3歳牡馬クラシックの最終戦・第76回菊花賞(GⅠ・芝3000m 18頭立て)が25日、京都競馬場で行われました。今年の菊花賞は2冠馬・ドゥラメンテが不在、例年以上の混戦模様。神戸新聞杯を勝った⑰リアファル、ダービー2着②サトノラーゼン、最後の1冠奪取に燃える⑪リアルスティール、セントライト記念を制した④キタサンブラック、2連勝中の上がり馬⑦スティーグリッツ、他にも③タンタアレグリア、⑤ベルーフ、⑧ミュゼエイリアン、⑩ブライトエンブレム、⑫ワンダーアツレッタ、⑧ミュゼエイリアンなどが参戦しました。
単勝の人気は、リアファルが3.1倍で1番人気、リアルスティールが4.3倍で2番人気、サトノラーゼン3番人気(5.9倍)。4番人気以降はスティーグリッツ、キタサンブラック、タンタアレグリア、ベルーフ、ブライトエンブレムと続きました。
スタートで、スティーグリッツがゲート扉が開いたのと立ち上がってしまい、大きく出遅れる。1周目の外回り3コーナーに向かっての先行争いで、好ダッシュを見せた⑥レッドソロモンが行くかと思いきや、リアファルと⑱スピリッツミノルの8枠2頭が競り合い、最終的にはスピリッツミノルが先手を取り、リアファルは2番手に控える。ミュゼエイリアンが3番手、レッドソロモン4番手。キタサンブラックは5番手、リアルスティールは6番手、サトノラーゼンは8番手から。タンタアレグリアは中団の9番手、ベルーフ13番手、ブライトエンブレムは15番手、スティーグリッツはしんがり追走。
正面スタンド前に入り、スピリッツミノル先頭、リアファル2番手は変わらず。キタサンブラック・リアルスティール・サトノラーゼン・タンタアレグリア・⑨アルバートドックが5~番手で固まっている。ベルーフは中団の後ろを追走。18頭縦長の状態でスタンド前を通過し、1コーナーを回ったところでペースが落ち着いた。
2コーナーから2周目の向正面に差し掛かり、スピリッツが単独先頭、リアファル2番手、ミュゼエイリアン3番手追走。すると後続からアルバートと⑯タガノエスプレッソが先団に押し上げ、先頭集団に加わり、今度はエイリアンが先頭。6番手集団のリアスティ・ソロモン・キタブラも先団に追いつく。中団の9番手にアレグリア、10番手グループは⑬マサハヤドリーム、ベルーフ、⑭マッサビエルの3頭が固まり、ラーゼンは13番手までポジションを下げた。その後は⑮ジュンツバサ、ブラエン、ワンダーアツレッタ16番手、スティグリ17番手、①ミコラソンポツンとしんがり。
2度目の3コーナーに差し掛かり、エイリアン先頭、エスプレッソが2番手、リアファルは3番手集団の一角。リアスティとキタブラは馬群の中、ラーゼンは後方馬群、スティグリは大外に出した。
4コーナーから最後の直線コースに入り、ミュゼエイリアンが先頭をキープし、キタサンブラックが最内から追い上げる。ゴール残り200mでリアファルが先頭に立つが、キタブラがインを突く。さらに外からリアルスティールとタンタアレグリアも襲い掛かる!ラスト100mを切り、キタサンブラックが前に出るが、外からリアルスティールが差を詰め、最後はほぼ2頭並んでゴールしたが、わずかにキタサンブラックが先着!リアファルはゴール前沈んで3着で入線…。
菊花賞 全着順&払戻金
1着④キタサンブラック 3分3秒9
2着⑪リアルスティール クビ
3着⑰リアファル 1/2馬身
4着③タンタアレグリア 1馬身1/4
5着②サトノラーゼン 1馬身1/4
6着⑤ベルーフ 1/2馬身
7着⑩ブライトエンブレム クビ
8着⑧ミュゼエイリアン 1馬身3/4
9着⑭マッサビエル クビ
10着⑮ジュンツバサ クビ
11着⑦スティーグリッツ 1馬身1/2
12着⑨アルバートドック 3/4馬身
13着⑯タガノエスプレッソ アタマ
14着⑫ワンダーアツレッタ 3馬身
15着⑱スピリッツミノル 1馬身3/4
16着①ミコラソン 2馬身1/2
17着⑥レッドソロモン 1馬身1/2
18着⑬マサハヤドリーム 4馬身
単勝 ④ 1,340円
複勝 ④ 370円 ⑪ 170円 ⑰ 160円
枠連 [2]-[6] 1,430円
馬連 ④-⑪ 3,870円
馬単 ④-⑪ 9,960円
ワイド ④-⑪ 1,300円 ④-⑰ 1,320円 ⑪-⑰ 430円
3連複 ④-⑪-⑦ 4,640円
3連単 ④-⑪-⑦ 38,880円
最後の1冠を巡る戦いは、途中前が激しく入れ替わる場面がありましたが、最後は5番人気のキタサンブラックがゴール前で抜け出して優勝しました。2番人気のリアルスティールがクビ差の2着、1番人気のリアファルが3着に入りました。3番人気のサトノラーゼンは5着、4番人気のスティーグリッツはスタートの出遅れが大きく響いて11着に終わりました。
優勝したキタサンブラックは、前走のセントライト記念に続いての連勝で、重賞3勝目。通算成績もこれで7戦5勝となりました。セントライト記念の勝ち馬が菊花賞馬になったのは、1984年のシンボリルドルフ以来31年ぶりだそうです。鞍上の北村宏司騎手は菊花賞初勝利で、昨年の秋の天皇賞以来となるJRA・GⅠ通算3勝目。管理する清水久詞調教師は開業7年目でGⅠ初勝利、菊花賞は初挑戦で初制覇となりました。そして、オーナーの北島三郎さんは、馬主デビュー50年目で悲願のGⅠ勝利を成し遂げました。レース後の表彰式では、常々公言していた「GⅠを勝ったら『まつり』を歌う」という公約を実現させました。また、キタブラの父・ブラックタイド産駒もGⅠ初勝利です。
キタサンブラックは1800~2200mの中距離クラスでは結果を残しているけど、2400m以上の距離は無理なんじゃないかと思いました。しかし、序盤から中団の位置につけ、直線では内ラチ沿いを上手く突き、リアファルとの叩き合いから抜け出すと、リアルスティールの追撃を振り切って見せました。距離不安を乗り越えたというのもあるけど、北村騎手の好騎乗が冴え渡りましたね。「サブちゃんの馬」という理由から話題先行のイメージがあったけど、GⅠを勝ったことで見方が大きく変わりそうです。
来週・11月1日は、東京競馬場で秋の中距離王決定戦・第152回天皇賞・秋が行われます。京都大賞典をを快勝したラブリーデイ、毎日王冠で逃げ切り勝ちを果たしたエイシンヒカリ、昨年の秋天覇者・スピルバーグ、復活を目指すイスラボニータ、サマー2000シリーズ覇者・ダービーフィズ、毎日王冠2着・ディサイファ、メンバー紅一点・ショウナンパンドラ、悩めるダービー馬・ワンアンドオンリー、3歳馬・サトノクラウン、秋天断念と言いながらも登録しちゃったアンビシャス、アドマイヤデウス、ヴァンセンヌなどが出走を予定しています。好メンバーが揃うから、面白くて白熱しそうなレースになりそうだ。