本来ならばゴールデンウイークで大賑わいのはずでしたが、今年は新型コロナウイルスの影響で「ステイホーム週間」、「GW=がまんウィーク」となりました。憲法記念日の5月3日は、京都競馬場で伝統の長距離GⅠ・第161回天皇賞・春(GⅠ・芝3200m 14頭立て)が行われました。
「令和初の春天」は、平成最後の春の天皇賞馬⑭フィエールマン、武豊騎手と初コンビ⑧キセキ、阪神大賞典を勝った⑦ユーキャンスマイル、日経賞覇者⑤ミッキースワロー、日経新春杯を制した①モズベッロ、最低人気でダイヤモンドステークスを勝った⑨ミライヘノツバサ、長距離界の新星候補③トーセンカンビーナ、⑩メロディーレーン、②エタリオウなどが参戦しました。
単勝の人気は、1番人気フィエールマン(2.2倍)、2番人気ユーキャンスマイル(5.0倍)、3番人気キセキ(5.3倍)。4番人気以降はミッキースワロー、モズベッロ、エタリオウ、トーセンカンビーナ、④ダンビュライトと続きました。
スタートでトーセンカンビーナと⑪メイショウテンゲンが少し出遅れ、キセキは上手く飛び出した。1周目3コーナーに向かっての先行争いで、ダンビュライトと⑥スティッフェリオの2頭が競り合うが、ダンビュライトがハナを取った。キセキは3番手に控え、4番手モズベッロ、外側5番手から⑬ハッピーグリン。6,7番手の位置にミライヘノツバサとユーキャンスマイルが並走。8番手⑫シルヴァンシャー、9,10番手のところにミッキースワローとエタリオウが並び、その後ろの11番手にフィエールマンが追走する。12番手メロディーレーン、13番手メイショウテンゲン、トーセンカンビーナが最後方。
1周目の4コーナーからスタンド前に差し掛かり、先頭のダンビュライトは最初の1000mを1分3秒台で通過。それほどペースは速くない。キセキは外に持ち出し、スティッフェリオをかわして2番手に上がると、ダンビュライトも抜いて先頭に立った。ユーキャンスマイルは7番手、フィエールマンが中団の8番手に押し上げ、ミッキースワロー10番手でゴール板を通過する。
1,2コーナーを通過して2周目の向正面に入り、キセキが先頭で引っ張る。ダンビュが2番手、フェリオが3番手、ベッロ4番手、5番手ハピグリ。6番手ユーキャン、外側7番手にシルヴァン、フィエールは中団8番手に控えている。内側9番手にエタリ、ミキスワは外側10番手から早くも仕掛けていった。11番手テンゲン、12番手ミラツバ、13番手カンビーナ、メロディーが最後方に下がった。
2度目の外回り3コーナーに差し掛かり、キセキが単騎で逃げ、ダンビュも2番手キープ。離れた3番手にフェリオ、ミキスワは5番手に上がり、ベッロに並ぶ。ユーキャン、フィエール、カンビーナはまだ中団の位置。
4コーナーを回り、最後の直線コースに入ってもキセキがまだ先頭。このまま押し切って復活となるか?後続ではユーキャンスマイルが最内に入り、外からスティッフェリオが追い上げ、ミッキースワローとフィエールマンは大外に持ち出した。残り200mでフェリオがキセキをかわし、ユーキャンがインを突き、さらに大外からフィエールが突っ込んできた。残り100mを切り、フェリオが先頭に立つが、ゴール前でフィエールが徐々に接近し、最後は2頭並んでゴールイン!スティッフェリオが粘ったか、あるいはフィエールマンが最後に捕らえて春天連覇か?
【天皇賞・春 全着順】
1着⑭フィエールマン 3分16秒5
2着⑥スティッフェリオ ハナ差
3着⑤ミッキースワロー 2馬身1/2
4着⑦ユーキャンスマイル クビ差
5着③トーセンカンビーナ 1馬身3/4
6着⑧キセキ
7着①モズベッロ
8着⑪メイショウテンゲン
9着④ダンビュライト
10着②エタリオウ
11着⑩メロディーレーン
12着⑨ミライヘノツバサ
13着⑬ハッピーグリン
14着⑫シルヴァンシャー
単勝 ⑭ 200円
複勝 ⑭ 130円 ⑥ 830円 ⑤ 290円
枠連 4⃣-8⃣ 1,110円
馬連 ⑥-⑭ 5,770円
馬単 ⑭-⑥ 7,410円
ワイド ⑥-⑭ 1,790円 ⑤-⑭ 510円 ⑤-⑥ 5,160円
3連複 ⑤-⑥-⑭ 13,500円
3連単 ⑭-⑥-⑤ 55,200円
令和初の春の天皇賞は、先に抜け出したスティッフェリオと、外から強襲のフィエールマンが並んでゴールしましたが、写真判定の結果、フィエールマンが1着となり、平成最後だった昨年に続いての春天2連覇を達成しました。スティッフェリオはハナ差の2着でしたが、単勝11番人気を覆す激走でテレビの前の競馬ファンを驚かせました。フェリオが先頭に立った時は、大金星かと思ったけどなぁ。
3着には4番人気のミッキースワローが入り、2番人気のユーキャンスマイルは4着。ユーキャンも最内から伸びて来たけど、最後止まっちゃいましたねぇ。
武豊騎手とのコンビで復活が期待されていた3番人気のキセキは6着。前走の阪神大賞典ではスタートで大きく出遅れましたが、この日はゲートから上手く飛び出すことに成功。1周目のスタンド前で先頭に立った後はマイペースで逃げ続けましたが、ゴール残り200mで失速してしまいました。
勝ったフィエールマンは、通算3度目のGⅠ勝利。牡馬のディープインパクト産駒でGⅠ競走を3勝を挙げたのは初めてです。春天連覇は、メジロマックイーン、テイエムオペラオー、フェノーメノ、キタサンブラックに次いで史上5頭目。鞍上のクリストフ・ルメール騎手は、これで天皇賞4連勝。2018年秋のレイデオロから始まり、昨年はフィエールマンとアーモンドアイで春秋連覇、この春はフィエールを連覇に導きました。まさに「令和の盾男」だ。
昨年はクビ差、今年はハナ差。2年続けて接戦で勝利。そういえば初GⅠの菊花賞の時もハナ差だったから、本当に接戦に強いです。3000m級のGⅠ3勝は素晴らしいですし、「平成最後&令和最初」という元号またぎの春天連覇は、ファンの記憶に残ることでしょう。どうか2000~2500m(中距離レベル)のGⅠでも頑張ってほしい。