クラブチーム世界一決定戦「TOYOTAプレゼンツ FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2012」大会3日目の12日は、豊田スタジアムで5位決定戦と準決勝第1試合が行われました。5位決定戦はJリーグ王者とACL王者の日韓対決、準決勝第1試合は南米王者・コリンチャンスが登場しました。
5位決定戦 サンフレッチェ広島VS蔚山現代ホランイ
9日の準々決勝で敗れたチーム同士による一戦は、クラブW杯史上初の日韓クラブ対決となりました。今大会3試合目となる広島、JリーグMVP男・佐藤寿人がエースの本領を発揮しました。
開始2分、蔚山のコ・ソルギがロングシュートを果敢に狙いましたが、ゴール左に逸れます。さらに7分、前線へのロングパスからキム・シンウクが頭で落とし、ラフィーニャが抜け出すも、シュートを外してゴールならず。広島は8分に高萩洋次郎がミドルシュートを放つもGKの正面。14分にも高萩ミドルを狙うも枠を捉えられず。迎えた前半17分、蔚山右サイドでイ・ヨンのロングフィード→キム・スンヨンが頭で繋ぎ、広島DF・水本裕貴がGK・西川周作にバックパスしようとしたが、ボールはそのままゴールへ吸い込まれてしまう。まさかのオウンゴールで蔚山1点先制。
1点を追う広島は、21分に右CKから森崎和幸がペナルティエリア手前からボレーシュートを放つもわずかに右に逸れる。35分、やや右寄りでFKを獲得し、森崎浩司のクロス→寿人がヘディングで叩きつけるもGKに弾かれる。しかし、こぼれ球を山岸智が押し込みゴール。広島が1-1の同点に追い付きます。蔚山は38分に左サイドのFKをイ・グノが頭で合わせるもGK西川に押さえられ、41分にはシンウクのシュートがバー直撃で勝ち越しならず。
エンドが変わった後半も、立ち上がりは蔚山のペース。後半1分、右サイドのクロスにシンウクがヘディングシュートを放つも、GK・西川がしっかりとキャッチ。後半9分、右サイドのFKをイグノが飛び込んだが、広島GK西川がファインセーブで勝ち越しを許さず!そして後半10分過ぎ、広島は左サイドの山岸の低いクロス→寿人が左足をワンタッチで合わせてゴール!2-1と広島が逆転に成功!
さらに後半27分、森崎和→高萩と繋ぎ、高萩のラストパス→フリーの寿人が左足で流し込んで3点目。寿人はこの試合2得点目。蔚山は後半アディショナルタイムにイ・ヨンが左サイドからのFKを直接決め、終了直前に1点を返すも反撃はここまで。広島が3-2で逆転勝ちし、日韓戦を制して5位入賞。6位の蔚山は未勝利で大会を終えました。
準決勝第1試合 コリンチャンスVSアルアハリ
南米王者・コリンチャンスは、浦和レッズで活躍したエメルソン、元鹿島アントラーズのダニーロ、現役ブラジル代表・パウリーニョを擁するブラジルの名門チーム。対するアルアハリは、準々決勝で広島を破ってコリンチャンスの挑戦権を獲得。アフリカ勢2度目の決勝進出なるか?
コリンチャンスは前半9分、右サイドのロングスローのこぼれ球をドウグラスがゴール正面の位置から右足ボレーを放つが、ゴール左に逸れます。アルアハリは11分に右サイドFKをラミ・ラビアが合わせるが、右に外れてノーゴール。15分過ぎからコリンチャンスの時間帯が続くも、なかなか決定的なチャンスが作れず。前半30分、左CKからチャンスを作り、ドウグラスが右足でクロスを入れ、ゲレーロが頭で合わせてゴール!コリンチャンスがまず1点先制。
後半3分、コリンチャンスはエメルソンが右サイドをドリブル突破し、ペナルティエリア内に進入してシュートを打ったが、枠には行かず。アルアハリは後半10分にアブトレイカを投入。しかし、その直後にアクシデントが発生し、GK・エクラミが太ももを負傷。テーピングを巻いて一旦プレーを続けたものの、後半20分にGKザキと交代。後半17分、アブトレイカがクロスを入れるもDFに当たり、跳ね返りをDFラビアが右足を振り抜いたが、シュートはわずかにポスト右。後半21分、アブトレイカの浮き球パス→右サイドにいたファティが抜け出しシュートを打つが、サイドネット直撃でノーゴール。さらに27分、アブトレイカ→ゴール前にいたハムディが左足で合わせたが、力がなかった。28分にはアブトレイカのミドルシュートは、GKにセーブされる。
アルアハリの反撃の前に押され気味のコリンチャンスは、29分にゲレーロのパスを受けたパウリーニョがDFをかわしてシュートを放つも、DFのブロックに阻まれ追加点を奪えず。30分にエメルソンを下げてロマリーニョを投入。その1分後、ロマリーニョのスルーパスからパウリーニョが抜け出し、ゴール前まで行くもシュートに持ち込めない。アルアハリは38分にソリマンが左足ミドルを狙うもバーの上。42分にはラビアのシュートも決まらず。試合はそのまま1-0でコリンチャンスが逃げ切り、決勝に駒を進めました。
大会3日目は、5位決定戦はJリーグ王者・サンフレッチェ広島が蔚山現代を破って5位入賞。準決勝第1試合はコリンチャンスがアルアハリの後半の猛攻を凌ぎ、1点差を守り切りました。
5位決定戦で2得点を挙げた佐藤寿人選手は、後半11分に決勝ゴールを決めると、27分には広島の追加点となるシュートを決めました。寿人選手は準々決勝では一時同点ゴールを決めながらも、後半に何度もチャンスで決めきれず。しかし、この試合では本領を発揮してみせました。逆転ゴールを決めた時は、チームメイトたちと一緒に相撲パフォーマンスをやっていました。この大会では3試合に出場して3得点を挙げ、大会得点王の可能性も出てきました。
準決勝では、コリンチャンスのサポーター集団が駆け付けたこともあり、31,417人の大観衆の中で行われました。 名古屋グランパスより入ってたかもしれない。コリンチャンスサポーターの応援が90分間も続き、「ここはブラジルですか?」と疑うほどでした。決勝手を決めたゲレーロ選手がしっかり応えたのに対し、エースストライカー・エメルソン選手は守備に専念し、攻撃は不発に終わりました。敗れたアルアハリは、後半にアブトレイカ選手を投入してから流れを掴んだけど、1点が遠かったです。もし同点ゴールが決まっていれば、豊田スタジアムが静寂に包まれていたか、コリンチャンスサポの怒号が飛んでいたかも。
13日は横浜国際総合競技場で準決勝2試合目「チェルシーVSモンテレイ」が行われます。チェルシーはスペイン代表のフェルナンド・トーレス、イングランド代表・ランパード、ブラジル代表・オスカル、チェコ代表の守護神・チェフなどが出場予定。間違いなく優勝候補の筆頭ですが、守備の要であるジョン・テリーがひざの負傷により欠場。それにUEFAチャンピオンズリーグ敗退、監督交代(ディ・マッテオOUT→ベニテス監督)があったりと不安山積みです。果たして、初戦となる準決勝でモンテレイ相手に格の違いを見せつけられるでしょうか?