
2008年のJリーグの行方を占う一戦、ゼロックススーパーカップが国立競技場で行われました。今年はJリーグと天皇杯の2冠を制した鹿島アントラーズと天皇杯準優勝チームで今季はJ2のサンフレッチェ広島の対戦です。大会史上初となるJ1VSJ2対決は、最後まで大荒れの展開となりました。
前半12分に鹿島DF・岩政大樹がこの日2枚目の警告で退場処分となります。広島は28分に森崎浩司がミドルシュートを放ちましたが、GKにキャッチされ無得点。34分、鹿島は立て続けに決定的な場面を迎えます。田代有三と野沢拓也がシュートを狙うも、結果はノーゴール。38分、広島の李漢宰(リ・ハンジェ)が2枚目の警告で退場。両チーム10人VS10人で戦うことに。前半終了間際、鹿島は田代のシュートで先制かと思われましたが、判定はオフサイド。前半は両チーム無得点で終了します。
後半、キックオフと同時に広島は桑田慎一朗に代えて高萩洋次郎を投入。4分、均衡が破れます。内田篤人のクロスをGKがパンチングし、こぼれ球に反応した本山雅志がゴール正面からのミドルが決まり先制します。3分後、今度は野沢の強烈ミドルが突き刺さり2点目。これで勝負ありかと思われました。
しかし広島も諦めていません。後半12分、平繁龍一に代えて古巣に復帰した久保竜彦を投入。これで流れが変わったのか、佐藤寿人と共にチャンスメイク。34分、ペナルティエリア内で広島の選手が倒されてPKを獲得。このPKを久保がしっかりと決めたかと思われましたが、GKが動いたためやり直し。仕切り直しとなりましたが、成功して1点を返します。そして40分、高萩→服部公太と繋いで、最後は佐藤寿人の気迫溢れるヘッドが決まり遂に同点!終盤鹿島が勝ち越し点を狙うもゴールが生まれず90分が終了。ゼロックス杯では延長戦が無いため、勝負はPK戦に突入。
運命のPK戦は1本目は両チームとも成功。2本目、鹿島は中後雅喜が成功。広島は2本目・ストヤノフが失敗しましたが、鹿島GK・曽ケ端準が先に動いたのでやり直し。ストヤノフはもう1度蹴りましたが、今度は成功。曽ヶ端も触れたんですがゴールに吸い込まれました。鹿島は3人目・ダニーロが失敗すると、4人目の本山も外してしまい絶体絶命のピンチ。広島は3人目も成功して、次のユキッチが成功すれば広島の勝ちとなりましたが、曽ヶ端が足でセーブして優勝を阻止!鹿島は5人目・小笠原満男が成功して勝負は3-3の同点。広島は5人目・佐藤寿人が決めれば優勝でしたが、またも曽ヶ端がファインセーブ!しかしまた曽ヶ端が先に動いてしまいやり直し!曽ヶ端が抗議するも覆らず。仕切り直しの場面で、寿人はゴール左隅に決めて勝負あり!PK戦の結果、4-3で広島の勝利!サンフレッチェ広島がゼロックススーパーカップ初優勝を果たしました。
この試合で両チーム合わせて11枚のイエローカード、3人の退場者が出ました。特にPK終了後、鹿島は曽ヶ端と中後雅喜に警告、大岩剛が退場処分となりました。さらに審判のジャッジに不満を抱えた鹿島サポーターがピッチに乱入。鹿島サイドは週明けにも抗議文を提出する予定です。
勝ったサンフレッチェ広島は、この大会で初出場初優勝、J2勢の優勝も当然初の快挙達成です。そして、1994年のJリーグ第1ステージ以来のタイトル獲得となりました!久保&寿人のアベックゴール、再三に渡るPKのやり直しで勝てたという感じもありましたが、久保の投入が試合の流れを変えたんじゃないかと思います。ゼロックス杯優勝の勢い&J1並みの戦力だとJ2をぶっちぎりで優勝するんじゃないでしょうか?
一方敗れた鹿島は、本山と野沢のゴールで一度はリードして優勝に近づいたんですが、残り10分での2失点とPK戦での2本の失敗が響きました。「勝って当然の試合だった」、「ゼロックスを制してリーグに弾みをつけたかった」、「審判のせいで負けた」と様々な気持ちを抱えていることでしょう。開幕戦は岩政と大岩が出場停止、守備の要を失ったまま開幕戦を臨むことになりました。開幕戦の相手はコンサドーレ札幌。白星スタートで敗戦ショックを断ち切れるのか?
