オリオン村(跡地)

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出るロッテは打たれる

2008-12-13 03:12:17 | 千葉ロッテ

Y2K以来の除夜の鐘を会社で聞くことになる今年の年末年始ですが、その準備のためのリハーサルが今週あったために更新を2日ほどサボってしまいました。
いろいろと興味深い記事があってうずうずとしていたのですが、疲労と睡魔には勝てません。

ボビー年俸円高差益で若手育成大会開催へ (12/10 日刊スポーツ)

ロッテが来季にも、若手育成のため2軍とクラブチームなどが対戦する大会「マリーンズカップ」(仮称)の開催を検討していることが9日、分かった。
イースタン・リーグだけでは実戦経験が不十分で、フロントやコーチ陣が数年前から効果的に若手を伸ばす手段を探っていた。
まだ構想の段階だが、バレンタイン監督がメジャー流の1A→2A→3Aと実戦の中で競わせる育成方法を目指していることもあり、早期に日の目を見る可能性もある。
大会開催となると、資金のやりくりが課題だが、折からの円高が追い風となっている。
というのもバレンタイン監督の推定年俸約5億円はドル建ての月割りで支払っており、それだけでも1ドル120円前後だった9月と比べるとこの3カ月で数千万円も浮いている計算になる。
外国人コーチやスタッフも多く、合計すると1億円近い“円高差益”が球団にもたらされている格好だ。
球団幹部は「そもそも球団経営が赤字だから、大会開催で新たな経費がかさむのは難題」としながらも、タイミング的には悪くない。
本多球団部長は「来年は社会人、クラブチーム、フューチャーズとできるだけ試合をたくさん組みたいと思っている。イースタン以外に、できれば40試合くらいやりたい」と話した。
ロッテは育成枠で昨年6人、今年8人を獲得。
昨年6月にはバレンタイン監督が四国リーグの1球団を買収する構想をぶち上げたこともあり、若手に活躍の場を広げる姿勢が強い。
同大会がチーム飛躍の鍵を握るかも知れない。

コストの捻出をどうするかという問題をバレンタイン監督の年俸に結びつけるのもどうかとは思いますが、こういった実戦の場を増やすという方向性については正しいと言いますか、今のチーム状況を考えれば絶対に必要なことです。
ただでさえ投手が溢れかえり、また多くの育成選手を抱えているわけですから、イースタンの公式戦だけでは出番に恵まれずに才能を潰す選手が後を絶たないでしょう。
地方リーグや社会人チームなどとではレベル差があるとは言っても、やはり実戦での経験は何にも代えられない成長のためのエキスになります。

ただ心配なのは、今回はきちんと根回しはしているのだろうか、ということです。
昨年の四国ILの球団を買収する、あるいは選手を派遣するという構想は、球界の盟主を自任する巨人を中心とした反対で潰されました。
巨人は自分が中心でない他球団の動きが気に入らず、資金力や行動力に欠ける他球団は僻み根性があったと私は見ています。
そんなところへアマチュアチームの抱え込みとも捉えられかねない今回の構想は、昨年以上の反発を受ける可能性が非常に高いと思います。

日刊スポーツはそれでも冷静な記事となっていますが、巨人の機関紙であるスポーツ報知などは「マリーンズリーグ」「vs吉田えり」と刺激的な書きっぷりを見せています。
冷静に考えればリーグだろうがカップだろうが特定のチームの呼称を冠にした組織が認められるとは思えませんし、ただでさえ資金難の地方リーグや社会人チームが交通費などの負担をしてまで関西などからやってくるわけもありません。
そういった費用をロッテが負担することはさらに他球団を刺激するでしょうから、東京近郊の社会人チームやBCリーグの群馬や信濃あたりが精一杯でしょう。

