ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『イルマーレ』

2006-07-03 00:06:24 | 新作映画
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



----『イルマーレ』って確か『リメンバー・ミー』と
同じ頃に韓国で映画が作られたんだよね。
どちらも<時を超えた愛>がモチーフだっけ?
「うん。『リメンバー・ミー』は
日本の山川直人が『時の香り~リメンバー・ミー~」として
吹石一恵主演でリメイク。
で、こちらの『イルマーレ』はなんとハリウッドでリメイクされたわけだ」

----確か主演は『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンだよね。
「うん。それとイ・ジョンジェ。
彼がこの後に主演した『純愛譜』もそうだけど、
まだ、この頃の韓国映画って
いわゆるい<韓流>とは違って、
感情丸出しのけたたましい感じではなく
もっと抑えた静かな印象があった。
この『イルマーレ』だって
パステル・タッチの美しい映像が印象に残っている。
そう、どちらかと言うとハリウッドよりかはフランス向きの気がしたね。
クロード・ルルーシュとか……」

----なかなか、今回の映画について話さないね。
「あまりにも違う映画になっていたから、
どこから手を付けていいのか……」

----えっ?設定は同じなんでしょ?
「元々『イルマーレ』と言うのは
イタリア語で<海辺の家>。
ところが、今回この言葉はレストランの名として使われ、
ふたりが住む家はレイクサイドにある。
オリジナルでは、このイルマーレの郵便受けを通して、
2年の時を隔てた男女が手紙を交換し、
愛を育んでいく。
この基本設定は同じなわけだけど、
一番の大きな違いはヒロインの設定。
韓国版ではウンジュは失恋して、
その痛手から想い出に溢れた家を去る。
また青年ソンヒョンも幼い頃に
高名な建築家の父から捨てられたという記憶を持つ。
このふたりが、手紙によってお互いを慰め励まし合う……。
ところがハリウッド版はそんな繊細さはない。
ヒロイン(サンドラ・ブロック)には彼がいるどころか、
その彼が結婚を持ち出すのがウザくてたまらない。
主人公(キアヌ・リーヴス)にも彼女(らしい女性)がいるし、
さらには出来のいい弟もいる。
この二人が恋に落ちるきっかけと言うのも
正直ぼくにはあまりよく分からなかったな。
ただ、クライマックスへの持っていき方など、
ハラハラとさせるところは
さすがハリウッドとは思ったけど…。
でもこれはオリジナルとは別の映画として観た方がいいだろうね。
タイトルも『THE LAKE HOUSE』になっているし」

----大丈夫じゃないの?
オリジナルが公開された頃には、
それこそ<韓流>という言葉もなかったし、
あまり観ている人もいないんじゃニャいかなあ。
「あらら……」

               (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「オリジナルとはまったく別ものニャのだ」ふとんの中

The Perfect Collection イルマーレ DZ-144The Perfect Collection イルマーレ DZ-144
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※ハリウッドも韓国に目を付けた度
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