お盆を過ぎて急に涼しくなり、秋の気配を感じるようになった19日は、小倉競馬場ではサマースプリントシリーズの第4戦・北九州記念、札幌競馬場では夏のスーパーGⅡ・札幌記念が行われました。札幌記念には2016年のダービー馬・マカヒキ、昨年のエリザベス女王杯を制したモズカッチャン、香港GⅠ馬・ネオリアリズムなど豪華メンバーが参戦し、大激戦となりました。
小倉のメイン・第53回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ・芝1200m 17頭立て)は、昨年の優勝馬③ダイアナヘイロー、昨年の小倉2歳ステークスを勝った⑭アサクサゲンキ、アイビスサマーダッシュを勝った⑪ダイメイプリンセス、⑤アレスバローズ・⑮ナガラフラワー・⑥セカンドテーブルのCBC賞の上位3頭、重賞2戦連続2着⑨ラブカンプー、葵ステークス初代覇者①ゴールドクィーン、アイビスSD3着④ナインテイルズなどが参戦しました。
スタート時、⑩グレイトチャーターがゲートから突進し、他より早めに飛び出す。②ツィンクルソードが出遅れ。先行争いでラブカンプーが果敢に飛ばすが、内からゴールドクィーンがかわして先手を奪い、ナインテイルズが2番手に控える。ラブカンプーは3番手を追走し、トウショウピスト4番手、5番手に⑧アクティブミノル、内側6番手にダイアナヘイロー、ダイメイプリンセスは7番手。その後ろの中団グループには、アレスバローズ・セカンドテーブル・⑯ナリタスターワンの3頭が横並び。中団より後ろの集団は、11番手ナガラフラワー、12番手グレイトチャーター、13番手にアサクサゲンキ。後方は14番手⑰フミノムーン、⑦アンヴァルと⑫フミノパッションが15,16番手で並び、ツィンクルソードが最後方。
3,4コーナー中間のところで、ゴルクィとテイルズの2頭が先頭で並び、3番手からカンプー、外側4番手からピストが接近。ダイアナは5番手につけ、ダイプリは6番手、アレスバはまだ中団。
4コーナーを回り、直線コースに入ってすぐにラブカンプーが先頭に浮上。2番手からアレスバロース、3番手からダイメイプリンセスも追い上げる。ダンスディレクターが馬群から抜け出せず、グレイトチャーターが4番手、セカンドテーブルも脚を伸ばす。ゴール残り200mを切って、内側のアレスバがカンプーに並びかけると、ラスト100mスッと抜け出す。ダイプリが2番手に上がるが、アレスバローズが先頭でゴールイン!アレスバローズがCBC賞に続いて重賞2連勝!夏の短距離王に大きく近づきました!
サマースプリントシリーズの優勝争いを左右しそうな一戦は、単勝6番人気のアレスバローズがゴール前突き抜けて快勝しました。2着には4番人気のダイメイプリンセス、3着には7番人気のラブカンプーという結果に。ラブカンプーは2着、2着、3着と惜しいレースが続きます。グレイトチャーターはスタートでフライングしていたけど、4着と好走。2番人気のアサクサゲンキは6着、1番人気のダイアナヘイローは7着、3番人気のゴールドクィーンは16着と大敗しました。
重賞2連勝を果たしたアレスバローズは、このレースで10ポイントを獲得し、2戦合計20ポイントでシリーズ総合首位。5点獲得で3戦トータル16点で2位のダイメイプリンセスに4点差をつけております。前走のCBC賞は大外から一気の追い上げでしたが、この日は序盤から中団を追走し、最後の直線で内側を上手く突きました。鞍上の菱田裕二騎手は、デビュー5年目で嬉しい重賞初勝利。イギリス遠征中の川田将雅騎手の代打でしたが、快心の騎乗を披露しました。今度のスプリンターズステークスで、ディープインパクト産駒初のスプリントGⅠ馬誕生となるでしょうか。