たしか地方リーグや社会人チームなどと試合をすることは、リーグの承認が必要だったはずです。
ロッテの狙いは最初からこういった対戦を増やすことで、まずは大きく新リーグ構想をぶち上げた上で一段低い当初の目的を落としどころにする、といった高等戦術であればいいのですが、単に思いつきを口にしただけであれば「出るロッテは打たれる」とばかりに集中砲火を浴びるだけです。
結局は何も実現せずに、試合に出場できない投手や育成選手が才能を潰す2009年になる、そんなことにはならないようフロントに人材がいることを願いたいものです。

 

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8 コメント

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巨人に反旗をする戦略 (マー君)
2008-12-13 07:13:19
巨人と迎合する戦略?勘弁だよなあ(笑)
ロッテの戦略は巨人のいやがることを大義名分を掲げて
反旗を掲げるのが一番現場のファンにうけるだろう
昔とちがって巨人ファンが急ピッチで減っている以上
影響もないしね。

それにロッテの方法のほうがはるかに野球の普及や向上には
役に立っていると思うぞ。むしろこっちにきてもらう
よりは行ってあげたほうがあちらの観客動員にも多少は
意味が有るかもしれん。多少劣っていてもプロの連中と
試合をすることはアマにもいい影響も有るし選手がやめて
もつてで再就職の機会を設けられるし悪いことは有るまい
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Unknown (taka)
2008-12-13 09:45:52
経費とやら承認とやら色々な条件がありそうですが、これは是非ともやっていただきたいですね。我がマリーンズは現在育成選手14人に対して、イースタンに出場できるのは5人でありますし、やはり投手が多すぎるので若手に出場機会を与えなければいけません。当然プロとアマでは実力差はありますが、経験を積めるのならどんな形でも良いと思います。とにかく、今のマリーンズの課題は投手を飼い殺しにしない、ってところですかね?笑
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2011年への布石? (幻の侍ジャージー)
2008-12-13 15:26:43
 2011年東京独立リーグ(東京、神奈川、千葉、埼玉)開幕を目指しているとの情報(ウィキペディア)を見ました。育成選手の3年の期限も撤廃されるようですし、その辺を見越しての動きじゃないでしょうか?(あと2年で育成選手を30人程度に増やすとか?)
 社会人野球も衰退が加速(HONDAのF1撤退が今の経済情勢を象徴する出来事のような気がします)プロ野球への情熱を持った若者への受け皿として、メジャー流の1A2A3A構想は興味があります(今の独立リーグもそういう意味合いを既に持ってるとは思いますが)
 四国はやはり遠いので、ILチームの買収や派遣は経費や指導の面で現実的ではないと思います。そういう意味では関東リーグへの参加を目指すのが合理的かなと・・・。
 まぁ、どうなるか判りませんが、ウチが先陣を切って球界改革(プロアマ含む)の波を広げようという気持ちだけでも買いたいと思いますよ♪もはや球界の盟主が巨人だった時代は終わり!横浜やヤクルト辺りが続いてくれないですかねぇ。
 その前にまず関西リーグが盛り上がるのか否か、吉田えりの人気が如何程のものか、そちらの方にも興味があります。
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イニシアティブを握れ! (放浪カモメ)
2008-12-13 17:52:55
 お仕事お疲れ様です。
 育成制度ですが、今回は賛成です。ロッテとしては珍しくイニシアティブを握る事のできるチャンスであるとも思っております。四国ILの時の教訓を生かして、今度は根回しを利かせて、読売以外のチームにも協力を要請し、成功に導いて欲しいものです。
 ロッテの若手、2軍、育成選手の成長効果にも期待しておりますが、他球団で埋もれている選手にも教育リーグやウィンターリーグに加え、より多く実践での経験を積ませる事ができ、その選手を他球団が評価し、トレードで獲得する事も可能でしょう。またクラブチームの方から良い原石を見出す事が出来るかもしれません。トライアウトや練習生などよりも目をつけた選手をじっくりと観察する事ができますし。
 もちろん、プロ野球選手の退団後の再雇用の場にもつながります。プロアマ協定はありますが、引退してから数年後のコーチや監督など可能性は大いにあると思われます。
 色々と制約や確執の多いこの手の問題ですが、読売も育成枠で多くの選手を獲得し、1軍で活躍している現状を見ますと、現場レベルでの反対はなさそうですね。ただし、上の上辺りの人たちからの反対圧力がかかる可能性は大いにありますが。
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Unknown (富山マリン)
2008-12-13 21:24:00
今年は私の地元の選手が育成枠で入団しましたので、成長を期待しています。
ですから育成選手の出場機会はなんとしても確保してほしいと思います。
出場機会が与えられずに、育成出来なかったなどというバカな話しにならない事を祈っています。
夢を持って入団した選手の気持ちと地元の期待を裏切らないでほしいです…。
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お返事 (オリオン)
2008-12-14 01:16:12
>マー君さん
方向性としてはもちろん間違っていませんし、ロッテとしては実現しなければチームとしての存続すら危ぶまれると言っても過言ではないと思います。
ただ巨人を中心に反対勢力がいることは間違いなく、そこに根回しもせずに正面からぶつかっても砕け散るだけであることも間違いないでしょう。
本気であれば次の12球団会議みたいな場での提案、もしくは申請があるでしょうから、続報を待ちたいと思います。

