



ブラジルW杯アジア地区最終予選の第4戦・日本代表VSイラク代表の試合が11日、埼玉スタジアム2002で行われました。ここまで3試合終えて2勝1分け、勝ち点7でグループBの首位に立っているサッカー日本代表ですが、今節は今野泰幸、内田篤人、栗原勇蔵のDF3選手が出場停止となり、守備に不安要素を残しながらイラク戦に臨みます。対戦相手のイラクは、2007年のアジアカップ優勝国で、かつてサッカー日本代表の監督を務めたジーコ氏が指揮官を務めています。約19年前のドーハの悲劇、ザッケローニVSジーコの新旧代表監督対決、何かと因縁のあるイラク戦に勝ち、無敗キープなるか?
第4戦のスタメンはこちら
GK 1 川島永嗣
DF 2 伊野波雅彦
DF 3 駒野友一
DF 5 長友佑都
DF 22 吉田麻也
MF 4 本田圭佑
MF 7 遠藤保仁
MF 17 長谷部誠
FW 8 清武弘嗣
FW 9 岡崎慎司
FW 18 前田遼一
チームの主力である香川真司が腰痛で欠場し、代わりに清武が先発出場。DFは右サイドに駒野、センターバックは吉田と伊野波、左サイドはUAE戦を欠場した長友が入りました。
イラクボールで始まったこの試合、日本は前半1分に右サイドでFKを獲得するが、本田のセンタリングはイラクDFにクリアされます。4分、イラクはアハメド・ヤシーンの右CKをイブラヒムがヘディングシュート。しかし、日本GK・川島が正面で防ぎ、先制点を許さない!11分、日本は左サイドで高い位置にいた長友がペナルティエリア付近からシュートを放って行ったが、GKのパンチングに阻まれます。14分には長友のクロスがDFに当たり、ファーサイドにいた岡崎がシュートをねらうも、上手くヒットできず。15分、右サイドで本田→岡崎が切り返してクロス→清武がフリーの位置からヘディングシュート!しかし、イラクGK・ヌールの好セーブに阻まれる。こぼれ球を清武が拾い、左サイドでクロスを上げ、前田が頭で合わせるもポスト右。立て続けに決定的シーンが続いたが、ゴールを奪う事ができません。
前半20分、イラクはセットプレーでチャンスを掴み、ヤシーンの左CKをフンマディが左足ボレーを放ったが、シュートはゴール前にいた長友の足に直撃したあと、ポスト右に逸れた。大きなピンチを凌いだ日本は25分、右サイドの駒野のスローイン→エリア内に進入した岡崎の左足クロス→最後は前田が頭で押し込み、日本が1点を先制します!
1点を追うイラクは41分、日本のCKを守りきってからカウンターを仕掛け、フンマディのパスを受けたヤシ-ンが左サイドでドリブル突破してから右足シュートを打ったが、GK・川島が横っ飛びで防いだ!日本は前半アディショナルタイムに右CKを清武が飛び込むもクリアされ、セカンドボールを遠藤が拾い、ペナルティエリア手前から右足ミドルシュートを放つが、イラクのGK・ヌールの好セーブに阻まれて2点目ならず。前半は日本が1点リードで終了。
エンドが変わった後半、日本は後半6分に長友が左サイドで相手に倒されてFKを獲得。遠藤がFKを蹴り、岡崎が競り合うも届かず、こぼれたところを本田がシュートするもDFに当たる。イラクは後半7分に味方同士が接触し、バハジャトが顔面を負傷したが、大事には至らず。日本は後半12分にCKから本田が左足シュートを放つもダメ。後半17分には右サイドのFKを本田が狙うも壁に直撃。18分には右CKから吉田がジャンピングボレーシュートを狙ったが、枠を捉える事ができません。
イラクは後半20分にエースのユニスが投入され、その直後に中盤の縦パスに反応して抜け出そうとしたが、伊野波がしっかりと対応します。日本は後半24分、長友クロス→本田が頭で合わせたが、わずかにバーの上。
34分、イラクはユニスがスルーパスから抜け出しチャンスかと思われたが、オフサイドの判定を取られる。しかし、ユニスはオフサイドに気付かずそのままシュートまで持ち込んだ。日本はその1分後、左サイドで清武がクロスを上げ、本田がゴール中央でダイビングヘッドを放つが、GKの好守に阻まれて追加点ならず…。38分には遠藤の左CK→伊野波がこぼれ球を拾うも、シュートは大きく外れる。イラクは後半42分、途中出場のケッラルがミドルを放ったが、GK川島が正面で抑えた。結局試合は1-0のままタイムアップ。日本がイラクに勝利し、最終予選3勝目を挙げました。
DFが3人も出場停止、試合直前になって香川選手が欠場と不安要素がありましたが、日本が前田選手の1点を守り切りイラクを下しました。課題の守備では、失点されてもおかしくないような場面が何度もありましたが、川島選手が好プレーを連発し、後半途中から入ってきたエースストライカーのユニスを封じました。これで日本は4試合終えて3勝1分け。勝ち点10でグループB首位をキープ。オマーン戦、ヨルダン戦のようなゴールラッシュも無く、イラク相手に苦しんだけど、勝てばそれでOK。5大会連続のW杯出場にまた一歩前進しました。
この試合唯一の得点を挙げた前田選手は、この最終予選で3得点目と絶好調。ゴールのシーンでは、岡崎選手の左足クロスから、完全フリーになっていた前田選手が頭で上手く合わせました。アシストした岡崎選手の動き出し、アウトサイドで蹴ったクロスも完璧でした。この日は結構動きまわり、キレキレだったと思います。香川選手の代役で出場した清武選手は、前半に惜しいヘディングシュートを見せれば、後半にはクロスでチャンスを作りました。ザッケローニ監督も「よくやった。いい選手だ」と合格点を出してました。ゴールかアシストが決まっていれば、さらに評価は上がってたのにな~。
敗れたイラクは、格下とは思えないほど強かったです。イブラヒム選手のヘッドは枠を捉えていたし、ハンマディ選手の左足シュートはあわや入るかと思われました。それにヤシーン選手の個人技も素晴らしかった。何度も日本のゴールを脅かしたので、もしかしたらオーストラリアより強いんじゃないかという印象を受けました。日本は来年の6月にはもう一度イラクと戦いますが、次はもっと苦戦するんじゃないかと思います。
最終予選も4試合が終わりましたが、日本はここまで4戦無敗で勝ち点10。試合数の関係もあるけど、ぶっちぎりの首位ターンは結果的には上々といえます。ホームの試合では3戦合計7得点を挙げて3連勝、大荒れの試合となったアウェー・豪州戦では貴重な勝ち点1を挙げました。後半残り4試合はアウェー戦が3試合も含まれています。アウェーの試合で勝ち点3を獲得できれば、W杯本大会出場にグッと近づくでしょう。後半戦も気を引き締めて、無敗で首位通過を決めてほしいなと思います。




