シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

パーフェクトゲッタウェイ

2013-06-05 | シネマ は行

主演がミラジョヴォヴィチということもあり公開時に見たかったですが未見のままでした。先日ケーブルテレビで放映していたので見ました。

ハネムーンでハワイを訪れたクリフスティーヴザーンとシドニー(ミラ)のカップル。幸せいっぱいの2人だったが、ハワイで一組のカップルが惨殺され、犯人は男女二人組だというニュースを知ってから周囲のカップルに疑心暗鬼の目を向けるようになる。

途中でヒッチハイクしてきたケイルクリスヘムズワースとクレオマーリーシェルトンのイカれた言動に脅えつつ、トレイルウォークで知り会ったニックティモシーオリファントとジーナキーリーサンチェスのカップルもなんだか怪しく思えてくる。

めちゃくちゃネタバレしてしまいますが、まー、こういうパターンの作品では最初に怪しく見える人はたいがい犯人ではないわけで、カップルが3組しか登場しないから残るは主人公クリフとシドニーのカップルしかないわけです。しかし、なかなか巧妙に2人の会話が犯人に脅える2人に見えるように作ってあって結構面白かった。

2人が知り合うニックとジーナのカップルの設定がまたうまくて、ニックは特殊部隊だか何だかの出身でものすごい修羅場をくぐり抜けてきたみたいな話を延々するんだけど、それがもうこの人頭のおかしい大ぼら吹きなの?と思えるレベルのものだからこっちもちょっと騙されそうになる。ジーナもジーナでニックが獲ってきたヤギを平気でさばいたりして普通のアメリカ人とは思えない雰囲気。さばいたヤギの頭はいらない、とか言って蹴っちゃうし。

後半30分くらいを残して真犯人がクリフとシドニーだって分かってからのアクションがワタクシは結構面白かった。カメラワークとかカッコ良かったです。ジーナがナイフで刺されたり手の平を撃たれたりする映像が妙にリアルで痛ーーーーっ!って感じだし、シドニーがジーナを襲うシーンなんてもうミラが「バイオハザード」のアリスにしか見えなくて「アカン、ジーナ負けてまう」って思ったけど、ジーナがこれまた強いんだわー。ニックがジーナは強い女だとかって前に言ってたのがよく分かるんだけど、なんでこんなに強いんだろう?彼女も実は特殊部隊か何かの出身でしたって最後に明かしてくれたら面白かったのにな。

実はクリフとシドニーのカップルってのが最初にハワイで殺されたカップルで、ロッキーとシドニーに扮してたミラ(役名忘れた。本名あったっけ?)が殺して成りすましていたってことで、これまでもおそらくそうとうカップルを殺してきてその度にその人たちに成りすましていくつもの人生を生きてきたってことらしい。いやー、このロッキーって奴がかなりイカレた男で、最初、すごく良い人で弱っちそうなクリフを演じているときのスティーヴザーンを見ていたときは、こういう役してるときのスティーヴザーンってうまいよなー。うま過ぎてこっちがイライラしてしまうくらいやわーと思いながら見ていたんですが、彼がイカレたロッキーに変身したときは、そうだー、この人こういう演技させてもうまいんだよなーって思いました。まさか、ミラがバタードウーマンっていうキャスティングは意外でしたね。

まだ2人が真犯人だって分かっていないときの会話で、どう考えてもニックとジーナを疑っている会話が繰り広げられていて、そのあたりの伏線がよく分からなかったので見終わってから巻き戻して見てみました。するとその会話はおそらくニックとジーナに犯人だと見破られたら?とか、監視カメラに写っているのが自分たちだと分かるかどうかっていう会話だったってことっぽかったです。当然わざとまぎらわしい言い方をしているので、分かりにくかったですが、一応矛盾はなかったと思います。

たいていこういうお話では犯人にスポットが当たり過ぎて被害者は結局名もなき被害者になりがちですが、この作品では最後にニックとジーナにスポットが当たったところがまた良かったです。このカップル、なんかチャーミングで好きだったし。

主人公が犯人っていう展開にはもううんざりって人も多いかもしれないけど、97分とコンパクトに収まっているしワタクシは結構好きでした。ブレイク前のクリスヘムズワースがちょっと怖い役で出ています。(日本ではそんなにブレイクしてないか?)