ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ブレス』

2008-04-13 21:39:56 | 新作映画
(原題:Breath)

----キム・ギドクって監督、
韓国ではあんまり人気がないって聞いたけど?
「そういう話もあるね。
『自分の映画を国内で公開しない』という
彼自身の発言も人々の耳目を集めている。
しかし、これだけ作家性が強いというか
個性的な監督も、そうそうはいないと思うけどね」

-----今回は、台湾のチャン・チェンを
主人公に起用しているよね。
言葉の壁とかは大丈夫だったの?
「まあ、今回は彼のセリフが一切ないからね。
チャン・チェンが演じる主人公チャン・ジンは
獄中で自殺未遂を繰り返している死刑囚。
そのニュースをテレビで観た主婦のヨン(チア)は、
彼を訪ねて刑務所を訪れる。
そして彼に四季と歌をプレゼントするんだ。
面会室いっぱいにその季節の壁紙を貼り、
自分はその季節の服を着て、
そしてその季節の歌を歌い踊る」

-----あれっ、その歌と季節はともかく、
それってどこかで聞いたようなお話。
『接吻』だね。
でも、こちらはあの映画と違って
チアには夫(ハ・ジョンウ)がいる。
彼は浮気を続けていて
それが彼女を苦しめ、その心を閉ざしてしまっているんだ」

----ふうん。でもそんな勝手な面会許されるの?
「なんと、刑務所の保安課長はそれを許すどころか、
2人の間に何が起こるかを観察。
で、キスしようとした瞬間止めたりしながら、
徐々にふたりが近づく距離を接近するよう操作する」

----ニャんだか、嫌らしいニャあ。
「だよね。
実はこの保安課長役をキム・ギドク自身が演じている。
つまり、監督の視線ってことだね。
ネタバレになるから
これ以上は詳しくは言えないけど、
この映画の落としどころが
毒があるというか、実に皮肉っぽい。
ほんとうにそれでいいの?って感じ。
さらに、その落としどころ前のシーン、
ここも重要なポイントなんだけど、
なんとも複雑な気持ちにさせられる映画だね。
あ~あ。詳しく話せないのがもどかしい」

-----フォーンの方がもどかしいよ(笑)。

        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これ、ニャんだろうニャ」複雑だニャ

※変な後を引く度

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