | 新作映画
----ニャんとも微妙なタイトルだね。
“天国”ということは難病もの?
「いや、そうではなく
ここでは“自殺”をモチーフにしていたね」

----えっ、主演は加藤ローサだよね。
彼女って
あっけらかんとしたイメージで
自殺とは対極にある感じがするけど…。
「うん。ぼくも彼女が冒頭、
暗い顔で駅に立ったときには
あらら大丈夫かなと思ったんだけど、
これはおそらく長澤雅彦監督の狙いだね。
加藤ローサとは『夜のピクニック』でも組んでいるだけに、
キャスティングにミスがあるはずがない」

----う~ん。でもイメージ違うニャあ。
「主人公は千鶴。
彼女が自殺しようとした理由というのは、
仕事のことが中心。
ただ、それにしても
観るだれもが納得するほどの強いモノじゃない。
さて、お話は
彼女がタクシー運転手に教えてもらってたどり着いた
山奥の『絶景の宿 民宿たむら』での日々を中心に進んでいく。
そこで千鶴を迎えた宿の主人・田村も
実はサラリーマン生活を辞めて自給自足の生活を送っている」

----その田村っていうのはだれがやっているの?
「チュートリアルの徳井義実。
といっても、このチュートリアルがなにかをぼくは知らなかったわけだけど…(汗)」

----あらら。でもニャンだか
話を聞いているとありふれたストーリーっぽいけど…。
「確かにそう。
でも、そこにこの加藤ローサを持ってきた意味がある。
千鶴というのは、
立ち直りが早く、順応性があって、ひょうきんな性格。
絵を描くことを目指していたと言いながら、
『それは無理でしょ』とツッコミたくなるようなヒドいできばえ。
しかも、田村にそれを飾ってくれと言う(笑)」

----ははあ。
「ぼくが思うに、
この映画は安易に自分の命が失われているこの時代に、
『ほんのちょっとそれを先延ばしにすれば
いいことがあるかも。
人生は一つだけではないよ。
別の生き方もある』----と、
こういうことを言っているような気がする。
原作は瀬尾まいこ。
もっともそっちは読んでないけどね」

----ふうん。
ところでふたりの間に愛は芽生えないの?
「そこなんだよね。
少し、古めかしい
しかもメロドラマ的テイストで描かれる愛の芽生えがある。
だけど、おそらくこの映画を観ている人は、
ほぼ100%が
このふたりが結ばれたらいいなと思うに違いないよ」

----それだけふたりの共演もしっくりいっていたということかもね。


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「天国はまだ遠い。死んだらだめニャ!」気持ちいいニャ

※エンディングテーマ、熊木杏里の「こと」が泣ける度

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