そんな人間の食用にもなる
バイカモですが、
まああまり食べる人は
いないでしょう。
でもこの植物があるおかげで、
この藻の中に餌を見つけ
散乱して増えていく魚がいるのです。
それが「ハリヨ」という魚です。
トゲウオ科の魚で、
うろこはなく鱗板が
前半分に6枚ある、
後半はうすい模様がある。
体調は約4~7cmと超小型で、
生育環境に制約があることなどから、
数はあまり多くなく
絶滅危惧種となっている。
なので、今いるといわれている
滋賀県や岐阜県の一部では、
どの自治体もハリヨの捕獲を
禁止しています。
ここ地蔵川も最初の湧水点から
天の川にそそぐまでの
全域1.2キロを
「地蔵川ハリヨ生息地保護区」
に指定しています。
川の中を眺めていますと、
確かに魚が泳いでいるのが
目に入ります。
パチリとうつしておいたのですが、
どうもこれはハリヨではなさそうです。
その近くに、近隣の小学生が
観察している地域がありました。
そこに1匹のハリヨがいましたので
撮影しておきました。
ハリヨとバイカモはこのあたりの
とても大切な自然資源なのです。
さてここにはその小学生が
まとめたハリヨの案内板がありました。
これが面白かったですねえ。
1、ハリヨには名前通りに
トゲが4本あります。
2、食べられますか?
食べられます
3、水草をねばねばした液で
固めて巣を作ります。
なんてね。
面白い張り紙でした。
では、ハリヨのことも
これくらいに続きを歩きましょう。
観光客はみんなバイカモの
写真を撮っているようです、
おっ、ここはちょっと有名な
地蔵堂です。
花崗岩を丸彫りにした
半跏像で鎌倉時代の作といわれます。
「醒井延命地蔵尊」です。
その昔の西暦817年に
日照りが100日を超えて続き、
川も湖もカラカラになったことがあります。
その時に比叡山の根本中道で
お参りした伝教大使(最澄)が
この醒井にきて「水の守護神」
と言われる老翁に会い、
その言うとおりに
高さ3m以上の地蔵菩薩を刻み、
記念されますと
3日間以上も雨が降り続いた
といわれているそうです。
この地蔵は最初は川の中に
建てられていたそうで
「尻冷やし地蔵」と
言われていたそうですが、
今はもう地蔵堂の中に
安置されているそうです。
ここがその地蔵堂。
火事に備えた「消化道具」入れが
かわいいですねえ。
さあ、地蔵川もかなり
奥までやってきました。
右手には大きく山が近づいており、
そこに名神高速が走っています。
これまで車で何度も通った場所なんですが、
こんなにバイカモのそばを
通っていたとはねえ。
その山手に大きな神社が見えてきました。
「加茂神社」です。
葛城古道の散策で
加茂一族と出会ってから、
この「加茂」などにはあちこち行きました。
奈良の加茂も行きましたし、
京都の「カモ」関係の
神社も行きました。
そしてここにも「加茂一族」は
来ていたんでしょうね。
鳥居についている神額をみますと
「別雷皇宮」とありますから、
上賀茂神社の流れですね。
階段をずっと上がっていきますと、
おお~ここは醒井が一望できる
スポットですねえ。
なかなか広い気持ちのいい神社です。
ふと見ると、境内の隅っこに
こんな石碑が立っています。
「遷宮記念碑」です。
もともともう少し南にあった
この神社が、昭和34年に
名神高速設置に伴い
今の位置に遷宮してきたようです。
神社関係者及び道路関係者の
苦労がしのばれますねえ。
きっと遷宮に当たっては、
この神社の下部を流れる
鈴鹿山脈、霊山の地下水には
とても神経をとがらせたでしょうねえ。
この神社の下の岩盤から
水が沸いており、
それが地蔵川になっているんですねえ。
もし湧水が止まったりしたら
醒井は立ち直れなく
なってしまいますからねえ。
ではそんな大事な水脇場を
見に行きましょう。
どれどれと続く