ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『シューテム・アップ』

2008-04-17 22:28:49 | 新作映画
(原題:Shoot'Em Up)

----この映画、なかなか興味深いキャスティングだね。
「うん。主人公のガンマン、スミスにクライヴ・オーウェン。
彼と行動を共にする娼婦ドンナにモニカ・ベルッチ。
そしてマフィアのボス、ハーツにポール・ジアマッティ。
プレスには『アメリカ版“ジョン・ウー・アクション”』と書いてあったけど、
確かにその通り。
もう、最初から最後まで徹底してガン・アクションを貫いていたね」

----へぇ~っ。いったいどういうお話ニャの?
「冒頭、妊婦がある一味に追われている。
それをたまたま見かけたホームレスのスミスが、
その後を追って銃撃戦に巻き込まれる。
そのさなかに、赤ちゃんが産まれて
なんと、スミスは銃でへその緒を切ってしまう」

----ニャに、それ?
「このシーンに象徴されるように
この映画は一言で言えば荒唐無稽。
母親はあっけなく死に、マフィアはなぜか今度は赤ちゃんを狙い、
スミスは子連れ狼に。
果たしてこの赤ちゃん、なぜ狙われる…?
なんて考える暇もないほど、
大量の銃弾が飛び交う」

----ははあ~っ。
まだ、ドンナが出てこないけど?
「スミスがなぜドンナのもとを訪ねたかというと、
彼女が売春宿で母乳プレイをしているから。
つまり、赤ちゃんにお乳を与えるためというわけ」

----ホント、荒唐無稽だ。
「でもまあ、ある意味、
これは銃マニアのための映画とも言えるかな。
銃が発射されるまでの過程を
いろんな形で見せてくれる。
たとえばスミスは両手をめちゃめちゃにやられてしまう。
それでも銃弾を発射させるにはどうするか?
ここなんて『続荒野の用心棒』以来の
凄まじい発想だったと思うね。
もちろん、ネタバレになるから詳しくは言えないけどね。
あと、銃をトイレに落としてしまい
分解して拭きあげる。
それでもまだ湿っていて使えないものだから
トイレの乾燥機で乾かすなんてのもある」

----う~む。ふざけたマカロニウエスタンと思えばいいのかニャ?
「超人的なガンプレイ、
あるいは多くの敵に囲まれて
それでも主人公には弾は絶対にあたらず、
相手は次々と死ぬなんてのは
確かにマカロニだけど、
さっきも言ったように
この映画はジョン・ウーの影響が大きい。
その発想の原点は『ハードボイルド/新・男たちの挽歌』で
チョウ・ユンファが病院で赤ん坊を抱いて銃撃戦を交えるシーンから。
撮影にも『狼/男たちの挽歌・最終章』のピーター・バウがあたっているしね。
飛行機から落下しながら撃ち合ったり、
銃撃戦の最中にセックスしたり。
まあ、よくここまでと言いたくなるほどに
とんでもないシーンが次々と出てくるよ」

----そう言えば、クライヴ・オーウェンって、
ボンドの候補にもなった人だよね。
「うん。ところがここでのスミスの暮らしぶりは
ハイテクの正反対。
それどころかダーティに徹している。
なにせ部屋に入るときはペットのネズミを使って
ドアを開けるんだから。
監督のマイケル・デイヴィスいわく
『ブルーカラーのボンド映画』(笑)」

----ニャにそれ?
「まあ、観てみてよ。(笑)
それとこの映画、
いつもスミスがニンジンをかじっているのが特徴。
しかもこれが武器になる。
あっ、そうそう。
彼がハーツに言うセリフが『What's up ,doc? (どったの先生)』。
これはバックス・バニーの決めゼリフ」

----あっ、そうか。
バニーもニンジンかじっているしね。


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「もう、ほんとびっくりニャ」ぱっちり


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画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)ウォールペーパーより。


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