ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『大いなる陰謀』

2008-03-05 23:23:09 | 新作映画
(原題:Lions For Lambs)

----この映画、よく聞くけど
どういうお話ニャの?
どうも、いま一つ分からないんだけど…。
「うん。映画自体は1時間32分くらいしかないのに、
けっこう構成が凝っているからね。
物語は、主に3つの場所で同時刻に起こる。
(1)ワシントンD.C.:大統領候補の呼び声が高いアーヴィング評員議員(トム・クルーズ)は
大物女性ジャーナリスト、ジャニーン(メリル・ストリープ)をオフィスに呼び、
独占インタビューをさせる。
ジャニーンは、かつてアーヴィングを共和党のホープと持ち上げたことがある。
しかもケネディを引き合いに出してね。
そこで、アーヴィングは彼女をプロパガンダに利用しようと考えたんだ。
(2)アフガニスタン:その頃、アフガニスタンでは
アーヴィングが発案による作戦の遂行中のヘリが対空砲に襲われ
アーネスト(マイケル・ベーニャ)とアーリアン(デレク)、
二人の志願兵が雪の山中に落下。
生き残りを賭けた壮絶な戦いを強いられていた。
(3)カリフォルニア:アーネストとアーリアンの恩師である
大学教授マレー(ロバート・レッドフォード)は、
豊かな才能を持ちながら欠席続きの学生トッド(アンドリュー・ガーフィールド)に、
無関心でいることの愚かさ、
将来性や可能性は瞬く間に失われていくことを語り、
人生に対する目を見開かせようとしていた」

----ニャんだか、堅苦しそうなお話だニャあ。
監督はレッドフォードだっけ?
「そう。
この映画、よくハリウッドで作れたなと思うくらい、
その旗印を鮮明にしている。
構成としては、(1)は政治家とジャーナリストの丁々発止の駆け引き、
(3)も教授と学生の間での議論の形を取ってはいるけど、
(2)という、それら机上の話とは次元が違う
前線での苛酷な現実が挟まれることで、
作者たちが言いたいことが何なのかは明らかだ。
そこでは9.11以降のマスコミに対する鋭い告発も含まれている」

----ニャるほど。アメリカはいま大統領予備選の真っ最中か。
それを考えても、
この映画が作られたのはスゴいことだね。
「そうだね。
ただ、
映画としては少々ダイナミズムに欠ける。
3つの場所を並行して語っているものの、
それらが、あまり有機的な結合には至らないんだ。
大感動ヒューマン映画を想像すると肩すかしを食らうし、
一方、ハラハラするような政治サスペンスというわけでもない。
いまのアメリカ社会を多角的に見つめた社会派作品と思って
臨んだ方がいいだろうね」



               (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「しっかり真実を観なくてはだニャ」ぱっちり


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