ボクシングのWBA世界バンタム級王者・井上尚弥選手が、日本時間19日早朝、IBF世界バンタム級タイトルマッチ兼WBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)バンタム級トーナメント準決勝に臨みました。バンタム級転向後は2戦連続で1ラウンドKO勝ちの井上選手、準決勝の対戦相手であるIBF王者のエマヌエル・ロドリゲス選手(プエルトリコ)は、デビューから19戦全勝。無敗の王者対決を制し、決勝進出となったのか?
第1ラウンド、立ち上がりから井上とロドリゲスがともにジャブを打ち合い、37秒過ぎにロドリゲスの左のパンチが井上の顔面を捉える。井上も1分過ぎに右ストレート、1分56秒には左のボディブローをヒット。井上はロドリゲスの圧力でロープを背にする展開が続いたが、何とか守り切って1ラウンドを終えます。
続く第2ラウンド、20秒過ぎに井上がワンツーを決めると、30秒経過して左フックでロドリゲスがダウン!ロドリゲスはカウント8で立ち上がったが、再開直後に井上がボディの連打で2度目のダウンを奪う。井上は一気にロドリゲスをロープに追い込み、またもボディ攻撃で3度目のダウン。ロドリゲス立ち上がるもレフェリーストップ。第2ラウンド1分19秒、井上尚弥がTKO勝ちでIBF王者を破りました!
日本ボクシング界の怪物・井上尚弥選手が、英国・グラスゴーの地でIBF王座を獲得。WBAとIBFの2冠王者になると同時に、WBSSバンタム級トーナメント決勝進出を果たしました!第1ラウンドにロープ際に追い込まれる場面も見られましたが、第2ラウンドでロドリゲス選手から3度ダウンを奪ってみせました。左フックでロドリゲス選手の鼻を出血させ、ボディ攻撃で相手の戦意を喪失させました。ロドリゲス選手も無敗で世界王者になったので決して弱い選手じゃないけど、井上選手が強いというか凄すぎました。
これで井上選手は、WBC、WBO、WBA、IBFのメジャー4団体を制覇。高山勝成さん以来、日本人史上2人目の偉業達成。さらにはアメリカの「リングマガジン誌」の認定ベルトも獲得。「リング誌」ベルトは各階級で最も強い選手に贈られる名誉あるベルトです。世界王者経験者を立て続けに倒している井上選手に相応しいベルトといえるでしょう。
世界戦で8試合連続ノックアウト勝利ですが、通算でも12回目のKO勝ち。また、日本人選手はヨーロッパでの世界タイトルマッチは17連敗中でしたが、井上選手が初めて勝利を挙げました。モンスターは鬼門すら突破してしまう力があります…。
WBSS決勝戦では、フィリピンのノニト・ドネア選手と対戦。ドネア選手はフライ級、スーパーフライ級、バンタム級、スーパーバンタム級、フェザー級の5階級で世界王座を獲得した名選手。昨年バンタム級に復帰し、WBSS1回戦でWBA同級スーパー王座を獲得しております。「井上尚弥VSノニト・ドネア」のドリームマッチは、真のバンタム級世界最強を決める戦いでもあり、日本とフィリピンの国の威信をかけた戦いになると思います。ここまで来たらドネアにもKOで勝ってほしいのだが…。