「Jリーグ版中東の笛」で大きく揺れたゼロックススーパーカップ。Jリーグ開幕前に大きな課題を残した形となりました。リーグ戦では疑惑のジャッジが無い様、常に心がけて欲しいと思います。





審判のゲームコントロールには少し課題があると思いますが、国内平均を十分上回る出来だったと思います。
判定も、私はあれで良かったのだと思います。
カードにしてもファールにしても、PKやり直しについても、今日に関しては、試合を通して一貫性があったからです。
私の持論で恐縮ですが、『判定は一貫性あるべき、判定基準は議論するべし』だと思っています。
確かに、
広島のPK獲得のシーンは微妙な判定に見えますが、久保の上体の崩れ方と青木の動き、二人の影を観察すると青木の腕が久保の胸に強く入ったと思われます。本日のファールを一貫して簡単にとる傾向を加味すれば、正当な判定だったと思います。
また、曽ヶ端の違反によるPKやり直しには私も興醒めですが、冷静に録画を見直したところ、これで良かったのだと、ある程度納得のいく結論に達しました。曽ヶ端の違反によるPKやり直しは、最初の違反判定は注意でも良かったと思いましたが、彼は以前からPKの際、キッカーが蹴る前にゴールラインから大きく踏み出す『悪い癖』があります。ご存知の通り、インプレーになる前にキーパーはゴールラインよりも前に出てはいけません。
また、後半の久保がやり直したPKも、明らかに競技者以外の広島の選手がインプレーとなる前にPA内に入ったため、やり直しになっています。もし、久保が二本目を外しても文句は言えません。
つまり、審判は、PKに関しても、試合を通じて一貫性を貫き、厳しく判定したと言えるのです。
全ての判定基準にも言えますが、今回のPKやり直しが関係者に波紋を投げ掛け、国内で議論がある方が良いと思います。同じケースが国際大会で発生し、それが原因で敗れた場合、当事者に全ての責任が押し付けられることになります。
『判定は一貫性あるべき、判定基準は議論するべし』です。
サムライさんのコメントをチェックして、疑惑のシーンをyoutubeでチェックしてみました。
①「広島の選手がインプレーとなる前にPA内に入った」という点については、確かに広島の選手が数人入ってました。あと、曽ヶ端が2本とも若干前に動いていたような気もします。
②「曽ヶ端の違反によるPKやり直し」
2本目のストヤノフが蹴る前に動いていたこともそうですが、5本目の佐藤寿人の場面は完全に動いてました。曽ヶ端の悪い癖がモロに露呈しておりますね。
インプレーになる前にキーパーはゴールラインよりも前に出てはいけない>なんで今まで警告を出さなかったんだろうか…。
以上のことを考えると、審判の判定は正しかったのかもしれませんね。ただ、イエローカードの乱発はいただけない様な気がします。出す数も程々にしてもらいたいですね。
おはようございます。
わざわざ、動画チェックありがとうございました。
なんで今まで反則をとらなかったんでしょうか。それは私も疑問です。
早速ですが、
イエローの枚数について。。。
ゼロックスでの厳しい判定基準に一貫性を持たせると、プレーに対してのイエローの枚数はあまり減らないと思います。
先のコメントでも書きましたが、判定基準は議論が必要ですが、判定自体は一貫性があって良かったと思います。
ゲームコントロールという面では、どうでしょうか。。。
私も上手くいって無かったと思います。ただこれは審判だけの問題でしょうか。また私の持論で恐縮ですが、
『試合は皆で作るもの』
という観点が必要だと思います。
審判・選手・サポーター
互いにゲームに関係している以上、ゲームを作るのは審判だけではありません。審判は責任重大ですが、彼らだけが問題ではないと思います。
問題点は。。。
初めに審判についてですが、悪質なプレーではなければ、選手に笑顔を出して説明するべきです。日本の審判だけではなく、国際的に課題だと思います。笑顔を交えれば、よほど理不尽な判定でない限り、多くの選手は理解を示します。あなたを裁いたのではなく、プレーを裁いたのだと。。そう伝えるために笑顔が必要です。
一方、選手も、審判が気に入らないと言って感情的になるのは戴けません。特に代表では、国際大会で感情的になったら終わりです。審判の判定基準や特徴を読むことも実力の内です。時には笑顔で審判に抗議する余裕も必要だと思います。そもそも、試合で感情的になっても互いの信頼が崩れるだけです。
サポーターについてですが、チームに不利な判定をした審判を敵と見なすのは、それも楽しみなので許容範囲ながら、直接危害を加える行為に関しては、断固許すべきではなく、ピッチに乱入したサポーターには、それを誘発する行為として厳しい処分が必要だと思います。
最後に。。。
目立たない審判が良い審判と言われますが、私は正解であり不正解でもあると思います。
審判が目立たない試合は、審判と選手、サポーターが協力して初めて成立します。選手やサポーターがストレスに弱く、悪質な行為が行われやすい状況であればコントロールは難しくなり、悪質な行為に審判が毅然とした態度を取るならば、目立っても構わないと思います。少なくとも、その勇気に敬意を表するべきです。
『試合は皆で作るもの』です。
またまた独自のサッカー論を述べていただきありがとうございます。
選手に笑顔を出して説明する>笑顔でなくてもいいから説明してほしいですよね。サッカーの試合を見ていると、あまり説明している場面がないような気がしますねえ。
あと、危害を加えたサポーターには、無期限出入禁止処分がいいと思います。それか、あまりにも酷い状態は無観客試合が妥当では…。
・スポーツ瓦版さん
今まで見た中で、イエローカードが10枚以上出た試合は滅多に無い、いや初めてかもしれません。