シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ナビィの恋

2006-07-20 | シネマ な行
ワタクシは母方から沖縄の血を受け継いでいる。母親も大阪生まれだし、ワタクシ自身のアイデンティティは完璧に「大阪人」なのであるが、母方の祖父母のアイデンティティは完全にうちなんちゅうであり、沖縄に親戚も多いからやはり沖縄には特別な思い入れを持っている。

この「ナビィの恋」、沖縄のおばあの話である。NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」で沖縄ブームというのがあったが、そのときこのおばあ平良とみさんも全国的にかなり有名になった。その平良とみさんが主役である。

60年前に引き裂かれた恋人同士が再会するという途方もないこのお話。すべてが沖縄テイストでとってもかわいらしい。おじいとおばあの会話は字幕ナシではまったく何を言っているか分からない。ワタクシは子どもの頃聞いた祖母とその妹の会話を思い出した。彼らの話す琉球言葉はワタクシたちには理解不能なものであるが、今の世代が話す沖縄弁もすべてのイントネーションなどがワタクシにはとてもなつかしい響きのあるものだった。

そういう個人的な思い入れもあるので、自然とこの作品がいい作品に思えてくるのだけど、島の人たちの占いに頼ったり、家系が途絶えるということに真剣におびえたりするところはいかにも沖縄らしくて、孫の奈々子西田尚美が「だから、この島は嫌い」と言うのも大きくうなずけた。おじいやおばあのキャラクターもとても沖縄の人っぽい感じが出ていてかわいかった。

最後は愛している人とアイシテルランドに旅立つおばあだが、おじいはどうするの?という孫の問いに「おじいはまだ若いから大丈夫さぁ」と言うところがまたまたかわいくて、おじいには悪いけど60年間も離れ離れだったんだから、もう添い遂げさせてあげてと思っちゃった。そこんとこ、実はおじいもちゃーんと知っていて自分だってつらいだろうに、止めずに行かせてあげるんだよねー。いやー、おじい、かっこいいよー。


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