>takaさん
とにかく1試合に5選手という制約を何とかしなければならない育成選手ですが、仮にその制約が撤廃されてもイースタンの公式戦だけでは機会が少なすぎます。
と書いていてふと思ったのですが、紅白戦を毎日でもやればいいのではないかと・・・
野手が足りなくて紅白戦すらできない2軍ということであれば、編成部の面々を入れ替えなければならないですね(苦笑)

>幻の侍ジャージーさん
東京独立リーグは構想倒れ、関西独立リーグも自然消滅、そんなことになるのではないかと予想しています。
野球空白地であった四国や北陸ですら興行的に苦労している現状を考えると、首都圏や大阪近郊での独立リーグが成功するとは思えません。
野球界にとっては各県1チームぐらいのこういったチームがあるのはウエルカムではあるのですが、現実的にはNPBの下部組織としてでなければ早晩行き詰まると見ています。
NPBとしてもコスト削減に繋がりますし、ロッテが四国ILの球団買収を試みたように、3軍という側面での提携を真剣に考える時期にきているように思います。

>放浪カモメさん
巨人はあくまで「育成の巨人」をアピールしたいでしょうから、自ら主導したフューチャーズにこだわると思います。
今回の報道を見るとフューチャーズとの対戦をも視野に入れているようで、これも根回しの1つかもしれません。
ただ意欲も資金もない球団としては勝手なことをするなとの思いが強いでしょうし、新リーグやカップ戦といったものは実現しないと思った方がよいでしょう。
とにかく実戦の場を増やすことができれば形式にこだわる必要もありませんから、対外試合をもっと認めろという要求が通ればよしと考えます。

>富山マリンさん
実際にそのバカな話で若い選手が早々に戦力外となっていますので、対外試合を増やすための試みは何としてでも実現してもらわなければ困ります。
とは言っても今のロッテのコーチ陣の少なさでどうカバーしていくのか、実はそちらの方が心配だったりします。
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ロッテとしては (マー君)
2008-12-14 09:49:25
育成枠の選手を利用して安く自社ブランド製品をつくり販売
(笑)するつもりでは? 四国アイランドリーグの愛媛を
チェックしたのだが観衆1000人程度で赤字2000万円
長野の契約金の半分以下で賄える訳だ
 幸い県内には使われない球場が千葉と茨城だけで山の
ようにあり、バスもうまくやれば二軍がホームのときに
遠征すればうまく移動できるし各地でやればいいよ
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お返事 (オリオン)
2008-12-15 00:59:43
育て上げるという意味では育成枠という制度は悪くはないと思います。
ただそれも実戦の場があってこそで、やはり遠征費用などを考えると関東近辺でうろつくのがせいぜいでしょう。
果たして抱え込みとも捉えられかねないロッテの動きに、賛同するアマチュアチームがあるかどうかに注目です。
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