オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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貫禄の唐川

2009-03-22 17:28:57 | 千葉ロッテ

 

今日はまさに春の嵐のような天候でとても試合どころではないかと思っていましたが、雨ならぬ強風で中止となった2軍戦を横目に、千葉マリンでは「このぐらいの風で大げさな」とばかりにしっかりとオープン戦が開催をされました。
そして投げては唐川が貫禄のピッチングを、打っては福浦が復活へのレフト前ヒットと、いろいろと収穫のある試合となりました。

まずは唐川、今年は大ブレイクをしてくれそうな予感があります。
今日は5回途中までで2安打6奪三振で無失点、外野に打球が飛んだのはヒットだけという完璧に近い内容でした。
ややボール先行になるところはありましたが、それでも打者が早いカウントから手を出してくるのはコントロールが良いというイメージがあるからで、先日も書きましたがこのイメージを逆手に取ることでボール球を打たせるというテクニックを身につけることこそが、唐川がエースとして一本立ちできる条件だと考えています。
そのためにはリードをする里崎や橋本将のサポートが欠かせませんし、昨年のように悪い意味でイメージを押しつけない周りの理解も必要です。
できれば今日は他の先発投手と同様に80~100球程度は投げて欲しかったところですが、この強風で背中を押されてスタミナ的には厳しいものがあったでしょうから、そこは次回への宿題と、楽しみは次回にと考えたいと思います。

そんな唐川に大きな期待が膨らんでくるのですが、2007年の成瀬の姿と重ね合わせて見ている自分がいます。
あの年の開幕投手は今年と同様に清水でしたが、バレンタイン監督をして「調子だけを考えるのであれば開幕投手は成瀬」と言わしめたぐらいに、春季キャンプの時点では呉と6番手争いと言われていた中で急成長を見せたのが成瀬でした。
開幕当初こそ打線の援護に恵まれずに足踏み状態が続きましたが、その後はご存じの通りの大車輪の活躍を見せてくれました。
今年は清水も好調なだけに唐川だけが突出した結果を残しているわけではありませんが、それでもキャンプからの安定感で言えば清水を凌ぐものがあります。
まずは10勝を目指すとコメントをしている唐川ですが、本人もかなりの手応えを感じていると思われますので、最終的には15勝を目指すシーズンになるのではないかと期待をしていますし、きっとやってくれると信じています。

福浦のバットも風に負けることなく、地味にヒットを放ち続けます。
今日は福浦らしい左方向へのヒットで、アウトになった打球もショートライナーですし、このまま順調に開幕を迎えてくれそうです。
2番という打順がどうなんだろうとは思いますが、さすがにバレンタイン監督も福浦に2番打者としての小技を駆使した活躍を期待しているわけではないでしょうから、福浦としても妙なプレッシャーも無く打席に入っているものと思われます。
それはそれでバレンタイン監督の頭の中が読解できずに困りものではあるのですが、上位打線を任されているというプライドを保つ配慮と考えれば悪い話はなく、西岡の3番に固執するのであれば最善の選択と言ってよいかもしれません。
打撃だけではなく守備でもチームに大きな貢献をしてくれる福浦だけに、もし福浦が守っていれば7回の走塁妨害も防げたのではないかと、そう思える存在感があるのが福浦です。
この2年間のチームの低迷は福浦の不調とは無縁ではないと思いますので、福浦の復活ぶりに期待感が高まります。

その他では開幕1軍ベンチを確実なものとした松本が、今日は今ひとつの結果に終わりました。
走塁妨害はともかくとしても、今日はボール先行という悪癖が顔を見せかけたことで苦しいピッチングとなってしまったようです。
強風の影響も多少はあったのかもしれませんが、ロッテで投手をやる以上は風を味方につけるぐらいでなければ務まりませんし、あれだけの角度があれば左右にかかわらずに攻めのピッチングで充分にやっていけるはずです。
松本の場合は気持ちで負けて制球を乱しているわけではないのが逆に頭の痛いところですが、高木の衰えが見え始めているだけに、松本には頑張ってもらいたいものです。

