シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ゴールデンスランバー

2010-01-21 | シネマ か行
試写会に行ってきました。

原作は読んでいません。原作を読んだ人とはまた違う感想かもしれませんが、ワタクシは面白かったと思います。

後半に向かうにつれてどんどんお笑い度が増していくんだけど、それはわざとなのかな?初めの森田吉岡秀隆と青柳堺雅人のやりとりはすごくシリアスだったし、カズ劇団ひとりのところに逃げ込んで、一旦捕まるまではかなりシリアスモードだったと思うんだけど、キルオ濱田岳という助っ人が登場するところくらいからかなー、どんどん笑いの部分が増えていく。最初のほうで観客の興味をぐっと惹いてから、少しずつ笑いを入れていくっていうのはこういう作品では悪くない手法かもしれませんね。最初から笑いの要素が多いとただのコメディみたいになっちゃいますもんね。

さて、この首相暗殺犯に仕立て上げられた男・青柳の逃走劇なんですが、随分色んなところで色んな人に助けられます。その色んな人っていうのが、都合のいい特技を持っていたりして助かるわけですが、そういうところはあんまり突っ込んでも仕方ないかなと。バッテリー入れただけで10年以上ぶりに動くオンボロの車も(てか、カローラのバッテリーの型は変わってないの?)、それだけ放置していてもインクが出るボールペンも検問にひっかからないのも、あの花火もまぁいいかと思えてしまいました。ただ、あの花火に関しては一発どーんとデカいのがあがるだけっていうほうがまだリアリティあったかな。一発だけで十分逃げられただろうし。あんなに派手に打ち上げちゃったもんだから返って気持ちがしらけてしまった。

“ゴールデンスランバー”に関しては原作だともうちょっといい感じで使われるのかなぁ。映画のほうだけだと、別にこの楽曲のことなんてどうでもいい感じがしたけど。主人公と大学時代を結びつける要素っていうくらい?カズが言う「あの頃は帰る場所があった」とかいうセリフなんかも別にこの陰謀には何の関係もないしな。

結局、この陰謀が誰によって画策されたのか、おそらく現首相?ってくらいは分かるけど、あそこまで警察組織を巻き込んでの大掛かりな陰謀を企てる必要性っていうのが明確にされないし、どうして青柳が選ばれたのかっていうのもよく分かんないまま終わってしまうのが少し残念だった。でも、生き延びたあとの最後のエピソードが良かったからちょっとごまかされちゃったよ。ちゃんと伏線があって、それが生かされてっていう部分も多かったしね。

登場人物が結構多いんだけど、香川照之は憎々しいまでの良い演技だし、柄本明もいつもながらいいね。運送屋の先輩を演じてた渋川清彦っていう役者さんはワタクシは知らないんだけど、すごくいい味の演技してたね。あーいうタイプじゃない役もうまいのかな?ちょっと永島敏行がターミネーターみたいで笑っちゃったな。日本人なのに、ジョントラボルタ並みの体と顔のデカさ。伊東四朗さんは大好きなタレントさんなんだけど、あーいう親父役がやっぱ天下一品だよね。最後にお母さんは誰だろうってちょっとワクワクしていたら、木内みどりが登場して最後の最後に思わぬご褒美だった。


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