道元の話を続けたい。道元が中国に留学して帰国することになった時、師の如淨から、こう戒められた。「お前は日本へ帰って、大勢の人々を集めて、説教しようなどという考えをおこしてはいけない。一人、いや半人にその道を伝えよ。それで十分だ。」道元は亡くなるまで、それを座右とし、その教えを守るべく、越前の永平寺という深山幽谷へと入っていった。しかも、弟子は懐奘(えじょう)ただ一人を連れてである。師の教えに従って、道元は終生、自ら弟子を求めることをしなかった。それだけに道元と懐奘との会話にはひとしお、味の深いものがあっただろう。 . . . 本文を読む
安倍晋三首相が10日の自民党大会で、民主党政権について「悪夢のような」と評したことに、民主党出身議員らが反発している。立憲民主党会派の岡田克也元副総理は強く発言撤回を求め、自由党の小沢一郎代表は「もう一度、悪夢を見てもらわなければならない」と息巻いた。だが、民主党政権当時、多くの国民は実際に悪夢を見る気分ではなかったか。 . . . 本文を読む
その他は、これは天神様、菅原道真(すがわらのみちざね)のような、和歌を作るより漢詩を作る方が簡単だというような、ああいう漢文のすごい人も、和歌を詠むときにはやまとことばしか使わないんですよ。それだけ、国語というものに対する誇りと自信と尊敬心があった。漢文は書きます。漢詩は作ります。しかし、和歌の道は、つまり敷島の道は、やまとことば、こういう伝統があるんです。 . . . 本文を読む
国家基本問題研究所の一員として訪ねたインドのシンクタンク、ビベカナンダ国際財団とのセミナーは、日印共通の戦略的な対抗相手である中国に、どう立ち向かうかに絞られていた。中国政府の巨大経済圏構想であるはずの「一帯一路」が、軍事と情報の絡む地政学的リスクになりつつあるからだ。今回の会議では、当方の懸念がモディ印首相による最近の対中接近であるように、先方の懸念もまた安倍晋三首相の対中接近にあった。しかし、議論を通じて互いの戦略意図が明らかになって、日本とインドの密接な関係こそが中国の力によるアジア支配を防ぐとの共通認識に至った。 . . . 本文を読む
【阿比留】 19世紀中国に清とイギリスの間にアヘン戦争がありました。そんなに遠くない歴史で、たとえば慰安婦問題については日本にとやかく言うのに、中国がイギリスに対しては何も言わないのを疑問に思う人がいます。これはつまり、中国はイギリスには何を言っても無駄だと思っているからです。イギリスに文句を言っても何も対応しないと分りきっているから何も言わないわけです。 . . . 本文を読む
H31.01.31
あなたより不幸な人に自分の幸福を語るなかれ
( プルタルコス )
Do not speak of your happiness to one less fortunate than yourself.
( Plutarch )
H31.01.30
絵画は黙したままの詩であり
詩は語りかけてくる絵画である
( プルタルコス )
Painting is silent poetr . . . 本文を読む
博覧強記の評論家、八幡和郎氏の2日付のフェイスブックの記事は、戦後最悪といわれる日韓関係を考えるうえで、示唆に富むものだった。八幡氏は新著『捏造(ねつぞう)だらけの韓国史―レーダー照射、徴用工判決、慰安婦問題だけじゃない』を執筆しながら、改めてこう感じたのだという。「日本が(文化で)韓国人から学んだとかお世話になったということなど古代から何もないということであり、一方、韓国人が日本から学んだことは多いのにほとんど研究もされずに不明だということだ」 . . . 本文を読む
『南洲手抄言四録』とういうのがある。『言志四録』1034条の中から、特に自らの座右とすべき語録101則を手書きしたものである。佐藤一齋は江戸後期の大儒者で、十分な社会的学問的経験を経た後半生40余年にわたって書かれた語録が『言志四録』である。42歳の時に書いた『言志録』、57歳の時に書いた『言志後録』、67歳から78歳までの間に書いた『言志晩録』、80歳の時に書いた『言志耋録』の四つを集めたから『言志四録』と呼ぶ。 . . . 本文を読む
今月5日から中国では「春節」(旧正月)が始まっている。日本のお正月と同様、春節は普通、7連休か8連休となるが、その間、多くの中国人が昔からの慣習に従って「拝年」に出かけるのである。「拝年」とは春節期間中、親族中の年配の人や会社の上司などの目上の人の自宅を訪れて新年のあいさつを行うことである。宋の時代からの慣習といわれるが、今でも中国社会の中にすっかり定着して一般的に行われている。 . . . 本文を読む
かの有名な「悪貨が良貨を駆逐する」という言葉は、金属貨幣を対象とした「グレシャムの法則」として知られています。金属貨幣は長年の流通の過程で摩耗したり、破損したりせざるを得ません。そのため、額面価値は同一でも、実際に流通する通貨の形状は千差万別です。劣化した金属貨幣は、腐食したのか、摩耗したのか、それとも偽造されたのか、一見しただけでは判定がつきません。 . . . 本文を読む
海上自衛隊のP1哨戒機に対する韓国駆逐艦「クァンゲト・デワン」の火器管制レーダー照射問題をめぐる文在寅(ムンジェイン)政権の態度を見ても分かるように、日韓対立は歴史問題の争いから物理的な対抗の次元に移行中だ。韓国軍の強硬姿勢に、自衛隊―特に海や空で韓国軍に遭遇する海自には「すべての指示は大統領府(青瓦台)から出ている」との見方が出ている。国の指導部が武力を持った軍に対して対外挑発を指示するなど危険極まりないが大方、外れてはいないだろう。 . . . 本文を読む
靖国神社をめぐる政治的現実は厳しいが、それでも明るい側面もある。靖国に眠る英霊の家族と、かつての敵の米国軍人およびその家族との間に、「魂の交流」とでも言うべき関係が築かれている。戦後70年目の27年、安倍首相は米国上下両院合同会議で演説し、当時94歳のローレンス・スノーデン海兵隊中将と、元総務相の新藤義孝氏を紹介した。スノーデン氏は23歳で海兵隊大尉として中隊を率いて硫黄島で戦い、生き延びた。新藤氏は硫黄島守備隊司令として熾烈(しれつ)な戦いの果てに戦死した栗林忠道大将の孫である。 . . . 本文を読む
厚労省はバカだ、としかいいようがない。国家の根幹となる統計数学への国民の信頼が大きく揺らいだ。ショッキングだ。従業員500人以上の大規模事業所は全数調査がルールなのに、厚労省は平成16年から東京都内分を3分の1の抽出調査に切り替えた。「不適切」ではなく、明らかにルール違反であり、統計法違反である。 . . . 本文を読む
2018年8月4日、ベネズエラのマドゥロ大統領の再任式典。ドローンが爆薬を積み込んで会場に飛来した。会場となったテント村近くで爆発し、10数名が怪我をした。ただちに、ジョン・ボルトン補佐官は「自作自演ではないか」と言った。ワシントンではベネズエラの旧軍人等がトランプ政権と接触し、クーデター計画が進んでいるという情報も飛び交った。 . . . 本文を読む
香港のカソリック教会枢機卿であるジョセフ・ゼンは「バチカンは中国国内1200万人のキリスト教信徒を絶滅させようとしている」として、激しくバチカンのフランシスコ法王を批判した。「もし私が漫画家なら、ローマ法王が、あろうことか習近平にひざまずいて『どうか私をローマ法王と認定して下さい』と懇請している構図のものを描くだろう」とフランシス法王の異常なやり方を非難する。カソリックの枢機卿が法王を批判したのである。 . . . 本文を読む