シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ホビット~竜に奪われた王国

2014-03-11 | シネマ は行

前作「ホビット~思いがけない冒険」から1年以上が経って忘れているところがある状態で見に行くのはイヤだったので、1作目をレンタルで見直してから行きました。

今回は3部作の真ん中なので、始まりも終わりも中途半端になってしまう運命ですがそれは仕方がないですね。

ビルボマーティンフリーマンがオークを見張っていると、オークと同じように恐ろしい何かを発見します。急いでドワーフたちとガンダルフイアンマッケランに報告すると、ガンダルフに何か心当たりがある様子。みなをとある山小屋へ避難させるガンダルフ。ここは誰の家?と訪ねるとその恐ろしい何か、大きな熊の家だと答えます。実はその熊は人間が巨大な熊に変身するスキンチェンジャーという獣人だと言う。その熊が人間に戻って家に帰って来た。獣人ビヨルンミカエルパーシュブラントはドワーフは嫌いだと言いますが、オークはもっと嫌いだと言い、オークと戦うドワーフを応援してくれます。

ビヨルンの家から一行はスマウグベネディクトカンバーバッチのいるはなれ山へ向かいます。秋の最後の日に鍵穴が分かるということで急いで行かなければならずドワーフたちプラスビルボ一行は、仕方なく近道である闇のエルフの森へ入って行きます。ここでガンダルフは、はなれ山の入口で待ち合わせすると言い別の道へ向かいます。

森でまず襲ってくるのが大きな蜘蛛の大群。ここでふと「あー、アラゴグ出てきたー」って思っちゃったんですけど、それは「ハリーポッター」のハグリットの蜘蛛でした。なんかハリーポッターとごっちゃになってしまうときがあります。ここでビルボが蜘蛛の糸でぐるぐる巻きにされているのが、また「ロードオブザリング」でフロドがぐるぐる巻きにされてミイラみたいになっていたのとシンクロしてました。

ここで一所懸命戦っているビルボとドワーフ一行にエルフの加勢が入ります。タウリエルエヴァンジェリンリリーという女性のエルフとお馴染みレゴラスオーランドブルームの登場です。彼らは原作には出てこないらしいのですが、ピータージャクソン監督が加えたのですね。レゴラスを登場させるというのは完全にファンサービスという感じです。エルフとドワーフは対立しているはずなのに、どうして助けてくれるんだろう?と思っていたら別にドワーフたちを助けてくれたのではなくて自分たちの森から邪悪な勢力である蜘蛛を追い払いたかっただけだったんですね。なので、蜘蛛が去ってからはドワーフたちはエルフに捕らえられてしまいます。ここでの蜘蛛との戦いでビルボは剣に「つらぬき丸」という名前をつけます。あれってビルボがつけた名前だったんですね。

ここで闇のエルフの王スランドゥイルリーペイス(レゴラスのお父ちゃんね。眉毛すごい)がドワーフの王トーリンオーケンシールドリチャードアーミテイジにスマウグが持っている宝石を自分にくれるならここを出してやると交換条件を出したのですが、誇り高くて頑固者のオーケンシールドはその条件を蹴ってしまい、エルフの牢獄に閉じ込められてしまいます。この牢獄でドワーフのくせに男前のキーリエイダンターナーとタウリエルの間にちょっとした恋愛感情みたいなものが生まれますね。タウリエルはレゴラスのことが好きっぽいんだけど、どうやら彼女はエルフの中でも卑しい身分らしくてレゴラスとは許されない仲っぽい。それで気持ちがちょっとキーリに傾いちゃったんですね。と言ってもエルフとドワーフの恋愛がうまくいくとは思えないんですけど。

この時代のレゴラスは「ロードオブザリング」の最初のころのように、ドワーフを馬鹿にしています。ドワーフの一人、グローインピーターハンブルトンが持っている妻の写真を見て「弟か?」と侮辱したり、「こっちの猿は誰だ?」と息子のことを言ったりします。その息子がのちにレゴラスと種族を越えた親友になるギムリなんですね~。これも完全にピータージャクソンのファンへのサービスシーンでしょう。あからさまなサービスではありますが、やはりファンとしては嬉しいものです。

例の指輪を使ってエルフに見えないように牢獄の鍵を奪ったビルボが知恵を働かせて、ドワーフをそれぞれ樽に乗せ川を下って森から逃げるシーンが楽しすぎでした。ずんぐりむっくりのドワーフが樽に入って川を流れていくなんてめっちゃウケました。その一行をオークたちが襲ってきて戦いながら川を下って行く一連のシーンでは、またもやオークを追い払おうとするエルフたちが意図せずドワーフたちを助ける形となっているのがまたこの物語らしいところ。レゴラスがドワーフたちの頭の上に乗って移動していくのがおかしくてたまりませんでした。

