かなり厳しい試合展開でしたが、この勝利は大きいです。
それは3位転落の危機を免れたことではなく、苦労人の大谷に白星がついて両目が開いたという吉事に他なりません。
やはり苦労をした人が報われるというストーリーは心温まりますし、こうでなくっちゃやっていられないでしょう。
今度こそローテーションでしっかりとした間隔を空けての起用となることを、伏してお願いします。
そんな今日の試合は冷静に見てみると、よくぞ大谷が持ちこたえてくれたといった展開でした。
いきなり初回に四球連発でノーヒットでの失点、そして次の回に被弾ですので、流れとしては最悪だったと言ってよいでしょう。
三回こそ三者凡退に抑えましたが味方が逆転をしてくれた直後に無死一三塁のピンチを迎えて、しかしここを抑えきったのは大谷の気迫が相手に勝ったからこそです。
普段は淡々とした大谷が珍しくも雄叫びを上げるかのようなガッツポーズには痺れましたし、心の叫びを聞いたような気がしました。
ピッチングとしては疲れからかボールの伸び、キレともに今ひとつでしたが、非科学的であっても気持ちがプレーに影響をするという実体験もありますので、やはり気迫、気迫です。
とにかく細かいことを抜きにして大谷にはよくやってくれたとスタンディングオベーション、もうそれしかありません。
球場の割れんばかりの拍手が少しでも疲労への癒しになってくれればと、本当に勝ててよかったと心の底から思います。
その高揚感に冷や水をぶちかけられたような、ノースローの願いが虚しい南昌の三連投です。
ロッテの試合という意味では五連投になりますし、これは右肩のリハビリで昨年の一年間を費やした病み上がりのほぼルーキーに対する使い方ではないでしょう。
現状を考えれば大谷の粘りに報いるベストな継投だったのかもしれませんが、それで南昌が壊れてしまっては意味がありません。
この場当たり的なノープランはいったいいつまで続くのか、まさにチキンレースです。
そんな南昌は武器であるはずのカーブがほとんど決まらないのが気がかりで、それでも渡辺監督の薄ら笑いがむかつく難癖や毅然とした態度を見せない審判団の醜態にもめげずにしっかりと抑えたことは財産になるでしょうから、手を抜けとは言いませんが自分を守ることを忘れずにやっていってもらいたいです。
その後は中郷、益田で最後は藪田、これは日替わりの結果なのか益田を見切ったのかは分かりませんが、かなりの冒険で生きた心地がしませんでした。
先日にベテランの意地を見せてもらいましたが、あくまで意地であり投球内容が格段とアップしたわけではありません。
今日もお約束のように劇場の幕を上げてギリギリで逃げ切りましたが、このやり方ですと誰がいつ投げるかがハッキリとせずにブルペンでこれまで以上に肩を作るための負荷がかかりそうですので、本人が前向きに意欲を見せている益田に固定をすべきだと考えます。
ただその益田も昨日に続いてストレートに数字が出ていないのが心配材料で、何かの予兆ではないことを願っています。
打線はお家芸の一回限りのお祭り騒ぎが大爆発での5得点、鈴木のバントミスで終わったかと思ったところで井口のタイムリーに汚名返上とばかりの鈴木の積極的な走塁が牧田を追い詰めたのか、そこから理想どおりにホワイトセルを警戒しまくっての四球で塁が埋まり、これまた昨日の5タコを挽回するように角中が低めの難しいボールを巧みなバットコントロールでライトに運び、サブローががら空きの三遊間に転がしての4点目、最後は地味に福浦の内野ゴロで締めくくってくれました。
例によって中盤以降は手も足も出ない状態になりましたので、何かベンチの効果的な作戦、あるいは選手の考えたプレーといったものではなかったことが残念ではありましたが、ミスが出ても取り戻せる繋がりがあることからしても底からは脱したのではないかと、そう思いたいものです。
さりげなく金澤がいい働きをしましたし、これはおそらくアンダースローを意識しての左打者が理由のスタメンマスクなのでしょうが、田中へのいい刺激にもなったでしょう。
繰り返しになりますがここにもう一枚でも加えたいと、同じ試合の中で捕手が競い合える体制にしてもらいたいです。
そして今日の荻野貴の欠場が昨日のクロスプレーによる影響ではないことを祈るとともに、野手にも適度な休養を与えるような全員野球でのラストスパートへの準備を願います。
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