(原題:Breath)
----キム・ギドクって監督、
韓国ではあんまり人気がないって聞いたけど?
「そういう話もあるね。
『自分の映画を国内で公開しない』という
彼自身の発言も人々の耳目を集めている。
しかし、これだけ作家性が強いというか
個性的な監督も、そうそうはいないと思うけどね」
-----今回は、台湾のチャン・チェンを
主人公に起用しているよね。
言葉の壁とかは大丈夫だったの?
「まあ、今回は彼のセリフが一切ないからね。
チャン・チェンが演じる主人公チャン・ジンは
獄中で自殺未遂を繰り返している死刑囚。
そのニュースをテレビで観た主婦のヨン(チア)は、
彼を訪ねて刑務所を訪れる。
そして彼に四季と歌をプレゼントするんだ。
面会室いっぱいにその季節の壁紙を貼り、
自分はその季節の服を着て、
そしてその季節の歌を歌い踊る」
-----あれっ、その歌と季節はともかく、
それってどこかで聞いたようなお話。
「 『接吻』だね。
でも、こちらはあの映画と違って
チアには夫(ハ・ジョンウ)がいる。
彼は浮気を続けていて
それが彼女を苦しめ、その心を閉ざしてしまっているんだ」
----ふうん。でもそんな勝手な面会許されるの?
「なんと、刑務所の保安課長はそれを許すどころか、
2人の間に何が起こるかを観察。
で、キスしようとした瞬間止めたりしながら、
徐々にふたりが近づく距離を接近するよう操作する」
----ニャんだか、嫌らしいニャあ。
「だよね。
実はこの保安課長役をキム・ギドク自身が演じている。
つまり、監督の視線ってことだね。
ネタバレになるから
これ以上は詳しくは言えないけど、
この映画の落としどころが
毒があるというか、実に皮肉っぽい。
ほんとうにそれでいいの?って感じ。
さらに、その落としどころ前のシーン、
ここも重要なポイントなんだけど、
なんとも複雑な気持ちにさせられる映画だね。
あ~あ。詳しく話せないのがもどかしい」
-----フォーンの方がもどかしいよ(笑)。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「これ、ニャんだろうニャ」
※変な後を引く度
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----キム・ギドクって監督、
韓国ではあんまり人気がないって聞いたけど?
「そういう話もあるね。
『自分の映画を国内で公開しない』という
彼自身の発言も人々の耳目を集めている。
しかし、これだけ作家性が強いというか
個性的な監督も、そうそうはいないと思うけどね」
-----今回は、台湾のチャン・チェンを
主人公に起用しているよね。
言葉の壁とかは大丈夫だったの?
「まあ、今回は彼のセリフが一切ないからね。
チャン・チェンが演じる主人公チャン・ジンは
獄中で自殺未遂を繰り返している死刑囚。
そのニュースをテレビで観た主婦のヨン(チア)は、
彼を訪ねて刑務所を訪れる。
そして彼に四季と歌をプレゼントするんだ。
面会室いっぱいにその季節の壁紙を貼り、
自分はその季節の服を着て、
そしてその季節の歌を歌い踊る」
-----あれっ、その歌と季節はともかく、
それってどこかで聞いたようなお話。
「 『接吻』だね。
でも、こちらはあの映画と違って
チアには夫(ハ・ジョンウ)がいる。
彼は浮気を続けていて
それが彼女を苦しめ、その心を閉ざしてしまっているんだ」
----ふうん。でもそんな勝手な面会許されるの?
「なんと、刑務所の保安課長はそれを許すどころか、
2人の間に何が起こるかを観察。
で、キスしようとした瞬間止めたりしながら、
徐々にふたりが近づく距離を接近するよう操作する」
----ニャんだか、嫌らしいニャあ。
「だよね。
実はこの保安課長役をキム・ギドク自身が演じている。
つまり、監督の視線ってことだね。
ネタバレになるから
これ以上は詳しくは言えないけど、
この映画の落としどころが
毒があるというか、実に皮肉っぽい。
ほんとうにそれでいいの?って感じ。
さらに、その落としどころ前のシーン、
ここも重要なポイントなんだけど、
なんとも複雑な気持ちにさせられる映画だね。
あ~あ。詳しく話せないのがもどかしい」
-----フォーンの方がもどかしいよ(笑)。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「これ、ニャんだろうニャ」
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キム・ギドクということで、否応なしに楽しみにしていたのですが。
・・・どちらかと言うと、余りノレませんでした・・・
あれれれれ、そんなはずは。
>実はこの保安課長役をキム・ギドク自身が演じている。
この点にも、何かしらの意味を込めているとは思うけど。もはや、その理由づけはどうでも良くなってしまった感があります。困ったな。
チャン・チェンは、セリフにもあったように、瞳がキレイですね。端正というだけではなくて、眼で語る演技という感じがしました。そこには激しく清き1票です。
キム・ギドク監督の映画では
セリフをしゃべらない人が登場することが多いですよね。
それだけに目の演技は重要に。
この映画は、
ほかの国の俳優を使うことで
そこがうまくかみ合っていた気はします。
そうですね、韓国で人気がないのは、よく分かる気がします・・・
えいさんは、最後、重たい気持ちで終わる映画はお嫌いでしょうか?
私も触りぐらいしか聞いてませんが、『接吻』の設定を思い出してました。
こちらも後で見てみようと思います。
同じ個性派でも、ポン・ジュノは
海外と同じく自国でも人気があるそうです。
どうもそのあたりは、
韓国の現在(いま)の切り取り方にあるようで、
ぼくのような外にいる人間には、
話を聞いてもピンときませんでした。
>えいさんは、最後、重たい気持ちで終わる映画はお嫌いでしょうか?
はい。いわゆる重「たい気持ちで終わる映画」は
映画に求めるものが自分とは逆のベクトルの気がします。
テーマは重くてもかまわないし、
知らないことに気づかせてくれるのも嬉しいのですが、
映画館の暗闇に明かりがついたときに、
どよ~んとなるのは好きじゃありません。
『接吻』は、あのラストがビックリで、
驚いたまま映画館を出る感じになるので、
まだいいかなと…。
でも、万田夫妻は『UNLOVED』の衝撃が忘れられないです。