年に一度の競馬の祭典・第87回日本ダービー(GⅠ・芝2400m 18頭立て)が31日、東京競馬場で行われました。新型コロナウイルスの影響により、戦後初の無観客での開催となる今年のダービーは、ディープインパクト以来の無敗2冠制覇に挑む⑤コントレイル、皐月賞でのリベンジに燃える⑫サリオス、弥生賞から直行の③ワーケア、京都新聞杯を勝った⑬ディープボンド、弥生賞馬⑮サトノフラッグ、皐月3着⑪ガロアクリーク、⑨ダーリントンホール、①サトノインプレッサ、⑰ヴァルコス、⑧ビターエンダーなどが参戦。2017年生まれのサラブレッド7,262頭の頂点に立ったのは?
単勝オッズは、コントレイルが1.4倍と断然の1番人気。サリオスが4.4倍の2番人気。3番人気以降はワーケア、サトノフラッグ、ダーリントンホール、ヴァルコス、ガロアクリーク、ディープボンド、サトノインプレッサという順で続きました。
注目のスタートは、コントレイルとサリオス共に良い飛び出しを見せる。スタンド前の先行争いで、⑱ウインカーネリアンが迷わずハナに立ち、⑩コルテジアが2番手につけ、コントレイルが内側3番手と先行策を取った。⑥ヴェルトライゼンデとワーケアは中団より前の位置、サリオスとヴァルコスは9,10番手あたり、サトノインプレッサ12番手、ダーリントンホール14番手、サトノフラッグは16番手でスタンド前を通過した。
1,2コーナーの中間~向正面のところで、ウインカーネリアン先頭、2番手コルテジア、外側3番手にディープボンド、コントレイルは内側4番手に控える。5番手ヴェルトライゼンデ、6番手番手ヴァルコス、7番手ガロアクリーク、8番手②アルジャンナ、9番手にワーケアが追走。その後ろの中団10番手にサリオスがいて、11番手サトノインプレッサ、12番手ビターエンダー、13番手ダーリントンホールが続き、外側で⑭マイラプソディが一気にポジションを押し上げる。15番手サトノフラッグ、16番手⑦ブラックホール、17番手④レクセランス、最後方に⑯マンオブスピリットという展開。
3コーナーを回り、今度はマイラプが先頭を奪い、コルテジア2番手、カーネリアンが3番手に下がり、ボンド4番手。ヴァル5番手、コントレは6番手に下がった。その後にヴェルトラ、ガロアと続く。ワーケアとサリオスは中団待機。中団より後ろにはインプレッサとフラッグのサトノコンビ。ダーリントンは後方4番手。
4コーナーを通過し、いよいよラストの直線での攻防。マイラプソディが先頭で粘りを見せ、2番手にコルテジア、ディープボンドが3番手で追い、コントレイルは馬場の真ん中に持ち出した。外側にヴァルコスとヴェルトライゼンデ、サリオスは大外だ。残り300mでコントレがマイラプをかわして先頭に躍り出る。サリオスも2番手に上がり、サリオスに接近するが、残り100mでコントレイルが突き放す。後続ではヴェルトラ、ボンド、インプレッサが3番手を争うが、コントレイルが17頭を引き連れて先頭ゴール!コントレイルが完勝でダービー制覇!天国の父・ディープインパクト以来の無敗2冠達成です!
【日本ダービー 全着順】
1着⑤コントレイル 2分24秒1
2着⑫サリオス 3馬身
3着⑥ヴェルトライゼンデ 1馬身3/4
4着①サトノインプレッサ アタマ差
5着⑬ディープボンド 1/2馬身
6着⑪ガロアクリーク
7着⑦ブラックホール
8着③ワーケア
9着⑭マイラプソディ
10着⑧ビターエンダー
11着⑤サトノフラッグ
12着⑩コルテジア
13着⑨ダーリントンホール
14着⑰ヴァルコス
15着④レクセランス
16着⑯マンオブスピリット
17着⑱ウインカーネリアン
18着②アルジャンナ
【払戻金】
単勝 ⑤ 140円
複勝 ⑤ 110円 ⑫ 140円 ⑥ 520円
枠連 3⃣-6⃣ 240円
馬連 ⑤-⑫ 270円
馬単 ⑤-⑫ 350円
ワイド ⑤-⑫ 170円 ⑤-⑥ 790円 ⑥-⑫ 1,830円
3連複 ⑤-⑥-⑫ 2,480円
3連単 ⑤-⑫-⑥ 5,140円
やはりコントレイルは強い!単勝1.4倍の圧倒的1番人気にしっかりと応えてみせました。皐月賞でアタマ差で退けたサリオスに、3馬身差をつけての圧勝でした。サリオスも大外から追い込んで、一度はコントレイルに迫ったんですが、残り200mを切ったところで突き放されました。人気上位2頭の決着となりましたが、これで勝負が付きました。
3着争いでは10番人気のヴェルトライゼンデが入り、サトノインプレッサが4着。インプレッサはNHKマイルカップから中2週での参戦でしたが、内側から良い脚を伸ばしました。坂井瑠星騎手もダービー初出場とは思えない見事な騎乗ぶりでしたね。3番人気だったワーケアは8着、4番人気のサトノフラッグは11着という結果でした。
コントレイルはこれでデビューから5戦5勝、GⅠ競走も通算3勝目。鞍上の福永祐一騎手は、2018年のワグネリアンに次いでダービー2勝目。矢作芳人調教師は、2012年のディープブリランテ以来のダービー勝ち。馬主の前田晋二さんは2013年のキズナ以来となる当レース2勝目。生産者のノースヒルズはキズナ、ワンアンドオンリーに次いで、当レース3勝目。また、ディープインパクト産駒は日本ダービー3連覇、通算でも6勝目です。
フジテレビの福原アナの言葉通り、このダービーはコントレイルのためにあったようなものでした。序盤から前の位置につけ、最後の直線では馬場の真ん中から突き抜けての圧勝。同じノースヒルズのコルテジアとディープボンドも良いアシストをしてくれたと思います。無敗での春クラシック2冠は史上7頭目で、父子での無敗2冠はシンボリルドルフ&トウカイテイオーに次いで史上2組目となります。
福永騎手はレース後のインタビューで「菊花賞に向かう」と明言。ここまで来たら三冠獲るしかないでしょ!トウカイテイオーが成しえなかった「父子三冠馬」の偉業、それを無敗で達成してほしいですね。
今年の春のクラシック競走は、デアリングタクトが4戦無敗で牝馬2冠を果たし、コントレイルも無敗で牡馬2冠を達成。同じ年に牡馬と牝馬の無敗2冠馬が同時に誕生するのは、おそらく初めてではないかと思います。こんな凄い事なのに、無観客開催なのが正直悔やまれる。ああ、コロナが憎い・・・。