第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開幕まであと2日に迫った28日、WBC最終強化試合「野球日本代表(侍JAPAN)VS読売ジャイアンツ」が福岡ヤフオクドームで行われました。26日の阪神タイガースとの強化試合では、先発の内海哲也投手が3回無失点の好投を見せたものの、2番手で登板した涌井秀章投手が5回に伊藤隼太にタイムリーヒットを打たれて1失点。打線も阪神投手陣の前に散発の3安打と沈黙し、0-1で敗れました。日曜日の豪州戦でようやく打線が目覚めたかと思ったら、わずか2日で貧打に逆戻り。WBC前最後のテストマッチとなる今回の巨人戦、本番に弾みをつけるためにも負けるわけにはいかない一戦です。
両チームのスタメンはこちら
日本代表 巨人
1(遊)坂本勇人 (右)矢野謙次
2(指)角中勝也 (中)松本哲也
3(左)内川聖一 (一)ロペス
4(右)糸井嘉男 (三)村田修一
5(中)長野久義 (指)ボウカー
6(二)鳥谷 敬 (捕)実松一成
7(一)中田 翔 (左)大田泰示
8(捕)相川亮二 (二)藤村大介
9(三)松田宣浩 (遊)寺内崇幸
(投)大隣憲司 (投)高木京介
日本はキャプテンで四番を務める阿部慎之助が右ひざの違和感を訴えて欠場。代わりに糸井が4番に起用され、相川がスタメンマスクを被りました。阪神戦で3塁打を放った角中が2番に入りました。対する巨人は、最終メンバーから外れた村田が4番で先発出場。
左の先発枠に入りたい大隣ですが、初回に巨人の先頭打者・矢野に3球目のストレートを狙われ、レフトスタンドへの先頭打者本塁打を浴び、いきなり先制点を許してしまいます。松本をセンターフライ、ロペスを3塁フライに打ち取って2死後、村田にレフト線へのヒットを打たれます。しかし、左翼手・内川が校返球を見せ、2塁を狙った村田を刺殺。大隣は2回と3回にヒットによるランナーを出しながらも後続を退けて追加点を与えず、4回にはボウカーと実松から三振を奪い、3者凡退に抑えました。
打線のほうは、初回に坂本がセンター前ヒットで出塁するも無得点、2回には巨人先発・高木の前に3者凡退に抑えられます。3回、1死から松田が四球を選ぶと、坂本の場面で2塁盗塁。2死後、角中の四球で1,2塁のチャンスで、内川が低めの球を流し打ち、詰まりながらもライト前に運ぶタイムリーヒット。2塁から松田が生還し、1-1の同点に追い付きます。5回、松田と坂本の連続ヒットで1死1,3塁と勝ち越しのチャンスで、角中が投手ゴロ併殺崩れの間に松田がホームイン。2-1と日本が逆転します。
6回、日本は巨人3番手・笠原将生を攻め立て、鳥谷がセンター前ヒット、相川もヒットで2死1,3塁、松田はファウルで粘った後死球で出塁し、満塁と追加点のチャンスが拡大した場面で、坂本が笠原の初球ストレートを捉え、レフト線を破るタイムリー2塁打。2人のランナーが生還して2点追加、4-1とします。8回には相川と松田の代打・松井稼頭央、坂本の3連打で満塁。角中は1塁ゴロ→相川本塁封殺で2死となりますが、内川が巨人5番手・西村健太朗のストレートを叩き、平凡な1塁ゴロかと思いきや、打球がイレギュラー→巨人一塁手・ロペスのアゴに直撃。打球が転々とする間に2人の走者がホームイン。日本はさらに2点追加し、6-1と突き放しました。
投手陣は5回に森福允彦が四球の走者を出しながらも無失点。6回からは3番手・沢村拓一が2イニング無失点、8回は4番手・山口鉄也、9回は5番手・牧田和久が登板。継投リレーで巨人の反撃を許さず。試合は6-1で日本代表が勝利しました。
2013 WORLD BASEBALL CLASSIC 強化試合 2013年2月28日(木)
ヤフオクドーム ◇開始 19:00 (3時間25分) ◇入場者 19,662人
日本 001 012 020 6
巨人 100 000 000 1
【投手】
(日)大隣、森福、沢村、山口、牧田-相川、炭谷
(巨)高木京、福田、笠原、今村、西村、アコスタ-実松、加藤
【責任投手】
(勝)大隣
(敗)福田
【本塁打】
(巨)矢野1号ソロ(1回、大隣)
WBC前最後の強化試合に臨んだ侍JAPAN、主将・阿部選手を欠きながらも、巨人に勝利をおさめました。打線は12安打で6得点を挙げ、坂本選手が5打数4安打と大当たり。6回には満塁の場面で2点タイムリー2塁打を放ちました。内川選手は攻守にわたり活躍し、打撃では2本のタイムリーヒットを打ち、3安打3打点。守備でもレフトから2塁への「アゴビーム」で村田選手を2塁アウトにしました。福岡ソフトバンクホークスのホームグラウンドということもあって「他の球場に比べてやりやすい」と話していた内川選手、2日からの福岡ラウンドは大いに期待しちゃっていいですか?阿部捕手の代わりにマスクをかぶった相川捕手は2打席連続ヒットとまたしても打撃で存在感を示しました。打撃不振の阿部選手に代わって相川選手が正捕手でいいんじゃないかと思います。4番に座った糸井選手は5打数ノーヒットに終わりました。4番は荷が重かったようですね。
投手陣のほうは、先発した大隣選手が、いきなり先頭打者本塁打を浴びたものの、失点はこの1点のみ。その後は徐々に取り戻し、ランナーを背負いながらもしっかりと抑え、4回には3者凡退。4回を投げて63球・被安打4・4奪三振という内容でした。中継ぎ勢では、2番手で登板した森福投手は3試合連続で無失点と好調をキープ。3番手の沢村投手は1イニング目は2つの三振を奪ったけど、2イニング目にはヒットと2つの四球を与えて満塁の走者を背負いました。なんとか凌いだけれど、やっぱり危ない。
これで本大会前の強化試合をすべて消化した侍JAPAN。5試合戦って3勝2敗という結果でした。野手陣では内川選手と松井選手のバッティングが好調、坂本選手も巨人戦で4安打を放って調子を上げました。一方、阿部選手が打撃不振&膝の違和感で福岡ラウンドが微妙な状態に。長野選手は21打数1安打と極度のスランプに陥り、最後のテストマッチでも2打数無安打で6回に代打を送られました。巨人の2選手だけでなく、糸井選手や中田翔選手も苦しんでます。ホームランも相川選手の1本のみと寂しいですね。投手陣では田中将大投手が2度の登板で結果を残せず。初戦のブラジル戦で先発登板するんですが、立ちあがりのピッチングが心配だ。
先発投手陣、レギュラー野手の不調が続出する状態で、いよいよ2日からWBC第1ラウンドが始まります。日本と同じA組に入っているブラジル代表は強化2試合とも敗戦、中国代表はオリックス戦で8失点と完敗。キューバ代表は阪神に勝利し、1日に福岡でホークスとのテストマッチに挑みます。侍JAPANは中国に2回も勝っていて、キューバには昨年11月の親善試合で連勝しております。福岡ラウンドではブラジルと中国の格下2チームにしっかりと勝利し、強敵・キューバを下して全勝で1位通過なら最高です。WBC3連覇は難しいかもしれませんが、壁を一つずつ乗り越えて行けるよう頑張ってください。