第39回全日本大学駅伝対校選手権大会は、26チーム(25校+東海学連選抜)が参加、熱田神宮~伊勢神宮までの8区間106.8キロで争われ、前回優勝の駒澤大学が5時間16分21秒で2年連続7度目の優勝を遂げました。
今回の大会は、伊勢路では3年ぶりの出場、先日の出雲大学駅伝で3連覇を果たした東海大学が優勝候補の最有力、他にも順天堂、日本体育大学、日本大学などがシード権を争う戦いになりました。
レースは1区で日本大学のダニエルがスタートから先頭に立つと、他校を大きく引き離しにかかります。広島経済大学のガンガ、第一工業大学のグギ、駒大の豊後友章の3人が第2集団を形成、東海大学の皆倉一馬は一時15位まで大きく出遅れてしまいます。日大のダニエルは最後まで独走、2位に1分以上引き離して第1中継所をトップでタスキリレー。41分56秒の区間タイ記録を樹立しました。2位には広島経済大、駒澤は同タイムで3位、東海大学は12位でタスキリレー。
2区、7位でタスキを受け取った早稲田大学の竹澤健介が、3キロまでに4人抜き!6キロ付近で駒澤・宇賀地強、順大・松岡佑起と2位争いを演じ始めます。一方、東海大の佐藤悠基は着実に順位を上げていき、5位集団を交わす勢いを見せようとするが、一旦失速してしまいます。首位をひた走る日本大学の2区・阿久津尚二はペースが一向に上がらず、10キロで2位集団との差を30秒まで詰められると、12キロ付近で2位集団に交わされ4位転落。ダニエルの貯金を使い果たしてしまった…。残り500mで、松岡・竹澤・宇賀地の首位争いがヒートアップ!まず松岡がスパート、宇賀地追いつくも届かない、残り数百メートルで竹澤が逆転!早稲田・竹澤が第2中継所を首位でタスキリレー!以下駒澤、順大と続く。東海大の佐藤は終盤で盛り返して5位でタスキリレー。首位との差は38秒。まだ逆転の可能性はあるだろう。2区区間賞争いは、竹澤が37分42秒の区間新記録!松岡は6秒差の2位、佐藤は区間3位に終わりました。
3区、序盤は早稲田・中島賢士、順大・関戸雅輝、駒澤・池田宗司が首位争いを展開。しかし、5キロ付近で駒澤・池田がスパート!2位以降をグングン引き離す!池田は第3中継所をトップ通過、2位早稲田を50秒差まで拡げる見事な走りを見せました。東海大学は6位と順位を下げ、駒澤との差を1分6秒まで拡がってしまった。そして振り向けば7位・第一工業大。その差は7秒。優勝争いどころかシード権獲得できない可能性も出てきたか?
4区、駒澤大学は独走態勢に突入。後方ではもの凄い選手が現れます!第3中継所を9位でタスキを受けた中央大学・上野裕一郎がごぼう抜きショー!5キロ過ぎには5位まで順位を上げると、8キロ前で東海大・荒川丈弘を抜いて3位浮上。9.5キロで早稲田・駒野亮太を交わし2位に躍り出る!7人抜きを見せた上野は2位でタスキを渡しました。もちろん区間賞を獲得!Nice run!
完全に独り旅となった駒澤大学は、5区・高林祐介、6区・平野 護、7区・星 創太が2位に2分以上引き離し、アンカーの堺晃一が連覇への道をひた走ります。
7区、首位を行く駒大のアンカー・堺は、余裕の走り。そんな中、2位以降とシード権争いはヒートアップ!第7中継所通過時点で2位中央大はアンカーに平川信彦、3位早稲田は加藤創大、4位日体大は北村聡、5位・東海大学は伊達秀晃が登場!そして山梨学院大・モグスは、首位から9分30秒以上、6位から4分10秒差の13位でタスキを受け取った!
まず、日体大・北村が早稲田を抜いて3位浮上!4.4キロで伊達が4位浮上、モグスは8キロ通過時点で5人抜き!シード権獲得まであと2人。10キロ手前で中央学院を交わして7位まで上げて来たモグス、凄過ぎる!北村は10キロ過ぎに平川と2位争いを展開すると、12.5キロでスパートをかけ単独2位。一方のモグスは、16キロ通過時点で6位・日大との差を50秒近くまで差を縮めてきた!これは逆転できるかも!
首位の駒澤は、後続の目まぐるしい上位争いを「そんなの関係ねえ」と言わんばかりの走りでゴールの伊勢神宮を目指していく。そして、アンカー堺が伊勢神宮をトップでゴール!2年連続7回目の大学日本一に輝きました。終わってみれば2位日体大を2分30秒以上引き離す圧勝劇でした。
3位には中央大学、2冠を目指した東海大学は4位で終了。竹澤の区間新があった早稲田は5位フィニッシュで名門復活に一歩前進。そして6位、シード権最後の獲得チームは山梨学院大学!モグスがゴール目前で日大を交わし、4分差をひっくり返す大逆転!なんと自らの持つ区間記録を1分近く上回る55分32秒の区間新記録!7位ゴールの日本大学は6秒差でシード権獲得ならず。むしろ奪われた感じでした。
最終成績
1 駒澤大学 2 日本体育大学
3 中央大学 4 東海大学
5 早稲田大学 6 山梨学院大学
7 日本大学 8 大東文化大学
9 拓殖大学 10 中央学院大学
11 順天堂大学 12 城西大学
13 第一工業大学 14 立命館大学
15 京都産業大学 16 日本文理大学
17 長崎国際大学 18 高岡法科大学
19 愛知工業大学 20 四日市大学
21 東北福祉大学 22 広島経済大学
23 関西大学 24 札幌学院大学
25 広島大学 オープン参加 東海学連選抜
前回の箱根駅伝優勝チームで一時は首位争いに加わった順天堂大学は、4区以降失速し11位、箱根駅伝予選会を1位で通過した中央学院大学は10位、2位通過の城西大は12位に終わりました。関東勢以外では、第一工業大が13位、立命館14位、今大会唯一の初出場校・長崎国際大は17位でした。
私の母校である大東文化大学は、1区8位スタートでしたが、2区以降は2ケタまで順位を下げました。しかし、アンカーの佐々木悟選手が区間3位の力走を見せ、最終成績を8位で終えました。名門復活はまだ難しいですが、箱根駅伝ではシード権に返り咲いて「大東大復活」をアピールしてほしいと思います。
さて、今回は駒澤大学の圧勝で終わりました。今季の駒大は2年生中心でスーパーエース不在、出雲では4位と完敗でしたが、伊勢路では1区3位、2区2位、3区で首位に立つと、その後は首位をキープ。ライバル東海大を抑えての連覇達成でした。箱根駅伝で総合7位だったときは、「駒澤は終わった」と思いましたが、今日のレースを見てまだまだ終わらないだろうと思います。ただ、本当の勝負は来年の箱根駅伝。3年連続で惨敗だったら本当に終幕を迎えるに違いありません。黄金時代復活のためには、総合優勝するしかないでしょう。箱根でも今日のような総合力を見せられるのか期待したいです。