紅白戦にも出場をしないままに二軍に振り分けられた藤岡は、その二軍の練習メニューの一覧に名前はありながらも具体的な練習のところには福浦とともに見当たりません。
どうやら右足膝窩筋腱炎で第一クールは別メニューとのこと、第二クールでは通常メニューに戻れる見込みらしいですが「キャンプに向けてのプロとしての自覚」を重要視している井口監督ですのでさくっと一軍に混ぜるなんてことはしないはず、ですよね、そうなれば外野転向がベストとは言わずともベターだと考えているのでやや微妙ではありますが、「ショートを諦めていない」から「出られるならどこでも」とやや弱気モードになっていた平沢にはかなりなチャンスです。
もっとも昨年もオープン戦の期間中に首痛でリタイア、その間に平沢が結果を残しながらも開幕後は藤岡一色になりましたからどうなるかは分からず、藤岡の復帰状況、そこからの調子次第ではありますが井口監督の選手起用が昨季から変わるのか変わらないのか、のリトマス試験紙にもなるでしょう。
またサードのレアードvs鈴木vs安田がどうなるのか、明日に一軍に合流するっぽい陳冠宇のように活発な入れ替えがあるのか、ないのか、も気になります。
そんなこんなでどうやら自分が雨雲を連れて行ってしまいそうな第二クールに「えっ」と驚くような一二軍の顔ぶれであることを願い、それまでの数日をまったりと見守ります。
まさかの一試合での一二軍振り分けはもちろん目に見える数字だけが判断材料では無いにしても、結局はほぼ最初から決まっていたであろうメンバーとなりました。
12球団最速アーチ、とニュースになった高濱、同じく一発の清田、パーフェクトの田中と土肥が二軍となり、一方で4タコの安田と三木に岡、2失点の松永と高野が一軍ともなれば、これまでの実績と昨季の成績、そして井口監督の嗜好どおりに選ばれたとしか思えず、これであれば何も謳わずにキャンプイン前に振り分けた方がよかったでしょう。
その上でのサバイバル、キャンプ中にもどんどん入れ替えをするとぶち上げれば余計な失望感は生まれず、また選手たちのモチベーション、危機感も上がったでしょう、ベンチは高濱らにどういった説明をしたのか、そもそも説明をしたのか、昨年の井口監督の言動不一致からして予想ができた張りぼてスタートは、昨春の今ごろの期待感とは雲泥の差です。
一二軍の振り分けとは言っても涌井を筆頭にどうせまたベテラン組は別メニューなのでしょうし、何のためなのかすら分からなくなってきました。
もちろん顔ぶれとしては昨季の成績をベースに即戦力と期待されるルーキーを手元で、といったものでしょうから分からないでもないですし、妥当なところではあるのですが、まるでどこぞの総理大臣の「丁寧に」「真摯に」と同じく「フラットな」「競い合い」の言葉で井口監督が自らの首を締めて、そして信頼感を失いつつある、そんな気がしてなりません。
井口監督がキャンプインを前に「ポジション争いが激しくなればいい」と発言をしたとのこと、昨年が昨年ですのでどこかの総理大臣と同じで口先だけじゃないかとの疑念は拭えませんが、サードとライトのポジションはさすがに競い合いはありそうなので謳い文句どおりにフラットな判断をお願いしたいです。
そしてレギュラーがひとまず決まったとしてもそれでまた固定主義を持ち出してしまえば元の木阿弥、シーズンを通して競わせなければチームとしての底上げはできません。
それは他のポジションも同様で、田村至上主義の弊害もありますし藤岡に伸びが無ければ全試合出場などは論外、角中だってあの消極的な守りを何とかしなければDHでバルガスとの席取り争いにすべきでしょう、井上もレアードは他人事ではないはず、そして無意味でしかない点差の開いた試合での出ずっぱりも今年は勘弁です。
野手のことばかりで投手の話が井口監督から聞かれないような気もしますが投手陣も先発、中継ぎともに世代交代が急がれますからこちらも聖域なき競争が必須なわけで、そこは昨年と同じく吉井コーチに丸投げであったとしてもチームの方針として井口監督がしっかりとサバイバルの方針を打ち出してこそでしょう。
一二軍の振り分けを紅白戦で、なんてキャンプ初日からふるい分けが始まりますがまさか一試合だけなのか、第一クールに数試合をやって第二クールで白黒を付けるのか、そのあたりでも井口監督のぶち上げが本物なのかシナリオありきの見てくれでしかないのかが分かるでしょうから、二年目の井口丸は期待と不安が相半ばしての船出となります。