7月19日は、開催最終日を迎えた函館競馬場でサマー2000シリーズの第2戦・函館記念、こちらも連続開催のラストの阪神競馬場ではサマーマイルシリーズ第2戦・中京記念が行われましたが、両レースとも大変なことになりました。
第56回農林水産省賞典函館記念(GⅢ・芝2000m 16頭立て)は、ダービー馬・レイデオロの弟①レイエンダ、右回り2000mを得意とする⑤カウディーリョ、2歳時代に重賞2勝⑬ニシノデイジー、⑩トーラスジェミニ・⑧ベストアプローチ・⑨レッドサイオンの巴賞組、②バイオスパーク、③ミスマンマミーアなどが参戦しました。
スタートは16頭横一線に揃い、スタンド前のポジション争いでトーラスジェミニが先手を取り、レッドサイオン2番手、レイエンダが3番手。カウディーリョも先行グループに加わり、バイオスパークは5番手グループ、ニシノデイジーとベストアプローチは中団に控えてゴール板を通過した。
1,2コーナーを回って向正面に入るところで、トーラスジェミニが先頭、レッドサイオン2番手、3番手にレイエンダ、外側4番手から⑪スズカロングが並びかける。その後ろの5番手にカウディーリョ、6番手バイオスパーク、7番手⑯マイネルファンロン、8番手に③ランフォザローゼス、9番手⑭アドマイヤジャスタと続く。中団10番手にニシノデイジーが追走し、ミスマンマミーアとベストアプローチが11,12番手で並走。後方勢は⑥ドゥオーモ,⑮ナイトオブナイツ,⑫プレシャスブルー,⑦レイホーロマンスと4頭が固まっている。
3,4コーナー中間点を過ぎ、ジェミニがマイペースでひた走り、レイエンダが2番手に浮上して前のジェミニに接近。後続ではアドジャスが大外から上昇し、スパークとカウディも前を追う。アプローチは大外に持ち出し、デイジーは後方に下がる。
16頭が一団で4コーナーを回り、ラストの直線でレイエンダが先頭に立つかと思いきや、トーラスジェミニが盛り返す。残り200mでバイオスパークが迫り、外からアドマイヤジャスタが追い込み、残り100mでアドジャスが先頭に躍り出る。スパークが2番手、さらにドゥオーモが追い上げたが、アドマイヤジャスタが先頭ゴール!ドゥオーモがゴール前でバイオスパークをかわして2着に入ったか?
夏の函館開催のフィナーレを飾る伝統のハンデ重賞は、直線で抜け出したアドマイヤジャスタが制しました。この馬は単勝オッズで16頭中15番人気のブービー人気。2着のドゥオーモも13番人気。3着には3番人気のバイオスパークが入り、3連単「⑭-⑥-②」で343万2,870円の高配当がつきました。
スタートから先頭を走ったトーラスジェミニは4着、1番人気のカウディーリョは7着、2番人気のレイエンダはいったんは先頭に立ったものの、残り200mを過ぎたところでズルズル下がって11着に終わっています。
アドマイヤジャスタは2018年10月の紫菊賞以来の勝ち星を挙げ、通算3勝目を飾りました。2歳時代はホープフルステークスで2着と好走しましたが、その後は2ケタ着順が続き、前走の鳴尾記念では6着。今回の函館記念で待望の重賞初制覇を果たしました。父のジャスタウェイも一時期低迷するときがありましたが、4歳秋から強くなりだしたから、アドジャスもここから本格化するだろうか?
第68回トヨタ賞中京記念(GⅢ・芝1600m 18頭立て)は、今年のNHKマイルカップで3着だった⑮ギルデットミラー、シンザン記念2着⑩プリンスリターンの3歳世代2頭の他に、2018年3歳マイル王⑦ケイアイノーテック、エプソムカップ2着⑪ソーグリッタリング、ヴィクトリアマイル4着④トロワゼトワル、⑬ラセット&⑫ミッキーブリランテの「米子ステークス組」、都大路ステークスを勝った①ベステンダンクなどが参戦しました。
スタートで②ハッピーアワーが出遅れ、⑱エントシャイデンとケイアイノーテックも後方から。トロワゼトワルがハナに立つと、⑯リバティハイツが2番手、ギルデットミラーが3番手に上がり、⑤レッドレグナント4番手。5番手集団にはベステンダンク・⑩プリンスリターン・ソーグリッタリング・⑰ストーミーシーの4頭が並ぶ。9,10番手の位置にディメンシオンとミッキーブリランテ、11番手⑭メイケイダイハード、12番手エントシャイデン、13番手ケイアイノーテック、14番手⑨ブラックムーン。後方は⑥ペプチドバンブー、ハッピーアワー、ラセット、③ロードクエストと続く。
外回り3,4コーナー中間で、先頭のトロワゼが前半800mを45.8秒で通過。ハイツがぴったりと2番手につけ、ギルミラが3番手を追走するが、ミキブリが外から早仕掛け。ソーグリ・プリンス・ノーテックは中団馬群、ラセットは後方2番手で4コーナーを回る。
最後の直線コースで、先頭争いはリバティハイツとミッキーブリランテの2頭が競り合う展開に。ギルデットミラー3番手だが、前が詰まって追い出せない。外からストーミーシーとメイケイダイハードが脚を伸ばし、さらにはソーグリッタリングがインから強襲する。残り100mでダイハードが先頭に立ち、内からシャイデン、外からラセットとノーテックがやって来るが、メイケイダイハードが1着ゴール!これも大波乱だ!
阪神初開催となった中京記念は、単勝18番人気のメイケイダイハードが混戦を制すという大波乱の結果となりました。6番人気のラセットがゴール前で差を詰めるも2着、9番人気のエントシャイデンが3着に入り、メンバー唯一のGⅠ馬・ケイアイノーテックは4着。3連単「⑭-⑬-⑱」の組み合わせで330万2,390円と、こちらも300万超えの高配当決着。
1番人気のギルデットミラーは6着、2番人気のソーグリッタリングは7着、ギルデットミラーと同じ3歳馬のプリンスリターンは14着、4番人気のトロワゼトワルは17着。3歳勢にとっては厳しいレースでした。
重賞初勝利のメイケイダイハードは、昨年9月のJRAアニバーサリーステークス以来となる通算5勝目をマーク。鞍上の酒井学騎手もレース後のインタビューで「何より僕自身が1番驚いている」とコメントしておりました。ダイハードの父・ハードスパン産駒はJRA重賞初勝利を達成。馬主の「名古屋競馬株式会社」は中京競馬場のオーナー会社で、メイケイとは会社の略称だそうです。阪神の中京記念で「名古屋競馬株式会社」の馬が勝ってしまうとは・・・。
今週の日曜重賞は、函館記念でブービー人気、中京記念でしんがり人気の馬が勝利。両レースともに7枠14番の馬で、3連単300万超え。WIN5も久しぶりの的中者なしでキャリーオーバーが発生しちゃいました。土曜日の函館2歳ステークスも10番人気のリンゴアメが勝ち、週末の3重賞は全て大荒れでした。来週のアイビスサマーダッシュも波乱が起きるのか、それとも堅い決着で済むか?