札幌メイン・第54回札幌記念(GⅡ・芝2000m 16頭立て)は、9か月ぶりに復帰した⑤マカヒキ、ドバイシーマクラシック以来のレースとなる⑮モズカッチャン、おととしの勝ち馬⑧ネオリアリズム、昨年の優勝馬⑨サクラアンプルール、マイルからの距離延長②サングレーザー、今年の青葉賞馬⑦ゴーフォザサミット、エリザベス女王杯2着⑥クロコスミア、大阪杯5着⑭ミッキースワロー、函館2000mで2連勝④マイスタイル、GⅠ2着3回⑫サウンズオブアース、先行勝負①マルターズアポジーなど好メンバーが揃いました。
スタートは全馬綺麗に揃い、正面スタンド前の先行争いで、好スタートを見せたマルターズアポジーと、大外枠の⑯アイトーン、さらにはネオリアリズムとマイスタイルも加わったが、アポジーが前に出た。ゴーフォザサミット、サングレーザー、サクラアンプルールは中団のポジション。ミッキースワローは後方4番手、マカヒキ後方2番手、モズカッチャンが最後方でゴール板を通過した。
1コーナーを過ぎたところで縦長の展開となり、向正面のところで、マルターズアポジーが単独先頭、2番手にアイトーン、3番手にネオリアリズム、4番手マイスタイル。5番手クロコスミア、6番手に⑩スティッフェリオ、その後ろの7番手にサングレーザーが追走。8番手にゴーフォザサミット、サクラアンプルールとアストラエンブレムが9,10番手で並ぶ。11番手にミッキースワロー、12番手⑬スズカデヴィアスがいて、マカヒキ・サウンズオブアース・⑪ナイトオブナイツの3頭が並び、モズカッチャンはまだ最後方。
3コーナーを回り、今度はマイスタが先頭に上がり、アポジーが2番手、リアリズムは3番手。フェリオが4番手に上がり、中団からアンプルールとミキスワが押し上げる。グレーザーは中団馬群の内側、マカヒキとサウンズも捲るように進出してきた。カッチャンはまだ後方2番手だ。
大混戦の状態で4コーナーから最後の直線勝負。直線に入ったところでサクラアンプルールが先頭に躍り出るが、マイスタイルも内で粘る。間からはゴーフォザサミットとスティッフェリオもいる。ゴール残り200mで、サウンズオブアースとマカヒキが先頭に迫り、残り100mでマカヒキが捕らえて先頭!大外からモズカッチャンが追い込み、さらに内からサングレーザーも現れた!最後はグレーザー・マカヒキ・カッチャンの3頭が横並びでゴール!サングレーザーが最後に出たか、マカヒキが復活か?モズカッチャンはわずかに3番手か…。
夏競馬唯一のGⅡレースは、マカヒキ、サングレーザー、モズカッチャンの実力馬3頭が横一線でゴールインという大接戦。スローモー映像で見ても「うあああ!」と声を上げるほど微妙な1着争いでした。写真判定の結果、2番人気のサングレーザーが1着となり、1番人気・マカヒキはハナ差の2着。4番人気・モズカッチャンは僅かに遅れて3着。ラスト100mでマカヒキが来たかと思ったら、ゴール前でグレーザーがひょっこり現れて差し切っちゃいました。サングレーザーは良く馬群を割れたなって思ったし、モズカッチャンの最後の末脚もすごかった。マカヒキも骨折明けのレースで完全復活の兆しが見えたと思います。マカヒキにはもう一花咲かせてほしいな…。
昨年の優勝馬・サクラアンプルールは6着、3歳馬のゴーフォザサミットは7着、マイスタイルは9着、3番人気のミッキースワローは13着、ジョアン・モレイラ騎手が乗ったネオリアリズムは14着。リアリズム、アポジー、アイトーンといった先行勢はみんな後方に沈みました。
優勝したサングレーザーは、今年4月のマイラーズカップ以来となる重賞3勝目をマーク。この馬は札幌コースで過去に2回も走り、いずれも1着。札幌記念も勝って、札幌で3戦3勝。まさに「札幌巧者」といえるでしょう。1400m~1600mが得意なイメージがあるけど、まさか2000mも勝つとは思わなかったな。サングレーザーのこれからが楽しみであることは間違いないけれど、中距離路線で行くか、マイル路線なのか気になります。秋のGⅠシリーズでの活躍を祈りたいと思います。