ふたりの距離の概算 |
古典部シリーズの最新刊は古典部の面々、折木奉太郎と千反田える、福部里志と伊原摩耶花が無事に二年生に進級をしています。
時間が進んでいることからこのシリーズも神山高校を卒業するときが締めくくりになるのでしょうから惜しくもなりますが、進級をして新しい顔が登場をすることで世界が広がりますし、そしてこの作品ではそれが新入生である大日向友子です。
しかし仮入部をして奉太郎の誕生会を開くなどすっかりと打ち解けたはずのこの新メンバーが本入部の直前に「古典部には入らない」と言葉を残して去っていった理由をマラソン大会の20キロを走りながら奉太郎が考えていく、そんな安楽椅子探偵なストーリーは読み応えがありました。
種明かしがされてしまえばここそこに伏線が仕込まれていたのはこれまでのとおりでした。
そしてシリーズを重ねる毎に人間関係に重きを置くようになってきたことを象徴するかのようなタイトルが、深く胸に響いてきます。
入部から一年が経ちお互いのことを理解しつつも距離の取り方の難しさに戸惑う、そして人間的な成長を遂げていくところがテーマなのでしょう。
省エネ主義だった奉太郎が誰かのために何かをしようとする、そこには甘酸っぱい青春模様がありつつもそれだけで終わらせないところがポイントです。
だからこそ決してハッピーエンドとはならないのでしょうし、それが飽きさせない理由となっています。
ここまでのペースからしておそらくは次に古典部と巡り会えるのは二年後なのでしょうがそれまで待ちきれるのか、あまり自信はありません。
ゆるゆるとアニメなどを見ながら、この作者の他の作品に手を出すかどうかを考えてみることにします。
2012年12月9日 読破 ★★★★★(5点)
いつもながら、ちょっとけしからん文章かな。
著名雑誌、新聞の書評、映画評じゃないんですから、
感想はあなたが個人で思っておけばいいんじゃないですか。
わざわざ書いても喜ぶ人いないでしょう。
コメントもあまり付かないようですし。
むしろ反感から共鳴がないといえるのかも。
旅行記はオリジナルだから構いませんよ。
しかし書評、映画評をネットで披露したがる素人の考えは分からない。
オリオンさんのブログなんだから、オリオンさんの自由です――とはいかない。
マナーを守った上での自由ならいいけれど。
多趣味、博学、行動的だというのはわかりましたから。知らしめなくても知ってますから。
自己満ならアップしないで自分のパソコン内だけに整理してください。
以前他の方がコメントで触れてらっしゃった「インシテミル」などはミステリ重視(ミステリ重視という表現がふさわしいか微妙な感もありますが)
逆に「さよなら妖精」や「ボトルネック」のようにドラマ性重視の作品もあり(個人的には後者が好みですが)、なかなか多芸なところが、いつも読前にワクワクした気持ちになります
というわけで、僭越ながら他作もおすすめさせて頂きます
ネタバレ的なとこ、無いと思いますが。
ブログなんて自己満以外の何ものでもありませんので、悪しからず。
>∵さん
なるほど、作品によって雰囲気が違いますか。
それであれば他の作品にも手を出したくなりますね、てことで二冊ほど買ってみました。
うーん、電子ブックは浪費しやすいので注意をしなければ。