1月最後の日曜日となった25日、東京では大相撲初場所の千秋楽、大阪は大阪国際女子マラソンが行われ、初場所は復帰した朝青龍が14戦全勝で白鵬との横綱対決、マラソンでは復活劇が起こりました。
世界陸上ベルリン大会の代表選考会を兼ねた大阪国際女子マラソンは、渋井陽子選手が昨年11月の東京国際に次いで連続参戦すれば、日本最速のオカン・赤羽有紀子選手、小出軍団からの刺客・脇田茜、2007年大会の優勝者で世界陸上3大会連続出場を目指す原裕美子選手が出場。海外勢からは大阪3連覇のリディア・シモン、エチオピアのワークネシュ・トラなどが参戦しました。
スタートからスローペースで進み、シモンが16人が先頭集団を引っ張る形で5キロを17分25秒で通過します。10キロまでの間、脇田や赤羽も前を行き、10キロを34分32秒とこの5キロを17分06秒とペースアップ。集団では吉田香織が6キロで離脱、藤川亜希が11.5キロ過ぎに転倒→17キロ過ぎに遅れてしまいます。先頭集団はシモンが依然として先頭をキープ、20キロを1時間9分10秒、中間点では1時間13分とやや遅いペースで通過していきます。
集団にいる選手たちが牽制しあう中、24キロ過ぎにレースの流れが変わり、ドゥルセ・ロドリゲスが遅れると、25キロ過ぎに赤羽が前に出ると共に集団が縦長になり、脇田が集団から遅れだします。28キロで渋井が前に出ると、赤羽も追走。前半引っ張ってきたシモンが先頭から遅れ、30キロ過ぎに渋井と赤羽の一騎打ちとなります。大平美樹や原も追走するが、前を捉えることができず扇まどかと3位争いを展開。そして32キロ、渋井が一気にスパートをかけ、赤羽との差をどんどん広げていきます。渋井は35キロを2時間0分7秒で通過、赤羽は25秒差の2位で35キロを通過するが、苦しい表情を見せ続けるようになりました。
渋井と赤羽の差はこの後も広がり続け、37キロ付近で270m、40キロ手前では約400メートル、先頭の渋井は40キロを2時間16分39秒、赤羽との差を1分25秒差と大きく離して長居スタジアムをトップで入ると、最後まで失速することなくゴール。渋井陽子が8年ぶり2度目の大阪国際優勝、ベルリン世界陸上の代表入りを決めました。
最終成績
1 渋井陽子(三井住友海上) 2時間23分42秒
2 赤羽有紀子(ホクレン) 2時間25分40秒
3 原裕美子(京セラ) 2時間26分57秒
4 大平美樹(三井住友海上) 2時間27分08秒
5 シモン(ルーマニア) 2時間27分14秒
6 奥永美香(九電工) 2時間27分16秒
7 ワンジル(セカンドウィンド) 2時間27分38秒
8 扇まどか(十八銀行) 2時間27分56秒
9 脇田茜(豊田自動織機) 2時間31分16秒
10 尾崎朱美(セカンドウィンド) 2時間32分09秒
渋井選手が2位に約2分の差で2度目の優勝、2004年のベルリンマラソン以来約4年4ヶ月ぶりの優勝で通算3勝目を飾りました。赤羽選手は初マラソンながら2位と健闘。2007年優勝・原選手が3位、4位の大平選手まで日本勢が独占。大阪3勝のシモン選手は5位、同じく初マラソン・脇田選手は9位に終わりました。
渋井選手は前半大きく飛び出して、後半30キロ過ぎに失速して自滅するというレースが続きましたが、今回は集団の中でレースを進め、30キロ前に先頭を引っ張り、赤羽選手との一騎打ちからスパートをかけました。30~35kmのスプリットが16分11秒、5キロ毎で17分台というスローペースから一気に1分以上ペースアップ。初マラソンの赤羽選手に対し、渋井選手はマラソン経験が豊富、それに大阪のコースを知り尽くしていたことも大きかったんじゃないかと思います。ベルリンでも今回のようなレース運びをすればメダルor入賞できるはずです。本当に苦しい結果が続きましたが、今回の優勝で完全復活をアピールしたことでしょう。ベルリンでも持ち前の明るさを見せ付けてください!
両国国技館で行われていた大相撲初場所もついに千秋楽。左ひじの負傷で3場所連続休場、初場所で進退を懸けていた朝青龍ですが、14戦全勝で千秋楽を迎えました。千秋楽の相手は東の横綱・白鵬。昨年の夏場所以来4場所ぶりの対戦となります。4連覇を目指す白鵬にとっては負けられない一戦で、勝てば1敗同士での優勝決定戦に持ち込めます。
制限時間いっぱいの瞬間、朝青龍はいつものようにまわしを叩いて気合を入れたのに対し、白鵬はクールな表情。立ち合いで朝青龍が早く動くと、白鵬は両差しから一気に寄り倒し!横綱の意地を見せた白鵬、朝青龍の全勝優勝を阻止して優勝決定戦に持ち込みました。数十分後、14勝1敗・横綱同士による優勝決定戦。本割でも白鵬が返り討ちか、それとも朝青龍のリベンジか?運命の一番は、朝青龍が立合いを制すると、左手でまわしを取って左四つ、右の前まわしを取るとそのまま白鵬を寄り切って勝利。朝青龍が力士生命をかけた初場所を復活優勝で飾りました。
朝青龍は通算23度目の幕内最高優勝、昨年の春場所以来5場所ぶりの優勝でした。23回の優勝回数は、貴乃花を抜いて歴代4位となりました。優勝インタビューで「私は帰ってきました」と涙声で復活をアピール。その涙は優勝できた嬉しさもあれば、出場停止&ひじの痛み&進退問題と苦しい時期から解放されたこともあるでしょう。場所前は稽古不足と勘が鈍っていることで優勝は厳しいんじゃないかと思いましたが、危ない場面もあったものの14日目まで連勝が続きましたね。やはり朝青龍は強かったです。次の春場所は久々の東横綱、第2次黄金時代の到来となるのでしょうか?
白鵬は初日から9連勝でしたが、10日目に日馬富士に敗れて初黒星、朝青龍に勝ったものの決定戦で敗れてしまいました。安馬から改名した新大関の日馬富士は、8勝7敗の成績で勝ち越しを決めましたが、成績面でほろ苦い大関デビューとなりました。初日に4連敗を喫した後、10日目から5連勝と巻き返して勝ち越し、この日の千秋楽では把瑠都と対戦、把瑠都の怪力の前に成す術無くつり出しで黒星となりました。春場所は初場所以上の活躍に期待したいです。