ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ファクトリー・ガール』

2008-03-25 22:34:22 | 新作映画
(原題:Factory Girl)

「いやあ、こんな変わった映画とは思わなかったな」
----えっ、そうニャの。
1960年代のポップカルチャー・シーンを描いているとかで
観る前から楽しみにしていたじゃニャい。
「それはそう。
だって、アンディ・ウォーホルやボブ・ディランが話の中心というんだから、
これは期待して当然。
ところがこの映画、
監督のあの時代に対する思い入れがどうも感じられない」

----時代再現がなされてニャいってこと?
「いやいや。
それはよくできているとおもうよ。
当時の関係者たちにインタビューを重ね、
かなり忠実に再現したみたい。
問題は、この映画のヒロインであるイジー・セジウィック(シエナ・ミラー)が、
あまりにも世間知らず。
ウォーホル(ガイ・ピアース)にいいように使われ、
足りないと言うか、軽薄にしか映らないってこと」

----ちょ、ちょっと待って。
その言い方だと、ウォーホルって悪い人みたいじゃニャい?
「まあ、それを“悪い”と言うかどうかはさておき、
ここに描かれているウォーホルは、
マザコンで容姿コンプレックスを持ち、
有名になりたい病に捕われ、
さらには人を平気で傷つけ利用し、
しかも嫉妬深い」

----あらら、まったくいいところないじゃニャい。
「そうなんだよね。
この映画を観て、
ウォーホルを好きになる人ってあまりいないと思う。
物語は、
サンタバーバラの由緒ある名家に生まれたイーディ・セジウィックが、
その美貌によりウォーホルの目に留るところから進んでいく。
ウォーホルはイーディの母親に、
『彼女は有名になる』と太鼓判を押す。
すると母親は
『彼女は有名以上のものを持っている』と返す。
イーディの先祖は
ジョージ・ワシントンのアメリカ独立宣言署名の場に同席していたというほどの名士。
価値観がまったく違うんだろうね」

----ニャんだか、それ聞いてると、
ウォーホルって俗っぽく感じる。
「でしょ。
その彼女のいる世界を強烈に否定する存在として、
当時のカウンターカルチャーのもう一人の雄
ボブ・ディラン(ヘイデン・クリステンセン)を登場させるんだ。
ディランの登場でウォーホルのファクトリーは緊張に包まれる。
しかも彼はウォーホルに棘のある言葉を投げつけ、
イーディを外の<真実>の世界に連れ出そうとする」

----ちょ、ちょっと待って。
じゃあ、そのウォーホルのファクトリーは
ディランによれば“偽物”ってこと?
「う~ん。
カポーティやミック・ジャガーを始め、
アーティスト、詩人、ミュージシャンなど、
多くのセレブが集まっていたのは間違いないけど、
ウォーホルの知らない人や単なるジャンキーもいたようだ。
そこでイーディは彼らに誘われ、ドラッグに染まってしまうんだね」

----悲惨な話だニャあ。
「でしょ。
この手の話って
『レクイエム・フォー・ドリーム』がそうだったように、
ホント、救いがない。
かつてはファッション・リーダーとして『ヴォーグ』とも契約していたイーディ。
それだけに最後の方は観ていて辛かったね」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「キツそうな映画だニャあ」おっ、これは

※ディランは、映画ではビリーに変えてある度&そういえばファクトリーに猫さんもいた度

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