今ごろは早朝から広島に旅立つために早寝をしているはずだったのですが、週末の予定が無くなってしまったので時間を気にすることなく三ヶ月ぶりのレイトショーです。
シリーズ5作目、前作はスピンオフでしたのでマット・デイモンとしては4作目の「ジェイソン・ボーン」はそのまんまのタイトルで、ようやくに記憶を取り戻したボーンが自分探しと言いますか、なぜトレッドストーン計画に加わっていたのかを探るべくCIAとの戦いに身を投じていきます。
タイトルがそうなのもCIAエージェントとしての生い立ち、ジェイソン・ボーンとは誰なのか、がテーマだからなのでしょう。
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ジェイソン・ボーン |
前作から9年、第一弾から14年が経っていますので年輪を隠せないマット・デイモンはさすがに引き締まった体をしていましたが全体的に大きくなっているのは仕方がないのか、得意の早歩きもどこか熊のそれのようで俊敏さと言いますかしなやかさと言いますか、そういったものが感じられませんでした。
しかし圧倒的な強さは相変わらずで、ちょっと強すぎるんじゃないの、もっとぎりぎり感があったほうがよかったんじゃないの、なんて思ってしまうほどで、「悪」に立ち向かう痛快さはありながらもどこか暗い雰囲気があるのはテーマがテーマだからなのでしょう、勝手にライバル関係と目しているミッション・インポッシブルとは対極にあります。
くすっ、とでも笑えるシーンはありませんし、久しぶりに映画酔いをしてしまった目まぐるしい展開はバイクチェイスあり、カーチェイスあり、肉弾戦ありと息もつかせぬスピード感が最初から最後までで手に汗握る、123分の長さを感じさせない面白さでした。
目立ってはいけないはずの逃亡者、そしてCIAとの戦いが町中でのど派手なものだったのはいかがなものか、また日本人にはイメージがあれなトミー・リー・ジョーンズが強面で出てくるのには違和感があったりもしましたが、これまでの作品を観たことがある人には逃す手はないでしょう。
逆に言えば一見さんには厳しいような、人間関係が繋がっていますので、予習としてアイデンティティー、スプレマシー、アルティメイタムを観ておくことをお薦めします。
ちなみにプロローグに日本語が、棒読みのようなセリフがありますので、ストーリーとは全く関係ありませんが聞き耳を立ててみてください。
2016年10月21日 鑑賞 ★★★★★(5点)