日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

フェザー級で完全復活!長谷川穂積が2階級制覇!

2010年11月27日 | Sports

ボクシングのWBCダブル世界タイトルマッチが26日、名古屋市の日本ガイシホール(旧レインボーホール)で行われました。バンタム級で10度の防衛を果たした長谷川穂積選手(真正ジム)が、再起戦となる今回の試合で、2階級上のフェザー級王座決定戦に挑戦。そしてスーパーフェザー級タイトルマッチには元フェザー級王者・粟生隆寛選手(帝拳)が登場。両者とも2階級制覇なったのか。


WBCスーパーフェザー級タイトルマッチ ビタリ・タイベルト(ドイツ)VS粟生隆寛(日本・帝拳)
現王者でこの試合が2度目の防衛戦となるタイベルトは、ドイツで初めて中量級の世界王者になった選手であり、アマチュア時代はアテネ五輪で銅メダルを獲得。一方の粟生は昨年3月にWBCフェザー級王座に輝きましたが、4ヶ月後の初防衛戦で敗戦。1年4か月ぶりの世界戦で2本目のベルトを狙います。
試合は序盤から打ち合いとなり、粟生が相手の右フックを合わせるように左カウンターを叩きこみ、さらにボディ攻撃で優勢に進めます。迎えた第3ラウンド、タイベルトが左フックを出そうとしたところ、粟生の左ストレート一閃!モロに食らったタイベルトはダウン。王者からダウンを奪った粟生は、KOを狙おうとその後もラッシュを仕掛けたが、タイベルトが凌ぎ切りこのラウンドでのKOならず。
追いかける立場となったタイベルトは4Rから巻き返しを見せ、パンチが相手の顔面を捕らえる場面がありましたが、粟生はディフェンスでかわして大きなダメージはなし。6Rに粟生のパンチにより王者の左目に出血が見られる。後半に入ると、粟生が果敢な攻めで王者をロープに詰め、8Rには右フックでまたも相手を出血させると、9Rにはカウンターの左フックでぐらつかせます。粟生は12ラウンドまで攻め続け、勝負は判定へ。採点の結果、①115-112、②117-112、③116-110の3-0のユナニマスディジョンで粟生が新チャンピオンに輝きました。


WBCフェザー級王座決定戦 長谷川穂積(日本 WBC2位)VSファン・カルロス・ブルゴス(メキシコ WBC1位)
再起戦が世界戦となる長谷川、飛び級での2階級制覇で復活をアピールできるか?対するブルゴスは25戦25勝無敗・18KOのハードパンチャーです。
1R、ブルゴスが果敢にパンチを出すが、長谷川はうまくかわし続ける。1分50秒過ぎに長谷川の左ボディが決まると、2分4秒には右フックがブルゴスの顔面を捕らえ、長谷川が最初のラウンドをモノにします。
長谷川は2ラウンドに左ストレートでブルゴスをロープまで飛ばし、さらにブルゴスのジャブに合わせて右フックを叩きつけます。終盤に差し掛かると、長谷川のフックとボディ攻撃でブルゴスがバランスを崩す場面も。
3R、長谷川の左パンチがブルゴスのボディと顔面を捕らえる。ブルゴスは打ち合いの中で左フックがヒット。長谷川は残り1分で右フック、残り20秒で連打が決まった。残り10秒でブルゴスのアッパーを貰ったが、あまり効いていない。
4Rは両者とも手数を出し合い、ブルゴスがアッパーを出すと、長谷川は左のパンチで対抗。残り30秒で長谷川がラッシュでブルゴスをロープに詰める。会場も「穂積コール」で長谷川にエールを送る。4ラウンドまでの採点では、3-0で長谷川リード。
5ラウンド、劣勢を強いられているブルゴスが前に出て長谷川をロープに追い込む。しかし、長谷川はパンチで押し返す。1分22秒、長谷川の左アッパーが決まると会場は大歓声。残り40秒で再び左パンチが決まる。6Rも長谷川がブルゴスのボディと顔面を打ち分け、ブルゴスの大きなパンチもひらりとかわします。
7ラウンド、長谷川は40秒過ぎてからコーナーに背負われると、ブルゴスの連打を浴びてしまいます。さらに長谷川のピンチは続き、左フックを浴びる。残り1分近く、左アッパーを喰らうとぐらついてしまう。8ラウンドには偶然のバッティングで長谷川の右目が出血し、ブルゴスに減点1が入った。
終盤に入った9ラウンド、長谷川がブルゴスにプレッシャーをかけると、ロープまで詰めた後に左のパンチ。その後も長谷川のパンチがブルゴスの顔を捕らえる。10ラウンドには長谷川の左でブルゴスの体が吹っ飛び、動きの鈍い相手に左の有効打が次々と決まる。11ラウンドもブルゴスが立ち上がりから前に出るが、長谷川は足で距離を取る。ロープに背負われてパンチを浴びても、左を打ち返す。終盤に長谷川が左フックを放つ。
そして最終ラウンド、序盤から両者とも激しく打ち合い、45秒過ぎに長谷川の左ストレートがブルゴスの顔面にヒット。ブルゴスは強いパンチを出して逆転KOを狙うが、空振りが続く。長谷川は左右のショートパンチをコツコツ当て続ける。最後はブルゴスをロープまで詰め、連打で試合終了。勝負の行方は判定へ。判定の結果、①116-110、②117-110、③117-110。3-0で長谷川が新チャンピオンに輝き、2階級制覇を達成しました!


というわけで、今回のダブルタイトルマッチは、長谷川選手と粟生選手が共に2階級制覇の快挙を果たしました。2階級制覇は国内で9人目、飛び級での2階級制覇は長谷川選手が初めてとなります。この2人は普段から親交が深く、粟生選手が長谷川選手を兄のように慕っているそうです。この日は弟分が先に決め、その勢いに兄貴分が続きました。
長谷川選手は今年4月のバンタム級タイトルマッチでフェルナンド・モンティエルに4RTKO負けを喫して王座陥落、10月にはガン闘病を続けていた母親の裕美子さんがこの世を去ったりと人生で一番辛い1年でした。バンタムから3.6キロ重いフェザーに転向、再起戦でいきなり世界戦、無敗の挑戦者といろんな不安があったんですが、それらの不安を克服しての王座獲得で完全復活をアピール。この勝利は天国のお母さんが一番喜んでいるはずです。
バンタム級時代は、早い時間帯でのKO勝ちが何度も見られたんですが、この日は一打一打に力がこもっていました。途中苦しい展開もありましたが、左のパンチがうまく入り続けました。試合後のインタビューでは「フェザー級ではなかなか倒れなかった」と反省の弁を口にしていたそうで、フェザー級の難しさを実感したと思います。今後は日本ボクシング界のエースとして、フェザー級でも防衛回数を多く積み重ねてもらいたいですね。
スーパーフェザー級王座になった粟生選手は、3ラウンドに奪ったダウンが最終的に勝利につながり、終始タイベルトを攻めまくりました。スーパーフェザー級には内山高志選手がWBA王者になっており、メジャー2団体で日本人王者が独占する形に。もしも内山選手と粟生選手の統一戦が実現したら、どんな試合になるんだろう…。



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