葬儀のあれこれを見ておりますと、つくづく日本人は
おもてなしの文化や義理堅さが見て取れます
最近の「直葬」とかは、ほんの最近のお話ですから
ちょっと外しますが
今までの葬儀はほとんどが「飲食を伴う」という
むしろ、それを外さない・・ということが
一般的でありました
これは
故人が世話になったことや、自分たちが葬儀に行ったときに
飲食のもてなしを受けた恩返しという意味合いが
葬儀にはなくてはならないことだったのです
単なる、香典のやりとりだけではなく
心をこめた飲食(昔はけっこうみんなで作ったのであります)
で、供養という形をとりながら
参加者皆さんで偲ぶわけであります
そこには
「来ていただいてありがとうございます」
という感謝の気持ちが通夜の振る舞いになり
それを受けた会葬者の皆さんは
「自分のときも、同じようにして返さなきゃ・・・」
そんな思いが、連綿と続いてきたのではないでしょうか
日本人のお中元、お歳暮にも似た
行ったり来たりの律儀さは
現代人にはうっとうしいのかも知れませんが
ある意味、日本人が大事にしてきた文化も
その中にあるような気がいたします
「おかげさま」「ありがとう」の意思表示としての
感謝の念は
葬儀の中にも入っているのですね
まぁ~そうは言っても、時代が変わり
薄れていく義理人情、おかげさまの手を合わせる機会の減少
たとえば
一人で食事をするときに
手を合わせながら「いただきます」なんて・・
やらない人のほうが多いかも・・?知れませんね。
人は誰でも「誰かのおかげさま」で生きてきたのですから
葬儀の時には
「誰かにありがとう」の気持ちは
何某かの形でできれば、なお良いのではないでしょうか・・・