夏休み最終日の8月31日は、札幌競馬場でサマースプリントシリーズ第4戦・キーンランドカップ、新潟競馬場では2歳馬による重賞競走・新潟2歳ステークスが行われました。昨年は桜花賞馬・ハープスター&皐月賞馬・イスラボニータの2頭のクラシックホースを輩出。今年はどの馬が2015年のクラシックに名乗りを上げるのか?
札幌メイン・第9回キーンランドカップ(GⅢ・芝1200m 16頭立て)は、札幌日刊スポーツ杯で約1年7ヶ月ぶりの勝利を挙げた⑮レッドオーヴァル、高松宮記念2着⑫スノードラゴン、今週復帰した武豊騎手が手綱を取る③スマートオリオン、他にも⑭マジンプロスパー、⑥サンカルロ、⑯フォーエバーマークのベテラン勢、メンバー唯一のGI馬⑦ローブティサージュなどが参戦しました。
スタートで⑤クリーンエコロジーとサンカルロの2頭がダッシュ付かず。それに対してマジンプロスパーとフォーエバーマークが好スタートを切り、内から②フクノドリームも先行争いに加わるが、フォエマーがハナを切り、フクドリは2番手。3番手マジンプロスパー。4番手集団にスマートオリオン、⑨ハノハノ、⑬レオンビスティーの3頭が固まり、ローブティサージュと①パドトロワが7,8番手で並走。中団の9番手に⑩ブランダムール、10番手⑧エイシンブルズアイ、レッドオーヴァルは11番手追走。12番手の位置に④サクラゴスペル、サンカルロ、スノードラゴンの3頭が並んでいる。後方は出遅れたエコロジー、⑪レジェトウショウが最後方。
3,4コーナー中間点を過ぎ、フォエマーとプロスパーの2頭が先頭で並び、外からレオンがおっつけながら接近。オリオンも好位を追走している。最後の直線に入り、フォーエバーマークとマジンプロスパーがまだ競り合い、スマートオリオンも追い上げる。さらに馬場の真ん中からローブティサージュ、ブランダムール、大外からレッドオーヴァルも追い込んできた。残り100mでプロスパーが抜け出すが、真ん中からティサージュが脚を伸ばし、ゴール前でプロスパーを捕らえて先頭ゴールイン!オーヴァルも最後にやって来るも2着まで。
2012年の2歳女王・ローブティサージュ、夏の札幌で完全復活!1着でゴールインした瞬間、三浦皇成騎手が喜びのガッツポーズを見せました。この日は3番人気に支持され、道中は8番手辺りを追走。直線で馬群を割り、鋭い伸び脚でゴール前差し切り勝ちを収めました。ティサージュは2012年の阪神ジュベナイルフィリーズ以来、約1年8ヶ月ぶりの勝利、重賞も通算2勝目を挙げました。鞍上の三浦騎手は2013年のフェアリーステークス以来の重賞勝利を挙げました。こちらも久々ですね。
1番人気だったレッドオーヴァルは大外から追い上げたものの、クビ差及ばず2着。終わってみれば4歳牝馬2頭がワンツーを独占しました。3着のマジンプロスパーは、一旦は先頭に立ったものの、最後にかわされました。でも、見せ場は作れたのではないでしょうか。そして、2番人気のスマートオリオンは7着。落馬負傷から復帰した武豊騎手の勝利は来週以降にお預けです。
新潟メイン・第34回新潟2歳ステークス(GⅢ・芝1600m)には、18頭の2歳馬が集結。1997年の桜花賞馬キョウエイマーチの孫⑦アヴニールマルシェ、メンバー唯一の2勝馬⑮ワキノヒビキ、新馬戦でハープスターばりの末脚を見せた⑰ナヴィオン、他にもサクラバクシンオー産駒の最終世代②ニシノラッシュ、④ミュゼスルタン、①ブリクスト、⑧ヒルノマレット、サクラローレルの孫⑥ギンパリなどが出走しました。
向正面中間辺りからのスタートで、⑫ハナモモが出遅れてしまう。好スタートを切った③カシノハリウッドが先手を奪い、ニシノラッシュ・ワキノヒビキ・⑱グラスエトワールの3頭が2番手グループを形成。その後ろの5番手グループも固まっていて、内からブリクスト・ギンパリ・⑩コメート・⑯テイケイラピッドの4頭が一団となっている。中団の9番手集団にはミュゼスルタン・⑤ラミーロ・⑪トーホウハニー・ヒルノマレットが並び、外から⑭コスモピーコックがグングン上昇。後方グループは、⑬ゴッドバローズ、アヴニールマルシェは15番手。16番手⑨ディアコンチェルト、17番手ハナモモ、そしてナヴィオンはしんがりを追走する。
外回り3・4コーナー中間点を過ぎ、先頭集団はハリウッド・ピーコック・エトワールの3頭。前半800mを48秒台で通過。ミュゼスルタンは中団、アヴニールは後方、ナヴィオンは大外に持ち出した。659mの長い直線コースに差し掛かり、カシノハリウッドが残り400mを切っても先頭で逃げ粘る。ワキノヒビキが最内から追い上げ、間からスルタン、ニシノラッシュ、コメートも来ている。残り200mで今度はミュゼスルタンとニシノラッシュの叩き合い。大外からアヴニールマルシェが末脚を伸ばしてきた!ラスト100mでスルタンが抜け出すが、アヴニールがラッシュをかわし、最後はアヴニールとスルタンが並んでゴールイン!ミュゼスルタンが粘ったか、アヴニールマルシェが最後かわしたか?
来年のクラシックに向けての出世レース・新潟2歳ステークスは、写真判定にもつれ込む大接戦となりましたが、単勝3番人気のミュゼスルタンがアヴニールマルシェの追撃を抑え、今年の新潟2歳チャンピオンに輝きました。優勝タイム1分33秒4は、新潟1600mの2歳レコードです。1番人気だったアヴニールマルシェはハナ差の2着。それでも上がり最速33.0秒をマークしました。3着には6番人気のニシノラッシュが入り、2番人気のナヴィオンは6着に終わりました。
勝ったミュゼスルタンは、父・キングカメハメハ、母・アスクデピュティという血統。母の母であるマルカコマチは、1999年の京都牝馬特別で勝ったことがあります。鞍上の柴田善臣騎手は同レース2勝目で、この勝利で重賞90勝目を達成。管理する大江原哲調教師は重賞2勝目となります。馬主の高橋仁さんは重賞初制覇。ちなみに、高橋氏は脱毛専門サロン「ミュゼプラチナム」を展開する「ジンコーポレーション」の社長を務めています。
新馬戦に続いての連勝を飾ったミュゼスルタン、次走以降は京王杯2歳Sか東スポ杯2歳S→朝日杯フューチュリティステークスへと向かうことになるでしょう。年末の2歳GI、来年のクラシックへ、出世街道を一直線に突き進めるか?
来週でいよいよ夏競馬が最終日を迎えます。9月6日は札幌競馬場で「札幌2歳ステークス」、7日は新潟でサマー2000シリーズの最終戦「新潟記念」、小倉競馬場は「小倉2歳ステークス」が行われます。新潟記念には暫定トップのメイショウナルト、暫定5位・ニューダイナスティ、マーティンボロ、新潟大賞典を勝ったユールシンギング、ラストインパクト、ステラウインドなどが登録しています。「夏の中距離王」の座に就くのはいったいどの馬か?