空和心律体

「道」を「楽」しむ極意を探して右往左往

ロードバイク 効率の良いペダリング

2009-07-02 20:10:21 | 自転車
我武者羅だったり、漠然と走っても面白くないのでフォームについて調べたところ、ネットで配信されているレクチャービデオがありました。

今中大介氏と今西尚志氏という2人の有名ライダーの理論が紹介されていてとても興味深いものです。



「効率の良いペダリング」   今西尚志(スキル・シマノ)

1.入力ポイントの把握
  1時~3時までの間踏込む

2.無駄な力を入れない
  引き脚を意識しない(膝を高く上げ、早く1時の位置へ)

3.乳酸を溜めない
  血流を促進させる

4.効率の良い筋肉を使う
  力を入れるポイント、抜くポイントをつくる
  大きい筋肉(ハムストリング・大殿筋)を使う
  大腿四頭筋は瞬発系の筋肉でロードレースには適していない

5.正しいフォーム
  股関節を柔らかく
  膝を閉めない
  上半身はリラックス
  踵を落とさない(膝から下は伝達網という意識)

6.ダンシング時の体重移動 
  下死点まで体重を残さない 
  3時の位置で体重を乗せ、すぐに反対の脚に乗せ変える




今中大介氏(インターマックス)の理論との相違点

☆引き脚について

 今中氏:片足ペダリングをして確認する

 今西氏:意識しなくて良い
      (ニュートラルな状態でよいが、あえて言うなら膝を高く上げて早く1時の位置へもって行く意識をする)
  
☆ダンシングの踏込みについて

 今中氏:1時~6時まで踏込む

 今西氏:1時から踏込み、3時の位置で体重を乗せ、すぐに反対の脚に乗せ変える
      下死点(6時)では踏む必要はない

この2点は表現の違いと解釈することも出来きます。

しかし、基本フォームについては「逆の理論」ともとれる内容の説明であり、興味をひかれました・・・。

 今中氏:骨盤を立て背中を丸める

 今西氏:重量挙げ運動姿勢

それぞれ自転車雑誌2誌で取り上げられ、賛否が分かれているようですが、僕なりに考察してみました。

骨盤の傾斜について



ペダルを回す(踏む)為に動く筋肉

『大腿四頭筋』
膝を伸ばす(伸展)機能と股関節を曲げる機能

『ハムストリングス』
膝を曲げる機能と股関節を伸ばす機能

『大殿筋』
股関節を伸ばす機能

ペダリングは股関節を中心とした動作です。
股関節を伸ばす事で、前方へ強い運動エネルギーを獲得する事が出来ます。
つまり、『大腿四頭筋』で膝を伸ばすよりも、『ハムストリングス』『大殿筋』で股関節を伸ばす事のほうが重要だという事です。
そこで、それらの筋が動き易くしておくためには、骨盤を立てておくことが重要になると考えられます。(しかし、瞬発力を必要とし大腿四頭筋を稼動する場合は、骨盤を前傾させた方が良いかもしれません。)

今西氏は、骨盤を前傾させておくことで『ハムストリングス』『大殿筋』を弓を放つ前の玄のように引っ張っておいて、その反動でペダルを踏むのが効率が良いと説明されていますが、ある程度の力がある筋肉でなければその姿勢を維持するのは難しくないでしょうか。また、重量挙げの選手の姿勢を例にあげていますが、力を出すポイント、持続性、バランスのとり方等から考えると必ずしも適切な比較ではないと思われます。

上半身について

今中氏の背中を丸くする姿勢に対して、今西氏は背中を反らせる姿勢をレクチャーしています。(骨盤を前傾させると必然的に反り腰になります)この反った姿勢は背筋が強くないと腰痛の引き金になるので注意が必要だと思います。また、股関節の可動範囲が狭くならないか疑問に思います。

一方、背中を丸くする姿勢は、大胸筋を呼吸(胸郭運動)の補助筋として使える、腸腰筋が動き易くなり引き脚がスムースになる、何よりも姿勢が低く出来るので空気抵抗を軽減できるというメリットが考えられます。

以上、どちらかというと今中氏サイドの考察になってしまいましたが、今西氏が率いるスキル・シマノの選手のフォームも、背中が丸く、骨盤が立っているように見えるのは僕の観察力が未熟なせいでしょうか?



まとめ:

骨盤の傾斜については、人間の骨格や筋肉、関節の可動性は千差万別なので、それをひとつの枠にはめようと論議するのはナンセンスだと思います。

股関節がスムースに動き、筋力が持続してペダルに伝わり、体力が維持出来る姿勢を如何にしたら自然にとれるか・・・を意識(理解)しながら身をもって調整し、自分に適したフォームを見出していけば良いのではないでしょうか?

イチローとゴジラ松井のフォームのどちらが優れているか?
答えは両方・・・ですよね。