春の最強牝馬決定戦・第17回ヴィクトリアマイル(GⅠ・芝1600m 18頭立て)が15日、東京競馬場で行われました。今年のVMは、繋靭帯炎で1年以上休養していた無敗の3冠牝馬①デアリングタクト、白毛の女王⑤ソダシ、マイル戦は久しぶり⑬レイパパレ、元2歳女王⑦レシステンシア、波乱を起こす女⑭アカイイトとGⅠ馬が5頭も参戦。さらには、サウジアラビア遠征から戻って来た②ソングライン、中山牝馬ステークス覇者⑧クリノプレミアム、阪神牝馬ステークス優勝③メイショウミモザ、昨年3着③マジックキャッスル、母のヴィルシーナはVM2連覇⑥ディヴィーナ、秋華賞2着⑪ファインルージュ、同レース3着⑮アンドヴァラナウトも参戦しました。
単勝の人気は、1番人気はレイパパレ(4.1倍)、2番人気はソングラインとファインルージュが5.4倍で並び、ソダシが僅差の4番人気(5.7倍)、5番人気のデアリングタクト(8.4倍)まで10倍以下でした。その後はレシステンシア、アンドヴァラナウト、⑱テルツェット、⑯デゼル、メイショウミモザと続きました。
スタートでクリノプレミアム、レシステンシア、ソダシが絶好の飛び出しを見せ、レシステンシアとソダシの2頭が先手を主張するが、外から押して来た⑩ローザノワールが2頭をかわして先頭を奪う。レシステンシアは2番手、ソダシ3番手、レイパパレは4番手に控える。5番手クリノプレミアム、内側6番手にデアリングタクト、7番手ディヴィーナ、外側8番手ファインルージュ。9,10番手のところにソングラインとアンドヴァラナウト、11番手⑫ミスニューヨーク、12番手マジックキャッスル、13番手デゼル、14番手にアカイイト。後方勢は、15番手にメイショウミモザ、16番手⑰シャドウディーヴァ、17番手⑨アブレイズ、テルツェットがしんがり。
3,4コーナー中間のところで、ロザノワが単騎の逃げを打ち、レシス2番手、パパレ3番手、ソダシ4番手。クリプレ5番手、デアタクとルージュ、アンドヴァは6番手グループ。ソングラは中団馬群。
4コーナーから最後の直線に入ってもローザノワールが先頭をキープ。2番手からレシステンシアが追い上げ、3番手のソダシはレシスの内側に入る。デアリングタクトは最内を突いて上がって来る。レイパパレは伸びを欠いているか?残り200mでレシスとソダシが逃げるロザノワに接近すると、残り100mでソダシが抜け出して先頭に躍り出る。後続からファインルージュとソングラインが追い上げてきたが、ソダシがゴール前で突き放して先頭ゴールイン!2着争いはルージュ・ソングラ・レシス・ロザノワが同時にゴール板を通過しました。
【ヴィクトリアマイル 全着順】
1着⑤ソダシ 1分32秒2
2着⑪ファインルージュ 2馬身
3着⑦レシステンシア クビ差
4着⑩ローザノワール ハナ差
5着②ソングライン ハナ差
6着①デアリングタクト
7着⑨アブレイズ
8着⑭アカイイト
9着⑰シャドウディーヴァ
10着⑫ミスニューヨーク
11着⑥ディヴィーナ
12着⑬レイパパレ
13着⑱テルツェット
14着⑮アンドヴァラナウト
15着⑯デゼル
16着⑧クリノプレミアム
17着③マジックキャッスル
18着④メイショウミモザ
【払戻金】
単勝 ⑤ 570円
複勝 ⑤ 230円 ⑪ 190円 ⑦ 360円
枠連 3⃣-6⃣ 1,770円
馬連 ⑤-⑪ 2,010円
馬単 ⑤-⑪ 4,010円
3連複 ⑤-⑦-⑪ 8,270円
3連単 ⑤-⑪-⑦ 43,780円
ワイド ⑤-⑪ 730円 ⑤-⑦ 1,460円 ⑦-⑪ 1,470円
GⅠウィナーが5頭も出走するなど「史上最高メンバー」と言われたヴィクトリアマイルは、4番人気のソダシがゴール残り100mで抜け出し、2着に2馬身差をつける完勝。おととしの阪神ジュベナイルフィリーズ、昨年の桜花賞に次ぐ3つ目のGⅠタイトルを獲得しました。2着争いは混戦となりましたが、ファインルージュが2着、レシステンシアが3着、ローザノワール4着、ソングライン5着。序盤から積極的走りを見せたローザノワールは、18頭中最低人気でした。
復帰戦となったデアリングタクトは6着。長期休養明けでこの結果だったけど、繋靭帯炎を克服してターフに戻ってこれただけでも良かった。2年前の輝きをもう一度取り戻せるといいですね。1番人気だったレイパパレは12着と惨敗。スタートで少し出遅れ、4番手まで挽回したけど、直線で伸びきれず。東京コースの経験不足、距離が合わなかったのかなって思います。GⅠの1番人気の連敗記録はVMでも止められず、昨年のホープフルステークスから9連敗!オークスかダービーでその記録が止まるといいんですが。
勝ったソダシは札幌記念以来の勝利を飾り、通算成績11戦7勝。ヴィクトリアマイル初勝利の吉田隼人騎手は今年のGⅠ2勝目。須貝尚介調教師は2017年のアドマイヤリードに次いで同レース2勝目。馬主の金子真人ホールディングスも2011年のアパパネ以来となるVM制覇を果たしております。
最近のソダシはダートで2戦走り、チャンピオンズカップ12着、前走のフェブラリーステークスは3着と健闘。この日は7か月ぶりに芝のレースに戻り、最後の直線でレシステンシアの内側に入り、残り100mで先行馬を捕らえると、ゴール前で一気に突き放しました。本当に強い内容だったので、間違いなくソダシのベストレースと言えるでしょう。レース後のウィニングランでは、新緑のターフとソダシの馬体が見事にマッチしてました。青空だったらもっと最高だったけど。
ソダシは芝のマイル戦で4戦4勝。もし安田記念に向かうなら、当日は1番人気になるかもしれない。既にマイルのGⅠで3勝しているけど、シュネルマイスターやイルーシヴパンサー、ソウルラッシュといった同世代の牡馬を破って、真の「国内最強マイラー」の座を掴めるか。一度でいいからソダシが混合GⅠで勝つところを見てみたいです。