かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

大御所の自筆原稿発掘さる! なんてニュースが成立するのは、いつまでなんでしょうね

2017-06-23 22:12:01 | Weblog
 今朝の最低気温は18.6℃、最高気温は32.6℃でした。今日はよく晴れた蒸し暑い一日でした。そんな中、仕事で大阪府茨木市のとある会社まで出向いてきましたが、雨が降らなくて助かりました。この天気も明日までで、明後日からはいよいよ雨が降り出す模様です。どうやら季節は夏に向けて大きく一歩踏み出してきそうですね。

 さて、司馬遼太郎の自筆原稿の一部が東京の古書店で見つかり、古書店から連絡を受けた記念館が鑑定し買い取った上で、今日、大阪府東大阪市にある司馬遼太郎記念館(大阪府東大阪市)が詳報を発表しました。内容は、代表作「竜馬がゆく」最終回の連載5回分23枚と、「坂の上の雲」の第1回の連載6回分24枚、計400字詰め原稿用紙47枚とのことです。どちらも現存しないと思われていたもので、随分推敲を重ねた苦心の跡が残る貴重な発見とのことです。
 それにしても、見つけた古書店が大したものだと思います。某大手チェーン店だったらただのゴミ扱いだったでしょうが、貴重な一点ものがこうして焼却炉に叩き込まれること無く後世に残ったのですから、まさに大金星と言えるでしょう。
 しかし、400字詰め原稿用紙に手書きで小説を書くなんて、私も随分、随分前はそうでしたし、大学生の頃の原稿はなにげに取ってあったりもしますが、今更やろうとしてもとてもできるものではありません。と言うか、現代において、プロ・アマ問わず、作家と名乗るヒトで原稿用紙を使って万年筆等で文字を連ねているヒトが一体何人いるのでしょう? 私は大学卒業後も、しばらくは手書きでないとどうも書きづらく、せっかく買ったPCとワープロソフトも単なる清書機械としか扱っていませんでしたが、いつの間にか原稿用紙を使わなくなり、PCのテキストエディタで片付けるようになってました。司馬遼太郎はこうして見つかればニュースになるほどその手書き原稿は貴重なものとされますが、例えば100年後の未来において、同じようにニュースになって騒がれるような作家が現在現役で存在するのでしょうか。まあ同時代では判らないことなのかもしれませんからそのことはひとまず置くとしても、原稿が手書きされない時代の作品においては、将来初稿の生原稿が発掘されることも無いでしょうし、その推敲の跡を追う、なんていうこともまずできないでしょう。そういう意味では、今のこの便利な機械が、歴史的価値を無意識に損なう事になっているのかもしれません。そう考えるとちょっともったいない気もしますが、少なくとも私の原稿なら100年たっても大した価値は産まないはずですから、個人的には比較的安心してキーボードを叩いていられます。

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