ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『次郎長三国志』

2008-08-12 00:47:20 | 新作映画
----この映画、確か観るのが
延ばし延ばしになっていたよね。
「うん。
試写室でお年を召した方たちが交わされる会話。
それがあまりいい評判じゃなかったからね」

----で、どうだったの?
「いやあ、これは怪作。
ある意味、水野晴郎の『シベリア超特急』に通じるところがあると思った。
ちょっとしたカルト的作品だね」

----それはまたスゴい言い方。
どういうところが怪作ニャの?
「まず任侠股旅ものなのにテンポはユルい。
ギャグは滑って笑いが取れない。
しかも、こんなところで挟むかというようなゼリフ回しが
これまた不思議なアングルで出てくる」

----それじゃあ、めちゃくちゃじゃニャい。
「いやあ、それが慣れてくると
妙に快感となる。
この映画、マキノ監督の甥のマキノ雅彦(津川雅彦)が
長年かけて会得した“俳優・津川雅彦”としての芸を
そのまま映画にした-----と、そういう気がする」

----それってどういうの?
『落語娘』で見せた独特の語りと間。
それを映画全般に出そうとしたんじゃないかと…。
原作も有名で何度も描かれているから
物語的目新しさはまったくないわけで、
後は、どうアプローチするか
それが問題だったと思う。
そこで重要となるのがキャスティングなわけだけど、
次郎長の中井貴一、大政の岸部一徳は、
まあいいとしよう。
しかし 森の石松に温水洋一。
これは普通誰も考えないだろう。
そして法印大五郎に髪の毛の薄い笹野高史をもってきて
鬘で紙を増やした上に、
恋物語まで演じさせている。
その他の出演者も鬼吉に近藤芳正、小政に北村一輝。
さらには木下ほうかなど、
ちょっと考えられない配役。
ただ、映像的には編み笠、股旅衣装の六人衆が
青空をバックにちょっと前屈みで歩いてゆくその姿が実にいなせ。
マキノ雅彦監督、これを撮りたかったんじゃないかな」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「変わった映画みたいだニャあ?」もう寝る

※股旅衣装が懐かしい度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー