牝馬クラシック第2戦・第75回オークス(優駿牝馬・GⅠ 芝2400m)が25日、東京競馬場で行われました。今年のオークスは、最後方からのごぼう抜きで桜花賞を制した⑩ハープスターが、牝馬2冠達成なるかに注目が集まりました。秋の凱旋門賞を目指す彼女にとっては通過点といえるレースで負けるわけにはいきません。ハープ以外にも、ブエナビスタの妹でオークス初の姉妹制覇を狙う⑧サングレアル、桜花賞3着の⑨ヌーヴォレコルト、皐月賞の経験を活かしたい⑤バウンスシャッセ、左回り3戦3勝の⑰フォーエバーモア、トライアル競走・スイートピーステークスを勝った⑦シャイニーガール、⑮マジックタイム、⑭ブランネージュなどが参戦しました。
単勝の上位人気は、ハープスターが1.3倍と圧倒的な1番人気を集め、ヌーヴォレコルトが2番人気(9.8倍)で追い、3番人気以降はバウンスシャッセ(16.4倍)、サングレアル(16.5倍)、フォーエバーモア、マジックタイム、ブランネージュ、パシフィックギャルと続きました。
正面スタンド前でのスタートはややばらつき、⑯クリスマスが出遅れる。ハープスターはすぐに後方に下げた。先行争いで、好スタートを切った④ペイシャフェリス、大外枠の⑱エリーザベストが前に出るが、ペイシャフェリスが先手を奪った。マジックタイムは4番手、バウンスシャッセは6番手、ヌーヴォレコルトとサングレアルは中団、ハープスターは15番手で1コーナーを回った。
1コーナーから向正面のところで早くも縦長となり、ペイシャが先頭、エリーザが2番手、3番手に⑫マイネグレヴィル、4番手にマジック、ブランネージュと⑪マーブルカテドラルが5,6番手で並ぶ。中団グループには、シャッセとフォーエバーが7,8番手並走、その後ろの9番手にヌーヴォが控え、インコース10番手にシャイニーガール、サングレアル11番手。12番手にパシフィックギャル、13番手③マイネオーラム、14番手②ディルガ、15番手⑬ニシノアカツキ、そしてハープは16番手の位置。後方は①ベッラレジーナ、最後方にクリスマスという展開。
3,4コーナー中間点を過ぎ、先頭集団はペイシャ・エリーザ・グレヴィルの3頭が並び、マーブルが4番手まで上がり、バウンスシャッセとヌーヴォレコルトは馬群の中、サングレアル中団の外し、ハープスターは大外に持ち出した!最後の直線コースに差し掛かり、残り400mでマイネグレヴィルが先頭に立つが、残り200mでヌーヴォが抜け出す。バウンスシャッセが内を突き、ニシノアカツキも上がってきて、大外からハープスターが一気に追い込んできた!ゴール前で2番手まで上がるが、ヌーヴォには届かない!ヌーヴォレコルトが後続を抑え切って先頭ゴールイン!怪物牝馬を破り、オークスを制しました!
オークス全着順&払戻金
1着⑨ヌーヴォレコルト 2分25秒8
2着⑩ハープスター クビ
3着⑤バウンスシャッセ クビ
4着⑬ニシノアカツキ 3/4馬身
5着⑭ブランネージュ 2馬身1/2
6着⑪マーブルカテドラル 1馬身3/4
7着⑧サングレアル クビ
8着③マイネオーラム 1馬身
9着⑫マイネグレヴィル ハナ
10着①ベッラレジーナ 1/2馬身
11着⑰フォーエバーモア 1馬身1/2
12着⑯クリスマス 1馬身1/4
13着⑮マジックタイム 1馬身1/2
14着⑦シャイニーガール アタマ
15着②ディルガ 2馬身
16着⑥パシフィックギャル 3馬身
17着④ペイシャフェリス 3馬身1/2
18着⑱エリーザベスト 大差
単勝 ⑨ 980円
複勝 ⑨ 150円 ⑩ 110円 ⑤ 270円
枠連 [5]-[5] 390円
馬連 ⑨-⑩ 380円
馬単 ⑨-⑩ 1730円
ワイド ⑨-⑩ 190円 ⑤-⑨ 910円 ⑤-⑩ 400円
3連複 ⑤-⑨-⑩ 1530円
3連単 ⑨-⑩-⑤ 12850円
怪物牝馬ハープスター敗れる!樫の女王を決める一戦は、単勝2番人気のヌーヴォレコルトが優勝。道中は中団あたりを追走し、直線で馬場の真ん中から力強く抜け出し、ハープスターとバウンスシャッセの追い上げを振り切り先頭でゴールを駆け抜けました。圧倒的1番人気だったハープスターは、大外からの猛追も届かず2着、3着にはバウンスシャッセが入りました。史上初の姉妹制覇を狙ったサングレアルは、前走から-14kgの大幅減が影響して7着、フォーエバーモアは11着でした。
ヌーヴォレコルトの鞍上・岩田康誠騎手は、同レース初勝利で、史上7人目となるクラシック競走完全制覇を達成。3週間前に後藤浩輝騎手を落馬負傷させ、進路妨害で開催4日間の騎乗停止処分を受け、今週復帰したばかり。復帰していきなりヌーヴォにオークス勝利をもたらしました。そしてこの日の第3レースで勝利し、通算1112勝目を挙げて、地方出身騎手のパイオニア・安藤勝己さんのJRA通算1111勝を上回りました。ヌーヴォを管理する斎藤誠調教師は、2007年の朝日杯フューチュリティーステークスのゴスホークケン以来となるGⅠ勝利で、オークスは初勝利。馬主の原礼子さんは初のGⅠタイトルを獲得しました。
1番人気に支持されながらも2着に終わったハープスターは、前回の桜花賞と同じく直線で大外からグイグイと追い込み、上がり最速33.6秒の末脚を見せましたが、ヌーヴォにあと一歩届きませんでした。左回りで2戦2勝、輸送も経験済みと穴は見当たらないはずだったけど、桜花賞みたいに弾けきれず。この敗戦で凱旋門賞に行くかどうかは正直微妙、仮に参戦しても厳しい結果になると思います。ハープには勝ってくれることを期待していたんだけど、この結果にはガッカリとしか考えられない。
来週は3歳世代最強決定戦・第81回日本ダービー!皐月賞馬のイスラボニータ、弥生賞馬・トゥザワールド、ウインフルブルーム、ワンアンドオンリー、トーセンスターダム、牝馬のレッドリヴェール、青葉賞を勝ったショウナンラグーン、京都新聞杯の勝ち馬・ハギノハイブリッド、プリンシパルステークスを勝ったベルキャニオンなどが登録しています。2011年に生まれたサラブレッドの頂点を決める一戦を見逃すな!