昨秋のバレンタイン監督の退任騒動の際には海外出張で不在であり、またその後の2009年限りでの退任が決定をした時にも表面には出てこず、まさに父親を見習ったかのような影武者オーナー代行と化していた重光ジュニアでしたが、久しぶりに表舞台に登場をしました。
当然のことながらマスコミはバレンタイン監督の去就についての質問を投げかけ、そしてこれまた当然のように瀬戸山球団社長の路線を追認する形の発言に終始をしたようです。
オーナー代行明言 ボービー退団は既定路線 (3/16 スポーツニッポン)
ロッテの重光オーナー代行が、ソフトバンク戦(千葉マリン)を観戦。
バレンタイン監督の今季限りでの退団が決まってから初めて公の場に姿を見せた重光代行は、今季日本一でも退団は既定路線であることを明言。
方針に変更がないことを強調し、球団フロントとのトップ会談では「ファンのためにも変革が必要」と強く訴えた。
また、青学大の後輩にあたる井口とも初対面して「チームを引っ張っていってほしい」と期待を寄せていた。
まさか瀬戸山球団社長らが登った屋根のはしごを外すわけにもいきませんし、当たり前と言えば当たり前なのですが、どうにもタイミングが悪すぎます。
本人にそのつもりはなかったのかもしれませんが、この時期に再び去就についての話題がクローズアップされてしまうことは、開幕に向けてモチベーションを上げようとしているチームにとっては足を引っぱることになりかねません。
ロッテ本社の後継者争いで球団どころの騒ぎではなく、そういった配慮をする気持ちの余裕すらないのかもしれませんが、こういう時こそ冷静な立ち振る舞いができないことが重光ジュニアにとっては大きなマイナスと受け取られても仕方がないような気がします。
それはさておき、1995年のオフに広岡GMとバレンタイン監督との確執には広岡GMに軍配を上げ、その広岡GMが翌年に結果を残せなかったことで、紆余曲折した挙げ句にバレンタイン監督の再登板となったことがバレンタイン監督のお山の大将の弊害を生んだということを、さすがに忘れる重光ジュニアではないでしょう。
従って仮に今季を日本一でシーズンを終えたとしてもバレンタイン監督の続投はありえないということ、これは間違いのないことだと思います。
もしファンの後押しや世間の評判を気にして方針を撤回するようですと、経営者としては優秀な瀬戸山球団社長らの下野に繋がりかねませんし、お山の大将が王様になって千葉ロッテ・バレンタインズになることは火を見るよりも明らかです。
シーズン前に敢えて今季限りの退任を発表したのも、オフにこういった騒動とならないようにするためなのでしょうから、腰のふらついたところを見せるわけにはいきません。
そういう意味では気持ちの揺らいでいないところを見せた昨日の発言は歓迎すべきことですが、これがシーズンに入ってから首位を突っ走ったりした際にも堅持できるのか、これはある意味でロッテ本社の後継者として認められるかどうかの試金石とも言えます。
ファンが暴動を起こすことなくソフトランディングで次期政権の誕生を迎えることができるのか、その手腕に注目です。