そして荻野、ついに僅差の展開で失点をしてしまいました。
劇場型の守護神ですからこの程度にがたついていても仕方がないのですが、ロッテファンにとっての9回は胃が痛くなる展開が今年も続きそうです。
力のある投手ではあるのですが、力でねじ伏せるタイプではないだけに、早いカウントから追い込んでいかないと厳しいものがあります。
昨年の実績を考えれば伊藤あたりを9回に起用してプレッシャーを与えるといったことも出来ないでしょうから、ここは見守っていくしかないのかもしれません。

そんな荻野が守護神を務めているわけですから、点を取れるときに確実に取るべきなのですが、バレンタイン監督がベンチにいるわけですからそれは高望みでしかありません。
3点差で迎えた8回に先頭打者のランビンがツーベースを放った無死二塁で、次の打者の竹原にバントをさせないこと、これにはバレンタイン監督だから仕方がないと分かっていても、諦めていても、それでも腹が立ちます。
2回のようにヒットが続けばかさにかかって大量点を取ることが出来ますが、それは当たり前の話であり、ベンチの策戦で貴重な点を取ることが出来ない戦いぶりがロッテな野球と思うしかないのが悔しくてなりません。
例によってバントができる選手がいないからと自らの不幸を嘆くのかもしれませんが、そんなことを言っているからファンからの絶大なる人気を誇りながらも、今年限りの退任を冷ややかに見ているファンもいることに気がつけていないのがバレンタイン監督の不幸であり、ファンの不幸でもあります。
また的確なアドバイスをすることができないコーチ陣、そしてその雰囲気を作り上げてしまったフロントにも責任の一端があることも忘れてはなりません。

そんな中でも手をこまねいているだけではなく、さすがにバレンタイン監督も外野の布陣に手を入れ始めました。
ロッテの外野陣の象徴とも言えるサブローと早川をスタメンから外し、ランビンや早坂といったところを起用してきました。
ランビンは早川のお株を奪うようなガッツぶりを見せてくれているようですし、徐々にではありますが結果も出始めました。
そして早坂もようやく武器の足を活かす場を手に入れつつあり、この早坂の外野転向がもしかしたら今年の一番のヒットになるかもしれません。
そうは言っても実績のあるサブローらの牙城を崩すのはなかなかに難しいところがありますが、頭数が少なく澱み気味の外野陣に波紋が生じ始めたことはよいことですので、ランビンや早坂、そして練習もしていないのにいきなり外野を守ってどこかを痛めたのか姿が見られないバーナムの奮起にすがりたい気持ちです。

試合は西武の捕手陣が可哀想になるぐらいに走りまくっての7盗塁、早坂や西岡、早川といったお馴染みのところにベニーとランビンが2つずつと、見ている方からすると笑いが止まらないような展開で、西武も細川がいなければチームとしては低迷をするだろうという弱点を見つけた気分です。
とは言えこれだけ走っても終わってみれば僅差の展開でしかないのはベンチ力の差とも言えますし、初回の一死からの西岡のバントはセーフティーを狙ったおそらくは自分の判断でしょうから、たまに1試合で走りまくっても続かないのは昨年までを見れば明らかですし、大きな期待をかけるのは早計のような気がします。
それでも開幕投手候補である岸を攻略したことは大きな収穫ですし、きっちりとした型にはまった勝利ではなくとも、この時期ともなれば同一リーグの相手には勝つことが重要です。
ソフトバンクとは2勝2敗とタイながらも他の3球団とは4勝1分の無敗ですから、明後日の日本ハムとの試合にも勝利して「今年のロッテは違う」というイメージを植え付けること、これが意外にも相手にいろいろと考えさせることで有利な展開に繋げることにもなりますから、とにかく貪欲に勝ちにこだわって欲しいと思います。



1 2 3 4 5 6 7 8 9
西武 0 0 0 0 0 0 1 0 1 2 8

0

千葉ロッテ 0 0 3 0 0 0 1 0 X 4 9 2


◆3月22日(日) 千葉ロッテ-西武OP戦(ロッテ1勝、13時、千葉、9,251人)
▽勝 唐川 3試合2勝
▽S 荻野 7試合1勝3S
▽敗 岸 2試合1敗

▽バッテリー
千葉ロッテ 唐川、松本、中郷、荻野
―里崎、橋本将
西武 岸、谷中、小野寺―銀仁、野田

 

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