川を下ったあとにはドワーフと同じようにスマウグから被害を受けた人間たちの村へ。バルドルークエヴァンスという男に報酬を渡し、村に入れてもらうように交渉します。実はこのバルドという男もワケありで、スマウグを倒すことができる矢を継承する領主の子孫のようです。この村でもオークに襲われるところを実はついて来ていたタウリエルとレゴラスにまたもや助けられます。オークとの戦いで毒の矢が当たってしまったキーリはここに残って傷をいやすことになるのですが、ここに残るか一行と共に行くかでオーケンシールドと揉めてしまいますね。この先、これが変な確執にならなければいいのですが。キーリを治すためにエルフの能力を使ってくれるタウリエル。なんかどんどんええ感じになってるぞー、この2人。

ついにはなれ山にたどり着き、秋の最後の日の夕陽に照らし出されるはずの鍵穴を待ったが、鍵穴は現れずドワーフたちは失望のうちに帰って行こうとしてしまう。ビルボ一人があきらめずその場に残っていると秋の最後の日の光とは月光のことで月が出るとその光に照らされて鍵穴が出現した。ビルボの必死の呼びかけに戻ってくるドワーフたち。スマウグからドワーフの一族の聖なる石アーケン石を取り戻そうとビルボは中へと入っていく。

いよいよ待ちに待ったスマウグとの対決。ここまで長かったー。なんせ上映時間161分ですからねー。そして、ここからもまだまだ続きますよ。スマウグはねぇ、期待通りめっちゃカッコ良かったなぁ。動きとか、目とか鉤爪とか全部。ベネディクトカンバーバッチが声をやるって聞いてからへぇ~スマウグってしゃべるんやーって思ってたんですけど、ビルボとのやりとりが緊張感抜群でドキドキしました。

ドワーフたちはスマウグに金の液体をぶっかけてやっつけようとしたのかな?でも、スマウグはそんなのへっちゃらで…あのまま黄金の竜になるのかと思ったらぶるっぶるっとしておしまいでしたね。スマウグ、人間の村のほうに行っちゃったよー。ビルボが"What have we done?"って言ってたけど、ほんともう人間からしたら、何してくれちゃってるのよ!って感じですよねー。でも人間の村には竜をやっつける矢があるというフラグが立っていましたからね。一か所だけ前の戦いでウロコが取れているところがあるし。次回に向けてまたフラグ立ちまくりですね。

一所懸命ドワーフとビルボの動きを追ってしまいましたけど、この間にガンダルフはネクロマンサー(=サウロン?だよね?)と対決に行ってました。勝ち目なさそうだったなぁ。この辺りからサウロンが徐々に力を増していて、それが「ロードオブザリング」のほうの戦いにつながるってことなんですよね。あ~、これ見てたらまた「ロードオブザリング」見たくなってきた。ネクロマンサーの声もベネディクトカンバーバッチがやってるそうですね。ピータージャクソン監督って役者を使いまわすのが好きだなぁ。

ビルボは指輪を拾ったことをガンダルフに言えないでいますね。あの谷で得たのは"My courage."(勇気)と言うシーンは、courageって言うぞ、言うぞと思っていたら、本当に行ったのでちょっと嬉しかったです。でも、ガンダルフって多分もうビルボが指輪を拾ったこと気付いてますよね?

今回は、エモーショナルなシーンはかなり少なくてアクションに次ぐアクションという感じでした。次々に敵に襲われて常に「逃げろーーーー!!!」って叫んでる感じ。ドワーフって戦うことはできるし、身体も強いけど基本的に「逃げろ!」っていうスタンスなので、そこがまたユーモラスで面白いです。

次回で最終話となるわけですが、やはり原作が短いせいか重厚さという意味では「ロードオブザリング」にはかなり負けてしまいますね。登場人物も少ないし。「ロードオブザリング」では泣けるシーンも多かったけど、今回はそこまでのシーンはないかな。「ロードオブザリング」よりも単純なアクションファンタジーとして見るほうがいいのかもしれません。

オマケ1冒頭のホビット庄のシーンでピータージャクソン監督が画面の左下に登場しますね。監督はいつも自分の作品に登場するのが好きですね。ヒッチコックみたいに。

オマケ2レゴラスの瞳の色があんなに激しいブルーだったけー?と思って「ロードオブザリング」の画像を見直したんですが、やはりあんなにきついブルーではなかったですね。60年前で少し若い設定だからなのかな?エルフにとっての60年なんてあっと言う間のなんじゃないかと思うのですが。